
Asana Japan
2024/8/20
日本企業において、DXがなかなか浸透しないのは、ツールありきで進んでいることだけが理由ではない。同レポートでは、日本企業の働き方の様々な問題も指摘している。例えば日本の経営者は、非効率な会議により毎週1.5日分もの勤務時間を無駄にしていると感じている。また、こうした会議も含め「仕事をしているふり」をして忙しさを演出するナレッジワーカーが全体の3分の1以上もいるというのだ。
こうした働き方の問題に対して、どのような変革が必要なのか。「我々の調査レポートでは、働き方を変革するためのポイントとして、4つのキードライバーを挙げています。それが、『キャパシティ』『レジリエンス』『ベロシティ』『コネクション』です」と立山氏は語る。
1つ目の「キャパシティ」は、能力ある人財の有効活用ができているかどうかだ。会議のための資料作り、報告書作成、ツール間の非効率な連携など、価値を創造する以外の「仕事のための仕事」に時間が奪われすぎていると立山氏は指摘する。
2つ目の「レジリエンス」は、人財の流動性が高まったとしても、組織が安定して業務を遂行できるかどうかがポイントとなる。立山氏は、「組織にとって知識の属人化を防いで、継承をいかに進めるかは大きな課題となっています。情報の保管場所やフォーマットなどを整備し、すべてのツールとスムーズに連携できることが重要です」と語る。
3つ目の「ベロシティ」は、意思決定するまでのスピードだ。部署ごとに別々のツールを導入し、サイロ化を解消するつもりが逆に進んでしまっている例も少なくない。それが意思決定を遅らせる要因となる。「誰でも直感的に使えるツールで、組織の垣根を越えて人と人、業務と業務をつなげる仕組みが必要です」(立山氏)。
最後の「コネクション」は、部門内、部門間、社外とのつながりがスムーズかどうかである。同レポートでは、社員間のコラボレーションにイノベーションを行う必要があると答えた日本のナレッジワーカーは95%にも上り、多くの社員がコネクションに課題を感じているという。そして立山氏は、もう一つの「つながり」の課題を指摘する。
「自分が担っている仕事が、会社の掲げるゴールにどう貢献しているのか見えていない場合も多いでしょう。これは仕事のやりがいにも直結する大きな問題です」

こうした課題に対応するために生まれたのが、ワークマネジメントプラットフォーム「Asana」だ。Asanaは、単なるタスク管理やプロジェクトマネジメントのツールではない。本来仕事とは、複数の企業や部門、人が密接に絡み合い、複数のプロジェクトが関連し合いながら進むものだ。Asanaではこうしたデータのすべてを「Work Graph®」と呼ぶ独自のデータモデル上でつなげて管理する。
これにより、企業のミッション、ゴールを日々の業務とつなげて一元管理し、1つのツールで完結できるのも大きな特徴だ。つまり現場の社員は、今、自分が担当しているタスクが会社の掲げるゴールにどのくらい貢献しているのかが一目で分かる。
「これが、経営目標を効果的に設定し、経営資源のポートフォリオ管理までを可能とする『ワークマネジメント』というAsanaのコンセプトです。Asanaがいかにユニークなプラットフォームかご理解いただけると思います」(立山氏)
ワークマネジメントを活用し、大きな成果を上げている企業は多い。その事例をいくつか紹介しよう。
大手IT企業の富士通は、効率的な働き方をしているチームの仕組みをテンプレート化し、ベストプラクティスとして共有。知識の継承により、他チームの仕事の効率化に貢献しているという。また、人と仕事の相関関係をAsana上で構造化することで、業務効率を30%向上させている。
自動車メーカーのスズキでは、繰り返しの業務をAsana上で標準化し、現状以上の成長を維持しながら残業時間を35%も削減。また、大きな課題であった技術ノウハウの継承もAsanaで効率化した。さらには、Asanaを使うことで、チーム全体の状況を一目で把握でき、マネジメントがしやすくなったという。
地方自治体での活用事例も出始めている。広島県福山市では、600以上あった報告業務を撤廃。報告しなくとも、Asanaを見ればすぐに分かる状況をつくったことで、役職レイヤーごとのタイムラグもなくなり、意思決定のスピードも高まったという。
また、エレベータ・エスカレータなどの専業メーカーであるフジテックは、従来の会議をAsana上での報告や共有に移行したことで、年間3200時間の会議時間を削減。これにより現場が活性化し、組織の自律とエンパワーメントが進んでいる。
「ご紹介した通り、Asanaは特定の業界に限らず成果を上げています。今後は、自治体や金融業などの高いセキュリティが求められる業界への導入など、より幅広いニーズに応えていけると考えています」(立山氏)
業界や企業規模を問わず、イノベーションの推進に向けてAIを積極的に取り入れる企業も増えており、働き方のイノベーションにおいてもAIの活用はキーであることに間違いない。今、Asanaがとくに推進しているのがAI機能「Asana AI」の拡充だ。「AsanaはAIに関して、人間の目標達成、人間+AI、人間による意思決定、安全性、透明性を基本原則としています。意思決定をするのは必ず人間であり、AIはそのサポートをするパートナーです」(立山氏)。
例えば、「スマートステータス」は、プロジェクトの進捗状況報告のドラフトをAIが作成してくれるというもの。手間暇のかかる報告書類の作成をAIが手助けすることで、報告のための時間を短縮してくれる。また、リリースが予定されている「AIワークフロー」は、AIがワークフローを最適化し、複雑なプロセスを自動化。例えば、定型業務フローにAIを適用することで、優先順位の判断、担当者の割り当て、ナレッジの検索、応答生成等あらゆるステップを自動化してくれるのだ。
「働き方の変革とは非常に複雑な問題で、複合的に考える必要があります。タスク管理やプロジェクトマネジメントでは、どうしても部分最適になりがちです。ワークマネジメントという考え方の下、働き方をよりスマートに、より良くし、社員のエンゲージメントの向上とともに、企業のビジネスの発展に貢献していきたいと思っています」(立山氏)
