さらに、一段と機密性の高い情報を扱うための手段として同社が提案するのが「プロキュアテック プライベートAI」(以下、プライベートAI)だ(図1)。その名の通り、クローズドな庁内環境で利用・運用可能な生成AIである。プロキュアテックAI(LGWAN-ASP)と同じ機能を備えたLLMを、オンプレミスのサーバーにインストールして利用する。
「外部ネットワークに接続しないため、住民情報を扱うレベル3のネットワークで利用することも可能です。生成AIモデルやAIワークフローなどのソフトウエアと、それらを動かすサーバーを当社が併せて提供します」と川口氏は紹介する。
プライベートAIを導入すれば、庁内の機密情報を扱ったAIワークフローを実現できる。庁内のファイルサーバーやシステムから必要なデータを読み出し、最適な生成結果を生成AI自身が検討して、高精度なアウトプットを提示可能だ。
また、買い切り型のため、生成AIの文字数制限や従量課金制による月ごとの料金の変動なども気にする必要はない。「使えば使うほど早く投資を回収できます。予算組みが容易なこともメリットといえるでしょう」と川口氏は語る。
代表的なユースケースとしては、「オンライン申請の自動処理」が挙げられる。メールやファイルサーバー、データベースなどの新着情報を常時監視して、申請があり次第AIワークフローを稼働するのだ。非定型データから目的の情報を抽出して処理することも可能。添付ファイルからのデータ抽出や、ファイル形式の正規化なども実行できる。受領した書類に不備があった場合、再提出を依頼する作業を自動化することも可能だという。
「技術的には外部に接続して使うことも可能です。そのため、プロキュアテックAI(LGWAN-ASP)や、クラウド型で提供されている外部の生成AIサービスと連携させたハイブリッドAIの構築も実現できます」と川口氏は付け加える(図2)。受け渡す情報をプライベートAIで監視して、「機密情報か否か」を判断させることもできる。明確なルールや運用方法を定めて徹底すれば、安全性を維持したまま生成AIの価値をさらに増大できるだろう。
人口減少に伴い、働き手を確保することはますます難しくなることが予想される。一方で、自治体の業務は増え続けている。難易度や不確実性も高まっており、業務を効率的に遂行する上で生成AI活用はもはや不可避といえるだろう。
「タスクを『量』と『難しさ』の2軸で分類し、『量は少ないが、難しい』タスクを積極的に生成AIに任せるべきです」と川口氏は強調する。同社の生成AIソリューションは、その際の有力な選択肢になるだろう。