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NTTデータ

ワーキングケアラーが生き生きと

働ける環境づくりを支援する

自治体DXフォーラム 2025 Summer 出島で論じるdigital might
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少子高齢化が進む中、働きながら家族を介護する「ワーキングケアラー」が増加している。仕事と介護の両立は簡単ではなく、業務効率が低下するばかりか離職せざるを得ないケースもある。この深刻な社会課題の解決に向けて、NTTデータは新サービス「ケアラケア(Care la Care)」をスタートさせる予定だ。自治体や介護関連事業者など、パートナーとの連携に基づくワーキングケアラー支援サービスによって、働き手や家族の負担軽減に貢献する。

重職を担うミドル層の多くが仕事と介護の両立を強いられている

株式会社NTTデータ ソーシャルデザイン推進部 新事業開発準備室 課長 谷口 祐美氏
株式会社NTTデータ
ソーシャルデザイン推進部
新事業開発準備室 課長
谷口 祐美
 経済産業省の調査※1によれば、2020年に262万人だったワーキングケアラーは2030年には318万人になる。また、家族介護者全体の増加による社会の経済的損失は、同じく2030年に9兆円を超える見込みだ。

 ワーキングケアラーの内訳は、45歳~ 49歳がボリュームゾーンで171万人に上る。この年代は企業・組織ではミドル層に当たり、職務で重責を負う層となる。仕事と介護の両立に追われれば、心身ともに疲弊するのは想像に難くないだろう。

 現在の企業・組織には、従業員の親族に介護が必要になったことを把握する仕組みがほぼない。そこでNTTデータは、自社の実態を把握するため2024年6月に国内の従業員にアンケート調査を実施した※2。結果、40代以上の従業員の6割がワーキングケアラー、または今後5年以内に親の介護が必要になりそうな予備層であることが分かったという(図1)。  「さらに、ケアラーの55%が『仕事への影響が大きく、働き方を変更する必要がある』と回答していました。早い時期からテレワーク制度を導入している当社でこの状態ということは、出社が必須の業界で働くケアラーの方は、さらに難しい状況にあることが想像できます」とNTTデータの谷口 祐美氏は話す。

 同社では介護休職や相談窓口などの介護両立支援制度を設けているが、その利用率は低いという。要因としては、介護は育児と違って突然発生するため、用意された制度を計画的に利用するのが難しいこと、介護に直面する年齢層の従業員は責任あるポストに就いているケースが多く、簡単に休めないことなどがあると同社は分析している。
※1
「新しい健康社会の実現」内、ビジネスケアラー人数の推移/ 2023年3月、経済産業省 商務・サービスグループ
※2
NTTデータグループ国内従業員の「仕事と介護の両立にかかる実態調査」

会社とケアラーの両方を支援するサポートサービス「ケアラケア」

 「2025年4月に育児・介護休業法が改正され、介護離職防止に向けた環境の整備と、利用可能な制度の周知が義務化されました。しかし、個々の企業がすぐに自社で取り組みを始めるのは容易ではありません。そこでNTTデータ ソーシャルデザイン推進部では、ワーキングケアラーをサポートするサービスを新たに立ち上げることにしました」と谷口氏は言う。

 同部署は、企業・業界・社会の連携を図り、新たな仕組みやサービスを創出することをミッションとしている。ワーキングケアラーサポートサービス「ケアラケア(Care la Care)」は、NTTデータの子会社を設立して2025年10月に提供開始予定だ。

 ケアラケアは、企業が費用を負担する「企業向け」と、ケアラー自身が費用を負担する「個人向け」の2つに分かれている(図2)。  企業向けサービスでは、企業による介護両立支援の制度・施策等を活性化し、従業員個々が“介護をしながら安心して働き続けられる”環境を整えるための機能を提供する。まずアンケート調査で従業員個々の介護不安や制度理解・利用状況、仕事への影響などを可視化し、個々の状態に応じた制度・施策等の活用につなげていく。例えば介護に直面する前の従業員に対しては将来発生する可能性のある困り事を予測し、対策を学ぶセミナーや個別相談会に、介護に直面し既存の制度・施策だけでは問題解決が難しい従業員に対してはケアラケアが提供する個人向けサービスにつなげる。

 「私たちは、最もサポートが必要なのは親が要介護認定を受ける直前のワーキングケアラーだと考えています。なぜなら、要介護認定後はケアマネージャーが付き、公的サービスを受けられますが、認定前は介護の知識・経験が乏しい家族が中心になって親の対応を模索せざるを得ないからです」(谷口氏)。自ら親をサポートしなければならず、本格的な介護のスタートを目前にして不安を抱える人が大勢いる。それらの人々に安心を届けるサービスを目指しているという。

地場のパートナーとの連携で在宅でも質の高いサポートを

 個人向けサービスのコンセプトは、「親が自宅にいながら、施設に預けているような安心感」だ。これはNTTデータ社内のケアラーのリアルな声を基に考案したものだ。

 「現在の親の介護は『在宅』か『高齢者レジデンスに入居』の二択ですが、前者はケアラーが疲れてしまい、後者は親を施設に預けることへの後ろめたさを伴いがちです。そこで当社は、高齢者レジデンス並みのサービスを在宅ケアで提供することで、住み慣れた自宅でより快適に過ごせるようにしたいと考えました」と谷口氏は述べる。

 具体的には、ケアライフデザイナーと呼ぶ介護の専門家・有識者が随時、リモートでケアラーに伴走する。また、ケアラー自身が対応している割合が高い自宅での様子の見守り、外出や通院の付き添い、家事代行、配食などは、パートナーとの連携によって保険外の各種生活支援サービスを手配する。各サービスの利用後には、ケアラーに対しフィードバックレポートを提供。ケアラーはサービスに委ねながらもその間の親の状態を知ることができるため、安心してサービスを利用することが可能だ。さらに将来的には、利用者であるケアラーの仕事のパフォーマンスやウェルビーイングの状態をスコア化し、その情報をパートナーと共有しながらサービスを改善・強化していく構想もあるという。

 「ケアラーの負担を軽減するため、一部費用が企業の福利厚生制度で補填される仕組みも検討中です」と谷口氏は付け加える。

 なお、一連のサポートは全国隅々にまで届けられなければ不十分なものとなる。首都圏で働くケアラーの親が地方にいるなど、家庭ごとに事情は様々だからだ。これについて、ケアライフデザイナーのリモート支援はサービス開始直後から全国展開を予定しているが、パートナー連携に基づく個別の生活支援サービスは段階的に拡大していく予定だ。1都3県から開始し、エリアを逐次広げていくという。

 「そのためには、全国の自治体や地場の介護関連事業者様の協力が必要です。興味関心をお持ちの事業者様は、ぜひお声がけください」と谷口氏は話す。

 ケアラケアは、親が要介護認定を受ける前の予備期から在宅介護開始後まで、ケアラーが求めるサービスを一貫して提供する。これによりNTTデータが実現しようとしているのは、ワーキングケアラーが存分に活躍できる社会だ。人口減少時代に突入した日本に、大きな価値をもたらすサービスといえるだろう。
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株式会社NTTデータ ソーシャルデザイン推進部
E-mail:contact_socialdesign@kits.nttdata.co.jp