日経ビジネス電子版 SPECIAL
TOKYO UNDERLINE VISION
ショッピングセンター、不断の変革 ショッピングセンター、不断の変革
Vol.03 地域にしみ出し、「家の一部」に

ジェイアール東日本都市開発は、JR東日本グループのデベロッパーだ。
新規開発の一方で、既存の高架下施設の刷新にも力を入れる。
その1つ、「シャポー市川」がこの3月にリニューアルオープンした。手塚敦・ショッピングセンター事業本部長に、
前「日経アーキテクチュア」編集長の宮沢洋が話を聞いた。

Vol.03 地域にしみ出し、「家の一部」に #
ショッピングセンター、不断の変革

ジェイアール東日本都市開発は、JR東日本グループのデベロッパーだ。 新規開発の一方で、既存の高架下施設の刷新にも力を入れる。 その1つ、「シャポー市川」がこの3月にリニューアルオープンした。手塚敦・ショッピングセンター事業本部長に、 前「日経アーキテクチュア」編集長の宮沢洋が話を聞いた。

─約2年、2期にわたるシャポー市川のリニューアルが完了しました。どんな思いを込めましたか。

 市川に限らず、シャポーは、近隣の住民の方々にとって、自分の家であり、冷蔵庫であり、道路なんです。地域の皆さんの生活の一部にシャポーがある。
 今回の市川のリニューアルでは、地域にどんな施設が必要かを考え、「むすぶば」や「あそぶば」「たべるば」を設けました。例えば、「あそぶば」は、地域の公園の代わりです。

─売り上げに直結しない施設ですね。

 買い物が目的でなくていいのです。地域の方々に日常的に使っていただくことが重要であって、坪当たりの売り上げをギリギリ上げる時代ではありません。
 にぎわいや憩いが地域へしみ出していくような施設でありたいと思っています。市川に限ったことではありませんが、シャポー内は早朝から夜まで、各店舗が閉じているときでも通り抜けできます。これはシャポーが生活の一部になっていることの一つの現れです。

ジェイアール東日本都市開発 取締役ショッピングセンター事業本部長 手塚 敦 氏
JRE POINT会員へのアンケートで発見

─「地域にしみ出す」ということでは、「JRE POINT会員」も成果を上げているとか。

 シャポーの中でも、市川は特にJRE POINT会員の登録率が高く、売り上げに占める会員比率が77.1%に上ります。半径500m以内にお住まいの居住者では、約65%がJRE POINT会員です。

─周辺住民の6割以上ですか!?

 はい。JRE POINT会員のうち、メルマガ会員の方にはアンケート調査に協力いただき、販売戦略を立てるのに役立てています。一般的なマーケティング調査ではできない細かい分析が可能です。
 例えば昨年、お盆時期の過ごし方を細かく聞いたところ、「外泊予定はない」が一番多かった(左のグラフ)。「お盆=帰省」という思い込みを払拭して、各店舗に対応をお願いすることができました。

─シャポーは今後、どんな方向を目指しますか。

 「そこに居たくなる場所」です。買い物に行くのではなく、結果として、買い物をして帰る。奇をてらったものを追うのではなく、近隣の皆さんの生活の「ちょっと先」にあるものを、常に追い求めていきたいと思っています。

シャポー市川

─約2年、2期にわたるシャポー市川のリニューアルが完了しました。どんな思いを込めましたか。

 市川に限らず、シャポーは、近隣の住民の方々にとって、自分の家であり、冷蔵庫であり、道路なんです。地域の皆さんの生活の一部にシャポーがある。
 今回の市川のリニューアルでは、地域にどんな施設が必要かを考え、「むすぶば」や「あそぶば」「たべるば」を設けました。例えば、「あそぶば」は、地域の公園の代わりです。

─売り上げに直結しない施設ですね。

 買い物が目的でなくていいのです。地域の方々に日常的に使っていただくことが重要であって、坪当たりの売り上げをギリギリ上げる時代ではありません。
 にぎわいや憩いが地域へしみ出していくような施設でありたいと思っています。市川に限ったことではありませんが、シャポー内は早朝から夜まで、各店舗が閉じているときでも通り抜けできます。これはシャポーが生活の一部になっていることの一つの現れです。

手塚 敦 氏

手塚 敦

ジェイアール東日本都市開発 取締役
ショッピングセンター事業本部長

─「地域にしみ出す」ということでは、「JRE POINT会員」も成果を上げているとか。

 シャポーの中でも、市川は特にJRE POINT会員の登録率が高く、売り上げに占める会員比率が77.1%に上ります。半径500m以内にお住まいの居住者では、約65%がJRE POINT会員です。

─周辺住民の6割以上ですか!?

 はい。JRE POINT会員のうち、メルマガ会員の方にはアンケート調査に協力いただき、販売戦略を立てるのに役立てています。一般的なマーケティング調査ではできない細かい分析が可能です。
 例えば昨年、お盆時期の過ごし方を細かく聞いたところ、「外泊予定はない」が一番多かった(グラフ参照)。「お盆=帰省」という思い込みを払拭して、各店舗に対応をお願いすることができました。

─シャポーは今後、どんな方向を目指しますか。

 「そこに居たくなる場所」です。買い物に行くのではなく、結果として、買い物をして帰る。奇をてらったものを追うのではなく、近隣の皆さんの生活の「ちょっと先」にあるものを、常に追い求めていきたいと思っています。

JRE POINT会員へのアンケートで発見
シャポー市川
シャポー 平井、小岩、市川、本八幡、船橋 変わり続ける「新陳代謝」の器(うつわ)
シャポー 平井、小岩、市川、本八幡、船橋 変わり続ける「新陳代謝」の器(うつわ)
東京アンダーライン 建築探訪編集者、画文家、Office Bunga主宰、前「日経アーキテクチュア」編集長、宮沢 洋

4つのシャポー(平井を除く)は、JR総武線が高架化された1972年に開業した。今回、シャポーの歴史を調べて、それぞれのリニューアルの回数に驚いた。担当者が替わっても、常に最新ニーズにアップデートし続ける。人間でいえば、「新陳代謝」。営業しながらの改修工事には細やかな配慮が必要だ。一方で、2層のフロア構成や入り口の位置など、基本的な骨格が大きくは変わっていないことにも驚く。これは、開業時の担当者たちが用意した「器」が適格であったからにほかならない。差別化を追うがゆえに短命で建て替えられる商業建築が多いなかで、こうした長寿施設にこそ学ぶべき点は多いかもしれない。

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