サイバーインテリジェンス セキュリティーマネジメントSummit 2026 Summer レビュー
ネットアップ

AI活用とサイバーセキュリティーを両立する
次世代データ戦略基盤を提供

これからのAI活用において、非常に重要な役割を担うのがデータ基盤だ。新鮮で高品質なデータを提供できなければ、AIもその能力を最大限に発揮できないからである。それだけに、今後のデータ基盤には、各種の法規制やセキュリティーの問題もクリアしつつ、効率的にデータを活用できる仕組みが求められる。ストレージベンダー大手のネットアップは、そうした先進データ基盤を実現する多彩なソリューションを展開している。

AI活用においては
データ基盤整備が不可欠

ネットアップ合同会社 東日本技術本部 部長 伊吹山 正郁氏
ネットアップ合同会社
東日本技術本部
部長
伊吹山 正郁
 ほんの数年前まで、企業にとってAI活用は将来に向けた検討課題の1つであった。しかし現在では、ビジネスのどの領域にどう活用するかという実行課題へと変わりつつある。既に具体的な取り組みに着手し、様々な成果へとつなげている企業も数多い。

 その一方で、「AIにどのデータを使わせているか」という問いに対し、明確に答えられる企業は意外と少ない。「AI時代においてカギとなるのが、AIが使うデータの品質です。品質の低いデータを使わせてしまうと、正しい回答や期待した回答が得られません。それどころか、AIの品質そのものを低下させてしまうおそれもあります。つまり、データこそが、AIの品質を左右する重要な要素なのです」とネットアップの伊吹山 正郁氏は指摘する。

 今後、企業ではAIの力を最大限に発揮させるためのデータ基盤整備が急務となる。ただし、その取り組みにおいては、注意すべき点も存在する。中でも気を付けたいのが、サイバーセキュリティーの確保だ。AIの重要性が増せば増すほど、狙われるリスクも一段と増加するからである。

 「データ基盤のセキュリティーに関しては、国家レベルでの強化要請もグローバルで広がっています。例えば、米国ではゼロトラスト・セキュリティーの導入が求められているほか、欧州でもサイバーセキュリティーの導入・運用を義務化する動きが進んでいます。しかも、これらに違反した場合には、罰則や罰金が科せられる可能性もあります」と伊吹山氏。日本国内でも、サプライチェーンセキュリティーの評価制度が2026年度末から実施される見込みだ。AI活用に向けたアクセルを踏みつつ、各種の法規制にもしっかりと対応しなければならない時代が迫っているのだ。

 伊吹山氏はこうした状況を踏まえ「今後のデータ基盤には、『サイバー攻撃からデータを守る』『各国・各地域の規制に準拠する』『AIに高品質データを提供する』『誰が・いつ・どのデータを使ったか説明できる』の4点が強く求められます」と説く。

ネットアップが提供する
2つのアプローチ

 このような課題に対し、ネットアップでは「データを動かさず使わせる仕組み」「ストレージで最後の防衛線を守る仕組み」の2つのアプローチを提唱している。

 前者に関してありがちなのが、クラウド上のAIサービスに自社の業務データをコピーして利用しているケースだ。これだと大量のコピーデータがあちこちに散在してしまい、ガバナンス上の問題を引き起こすことになる。

 「ネットアップでは、主要パブリッククラウド上において、当社のテクノロジーを用いたStorage as a Serviceを提供しています。ここにオリジナルデータのキャッシュを持たせることで、クラウド上のAIサービスから透過的にデータにアクセスできるようになります。これまでのように、いちいち各サービスにデータをコピーする必要もありません」と伊吹山氏は説明する。

 また、オンプレミス環境に対しては、データのクローンを仮想的に作成する機能を提供。実際にデータをコピーすることなく、分析用、開発用、学習・推論用といった様々な用途にクローンを利用できる。しかも仮想的な複製であるため、簡単に削除することも可能だ。これにより、セキュリティーやガバナンスの問題を抱えることなく、統一的なデータマネジメントが実現できる。

 ストレージで最後の防衛線を守る仕組みに関しては、ストレージレイヤーでデータを保護する様々な仕組みを提供。例えば、AIをストレージに統合することで、ランサムウエアなどを検出できる機能を用意している。また、悪意ある第三者による大量データ消去に対しては、SIEMとの連携を行うことで迅速な検知・対応を実現。加えて、データそのものをWORM(Write Once Read Many)化することで、書き換えや改ざんができないようにすることも可能だ(図1)。  「現代のセキュリティー対策では、多層防御が大前提となります。その層の1つにストレージレイヤーも加えることで、安心して利用できるセキュアなインフラ環境が実現できます」と伊吹山氏は強調する。

 同社は、ISO/IEC27001をはじめとする数多くの第三者認証も積極的に取得している。こうした取り組みも、法規制への対応や取引先の信頼を得る上で大きなメリットとなることだろう。

企業ブランドを守る
NetApp AI Data Engine

 これらの機能群に加えて、同社は企業が適切な形でAI活用を行うための仕組みも提供している。それが「NetApp AI Data Engine」だ。「AIをビジネスで活用する上では、AIが企業としての信頼やブランドを損なわないよう配慮することも重要です。例えば、ユーザーが権限を持たないデータはAIで使えないようにする、あるいはネガティブなワードの使用を許さないといった具合です。これを実現するのが、NetApp AI Data Engineの役割です」と伊吹山氏は説明する。

 具体的には、オンプレミス/クラウド上の同社製ストレージとAI/AIエージェントの中間にNetApp AI Data Engineを配置。これにより、リクエストに対して常に最新のデータを提供したり、権限のないデータの利用を拒否したりできるようになる。ガードレール機能も備わっているため、不適切なAI利用も未然に防止することが可能だ(図2)。  「このようにNetApp AI Data Engineは、AIが高品質な回答を返すための高品質データを提供するパイプラインとして機能します。その結果、『企業のブランディングを損なわない適正なAI活用』『ユーザーの権限に沿った正しいデータ活用』『AIに対する高品質なデータ提供』の3つの価値を得ることができます」と伊吹山氏は続ける。

 AI時代のデータ基盤には、「クラウド/オンプレミスの別を問わず、使いたいデータをコピーすることなくすぐに利用できること」と「データ基盤内のデータの安全をしっかりと守れること」の両方が求められる。さらには、高品質なデータをAIに提供する橋渡し役としての役目も重要だ。同社では、独自のストレージOS「NetApp ONTAP」を中心に、今後もこうした課題を解消するソリューションを提供していく考えだ。
お問い合わせ
ネットアップ合同会社 URL:https://www.netapp.com/ja/forms/sales-contact/