株式会社NTTデータ
ソーシャルデザイン推進部
新事業開発準備室 課長
谷口 祐美氏
経済産業省の調査
※1によれば、2020年に262万人だったワーキングケアラーは2030年には318万人になる。また、家族介護者全体の増加による社会の経済的損失は、同じく2030年に9兆円を超える見込みだ。
ワーキングケアラーの内訳は、45歳~ 49歳がボリュームゾーンで171万人に上る。この年代は企業・組織ではミドル層に当たり、職務で重責を負う層となる。仕事と介護の両立に追われれば、心身ともに疲弊するのは想像に難くないだろう。
現在の企業・組織には、従業員の親族に介護が必要になったことを把握する仕組みがほぼない。そこでNTTデータは、自社の実態を把握するため2024年6月に国内の従業員にアンケート調査を実施した
※2。結果、40代以上の従業員の6割がワーキングケアラー、または今後5年以内に親の介護が必要になりそうな予備層であることが分かったという(図1)。
「さらに、ケアラーの55%が『仕事への影響が大きく、働き方を変更する必要がある』と回答していました。早い時期からテレワーク制度を導入している当社でこの状態ということは、出社が必須の業界で働くケアラーの方は、さらに難しい状況にあることが想像できます」とNTTデータの谷口 祐美氏は話す。
同社では介護休職や相談窓口などの介護両立支援制度を設けているが、その利用率は低いという。要因としては、介護は育児と違って突然発生するため、用意された制度を計画的に利用するのが難しいこと、介護に直面する年齢層の従業員は責任あるポストに就いているケースが多く、簡単に休めないことなどがあると同社は分析している。
- ※1
- 「新しい健康社会の実現」内、ビジネスケアラー人数の推移/ 2023年3月、経済産業省 商務・サービスグループ
- ※2
- NTTデータグループ国内従業員の「仕事と介護の両立にかかる実態調査」