脆弱性を知ってから動く、
従来のセキュリティー対策が限界に
従来のセキュリティー対策が限界に
Datadog Japan合同会社
Senior Security Sales Engineer
CISSP
Senior Security Sales Engineer
CISSP
松﨑 裕樹氏
ソフトウエアやハードウエアで見つかった脆弱性に対し、CVE(共通脆弱性識別子)が公開されてから悪用されるまでの期間がどんどん短くなっている。既に、CVE付番から悪用観測までの日数がマイナス、つまり公開されるよりも前に悪用されるケースも増えている状況だ。
「直近の外部調査※1によると、確認された脆弱性の半数以上がゼロデイとみなされる状況だといわれます。CVEの登録に必要な情報の整備(エンリッチメント)が追いつかず、公表から詳細情報の展開までに遅れが生じていることも要因です。このように防御側は、脆弱性対策のために必要な情報をタイムリーに得ることが、ますます難しくなっています」と話すのはDatadog Japanの松﨑 裕樹氏だ。
さらに、CVEが公開されても、防御側はすぐに本番環境へパッチを適用できるわけではない。パッチを当てることで現行サービスに支障が生じないかどうか、事前検証や影響評価を行う必要があるからだ。AIやワークフロー自動化ツールによって一部の作業を高速化できても、リグレッションテストや承認プロセスなどの人間の判断を含むプロセスは簡単には省略できないだろう。
「また、パッチ適用にかかる期間の中央値は約20日という調査結果もあります※2。脆弱性を『知ってから動く』という方法は、既に構造的に難しくなっています」と松﨑氏は言う。 下記の注釈文を追加してください。
- ※1
- zerodayclock.com(CISA KEV + VulnCheck KEV)
- ※2
- zerodayclock.com / Adaptiva 2026 State of Patch Management Report
重要なのはオブザーバビリティと
セキュリティー
セキュリティー
従って防御側は、脆弱性対応を抜本的に見直す必要がある。攻撃の検知と並行して、「既に脅威が侵入している」という仮定のもと、事業への影響をいかに速やかに把握するかが問われている。
松﨑氏が示したのが、NIST(米国立標準技術研究所)による「サイバーレジリエンス」の考え方である。具体的には、「NIST SP 800-160(Developing Cyber-Resilient Systems)」が示す4つのゴールだ(図1)。
図1NIST SP 800-160が定めるサイバーレジリエンスのフレームワーク
侵害されることを前提に、Anticipate(予期)、Withstand(継続)、Recover(復旧)、Adapt(適応)の4つのゴールを定めている
「Anticipate(予期)、Withstand(継続)、Recover(復旧)、Adapt(適応)という4つのゴールを達成する上で重要になるのが、『オブザーバビリティ(可観測性)』です。アプリケーションやインフラの稼働状況、ユーザー体験、エラーレート、SLO(サービスレベル目標)などに関わるデータを継続的に可視化し、かつそれをセキュリティーの観点で分析・活用することで『たとえ既存のセキュリティー対策が攻撃を検知できなくても、常に攻撃が進行している想定を持つことで、最善の対策を講じ、クリティカルな事業は継続できる』状態を目指すのです」(松﨑氏)
現在の企業・組織には、オブザーバビリティとセキュリティーの両方を高いレベルで実現することが強く求められている。そこでDatadogは、両方に関するデータを収集・統合し、網羅的に扱えるプラットフォームを提供している(図2)。 「AIエージェント『Bits AI』を使うことで、自然言語でオブザーバビリティとセキュリティーに関するあらゆるデータを照会できます。また、メトリクス、ログ、トレース、モニター、ドキュメントなどを横断的に分析することで、インシデント調査から修復までをトータルに支援します」と松﨑氏は説明する。
松﨑氏が示したのが、NIST(米国立標準技術研究所)による「サイバーレジリエンス」の考え方である。具体的には、「NIST SP 800-160(Developing Cyber-Resilient Systems)」が示す4つのゴールだ(図1)。
図1NIST SP 800-160が定めるサイバーレジリエンスのフレームワーク
侵害されることを前提に、Anticipate(予期)、Withstand(継続)、Recover(復旧)、Adapt(適応)の4つのゴールを定めている
現在の企業・組織には、オブザーバビリティとセキュリティーの両方を高いレベルで実現することが強く求められている。そこでDatadogは、両方に関するデータを収集・統合し、網羅的に扱えるプラットフォームを提供している(図2)。 「AIエージェント『Bits AI』を使うことで、自然言語でオブザーバビリティとセキュリティーに関するあらゆるデータを照会できます。また、メトリクス、ログ、トレース、モニター、ドキュメントなどを横断的に分析することで、インシデント調査から修復までをトータルに支援します」と松﨑氏は説明する。
AIエージェントが
サイバーレジリエンス向上を強力に支援
サイバーレジリエンス向上を強力に支援
サイバーレジリエンスの向上に向けて、Datadogのプラットフォームはどのように役立つのか。図1のゴールを例にとりながら順に見ていこう。
■Anticipate(予期)
「SLOが設定されたサービスのうち、緊急性が高く、かつ未修正の脆弱性を一覧表示して」というプロンプトをBits AIに投げかけると、該当するサービスの一覧が即座に表示される。脆弱性の内容やサービスごとの状態を踏まえて対応優先度を提示することも可能だ。
「一覧画面から関連情報へ遷移することも可能です。例えば、該当サービスのインシデント、オンコール対応中のチーム、アプリケーションのコードベース、運用責任チームなどにアクセスできます。これは、オブザーバビリティとセキュリティー、双方の情報を横断分析できるDatadogならではの強みです」と松﨑氏は述べる。
■Withstand(継続)
「現在トラフィックスパイクで発報中のモニターと、同時刻にほかの攻撃面セキュリティーシグナルか怪しいログが出ていないか確認してほしい」とプロンプトを入力。すると、使用中のクラウドサービスの監査ログもチェックし、漏洩したクラウド認証情報の悪用と、悪用された可能性のある認証情報を特定して表示する。これは、レッドチーム演習などでよく含まれる「目眩ましDDoS」でSOCを忙しくしてから本命の攻撃を仕掛ける攻撃者の行動をとらえる手法だが、それもBits AIに尋ねるだけで可能になる。
「こうした場面で次にセキュリティーアナリストが知りたいのは、『窃取した認証情報を使って攻撃者が何をしたのか』だと思います。そこで、続けて『当該IAMアクターの調査、並びに変更を無効化するための手順を整理して』『その内容をノートブックにまとめて』などとBits AIに依頼すれば、それらも自動的に実行してくれます。さらにMITRE ATT&CKの手法に照らして、攻撃の経緯をレポート化することも可能です」と松﨑氏。人手で行うより圧倒的に速く、効率的に分析やレポート化を実行可能だ。
■Recover(復旧)
「直近のセキュリティーインシデントの後、影響を受けたサービスのSLOとエラーレートが正常に戻ったかを確認したい」場合、Bits AIは指示に基づき、該当する事案を優先度付きで抽出する。「SLOは回復していない」「継続的なサービス劣化が観測されている」といったコメントと併せて、直近数時間のオブザーバビリティ推移と、同時間のセキュリティーシグナルを表示。両者の因果関係を判定することも可能だ。
「セキュリティーシグナルと事業の影響が同時期に発生していても、両者に必ず関係があるとは限りません。Datadogを使えば、セキュリティー対応とアプリケーション復旧対応を切り分けることが可能になります。これにより、SLOの回復に必要な対応を、アプリケーション運用チームへ適切に連携できるようになるでしょう。さらに復旧作業そのものをBits AIに任せる機能も発表されました」と松﨑氏は言う。
■Adapt(適応)
過去の対応内容や傾向を分析することで、今後の守りに生かすこともできる。例えば「セキュリティーシグナルの検知から対応開始までの時間を、サービス別に集計して」「先月と今月を比較して、攻撃パターンの傾向の変化を抽出して」といった指示を出すことで、AIがデータを集計して表示してくれる。人ではなかなか気付けないインサイトを、対策改善に役立てることができるはずだ。
AIによりサイバー攻撃のコストは下がり、スピードはますます速くなった。これに対応する防御側もAIを活用する必要があるのは言うまでもない。その具体的な活用方法として、AIの価値を高めるためには、オブザーバビリティとセキュリティー、双方のデータを網羅的にそろえた高品質なデータ基盤が不可欠だ。多様なデータをAIが横断的に分析するDatadogのプラットフォームが、サイバーレジリエンスの実現を強力に支えてくれるだろう。
■Anticipate(予期)
「SLOが設定されたサービスのうち、緊急性が高く、かつ未修正の脆弱性を一覧表示して」というプロンプトをBits AIに投げかけると、該当するサービスの一覧が即座に表示される。脆弱性の内容やサービスごとの状態を踏まえて対応優先度を提示することも可能だ。
「一覧画面から関連情報へ遷移することも可能です。例えば、該当サービスのインシデント、オンコール対応中のチーム、アプリケーションのコードベース、運用責任チームなどにアクセスできます。これは、オブザーバビリティとセキュリティー、双方の情報を横断分析できるDatadogならではの強みです」と松﨑氏は述べる。
■Withstand(継続)
「現在トラフィックスパイクで発報中のモニターと、同時刻にほかの攻撃面セキュリティーシグナルか怪しいログが出ていないか確認してほしい」とプロンプトを入力。すると、使用中のクラウドサービスの監査ログもチェックし、漏洩したクラウド認証情報の悪用と、悪用された可能性のある認証情報を特定して表示する。これは、レッドチーム演習などでよく含まれる「目眩ましDDoS」でSOCを忙しくしてから本命の攻撃を仕掛ける攻撃者の行動をとらえる手法だが、それもBits AIに尋ねるだけで可能になる。
「こうした場面で次にセキュリティーアナリストが知りたいのは、『窃取した認証情報を使って攻撃者が何をしたのか』だと思います。そこで、続けて『当該IAMアクターの調査、並びに変更を無効化するための手順を整理して』『その内容をノートブックにまとめて』などとBits AIに依頼すれば、それらも自動的に実行してくれます。さらにMITRE ATT&CKの手法に照らして、攻撃の経緯をレポート化することも可能です」と松﨑氏。人手で行うより圧倒的に速く、効率的に分析やレポート化を実行可能だ。
■Recover(復旧)
「直近のセキュリティーインシデントの後、影響を受けたサービスのSLOとエラーレートが正常に戻ったかを確認したい」場合、Bits AIは指示に基づき、該当する事案を優先度付きで抽出する。「SLOは回復していない」「継続的なサービス劣化が観測されている」といったコメントと併せて、直近数時間のオブザーバビリティ推移と、同時間のセキュリティーシグナルを表示。両者の因果関係を判定することも可能だ。
「セキュリティーシグナルと事業の影響が同時期に発生していても、両者に必ず関係があるとは限りません。Datadogを使えば、セキュリティー対応とアプリケーション復旧対応を切り分けることが可能になります。これにより、SLOの回復に必要な対応を、アプリケーション運用チームへ適切に連携できるようになるでしょう。さらに復旧作業そのものをBits AIに任せる機能も発表されました」と松﨑氏は言う。
■Adapt(適応)
過去の対応内容や傾向を分析することで、今後の守りに生かすこともできる。例えば「セキュリティーシグナルの検知から対応開始までの時間を、サービス別に集計して」「先月と今月を比較して、攻撃パターンの傾向の変化を抽出して」といった指示を出すことで、AIがデータを集計して表示してくれる。人ではなかなか気付けないインサイトを、対策改善に役立てることができるはずだ。
AIによりサイバー攻撃のコストは下がり、スピードはますます速くなった。これに対応する防御側もAIを活用する必要があるのは言うまでもない。その具体的な活用方法として、AIの価値を高めるためには、オブザーバビリティとセキュリティー、双方のデータを網羅的にそろえた高品質なデータ基盤が不可欠だ。多様なデータをAIが横断的に分析するDatadogのプラットフォームが、サイバーレジリエンスの実現を強力に支えてくれるだろう。


