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赤レンガの高架下を拓き まちの進化を促す 「日比谷OKUROJI」9月10日開業 赤レンガの高架下を拓き まちの進化を促す 「日比谷OKUROJI」9月10日開業
Vol.04 100年の歴史を「次の100年」につなぐ

ジェイアール東日本都市開発は、JR東日本グループのデベロッパーだ。
高架下を中心とする「新たなまちづくり」に取り組む中で、有楽町駅〜新橋駅間の
高架下で開発を進めてきた商業空間「日比谷OKUROJI(ヒビヤ オクロジ)」が9月10日に開業した。
貴重な歴史遺構を再生した空間に、個性的なテナントが集まる。

Vol.04 100年の歴史を「次の100年」につなぐ 「日比谷OKUROJI」9月10日開業
赤レンガの高架下を拓き まちの進化を促す

ジェイアール東日本都市開発は、JR東日本グループのデベロッパーだ。高架下を中心とする「新たなまちづくり」に取り組む中で、有楽町駅〜新橋駅間の高架下で開発を進めてきた商業空間「日比谷OKUROJI(ヒビヤ オクロジ)」が9月10日に開業した。貴重な歴史遺構を再生した空間に、個性的なテナントが集まる。

 JR有楽町駅〜新橋駅間には鉄道高架橋が平行に3本並ぶ。最も西側、山手線と京浜東北線が往来するのはレンガアーチの高架橋で、100年以上前につくられた。その隣はコンクリートの高架橋で、東海道線と東海道新幹線が走る。
 「日比谷OKUROJI」は、これらの高架下空間を一体に開発・再生してできた商業施設だ。開発に当たっては、JR東日本とJR東海がそれぞれの自社用地の運用担当部分を交換し、エリアを分担した。
 ジェイアール東日本都市開発の担当エリアは、長さが約300m、広さは約7200m²に及ぶ。そしてコンクリートの高架柱の連続を生かし、中央に通路を設けている。施設名の「オクロジ」は、日比谷や銀座の「奥」に位置することと、この高架下通路の秘めたムードを「路地」という言葉に置き換えたところから生まれた。

日比谷OKUROJI
日比谷OKUROJI
“路地”から進化が始まる

 店舗は通路の両側に並ぶ。出店総数は現在30店。個性豊かな顔ぶれが揃うだけではなく、各店ともこの場所で、未来に向けてのチャレンジを試みようとしている。
 例えば「VAN SHOP」は、アイビールックやみゆき族などの流行を生み出した「VAN」の新たな旗艦店だ。ヴァンヂャケットの佐藤賢三社長は、「1948年に誕生したVANの歴史を高架橋のレンガに重ねつつ、新しいVANの情報発信地にしていきたいと考えています。アメリカンビンテージの雰囲気の店舗で、定番品を少しアレンジした商品もお目にかけます」と話す。
 新橋寄りにはバーが複数集まり、「上質な大人の店で高級すぎない」という「日比谷OKUROJI」の性格を象徴する。
 そのひとつの「WHISKY HOUSE MADURO」は、シングルモルトスコッチウイスキーが楽しめるスタンディングバーだ。数十種類のボトルを客の目の前に並べ、それぞれに1杯の料金を表示している。「いわゆる銀座のバーとは違います。気軽に利用してくつろいでいただければ」。こう語るオーナーの山本真也氏は、このシンプルなバースタイルを世の中に広げていく第一歩として「日比谷OKUROJI」に出店した。
 運営者・出店者ともにコロナ禍での厳しい船出となったが、一丸となって乗り越えていくことで、「次の100年」に向けての絆がおのずと強まるだろう。

「日比谷OKUROJI」は、設計、施工、テナントリーシングなど、多彩なメンバーでつくりあげたプロジェクトだ。

 JR有楽町駅〜新橋駅間には鉄道高架橋が平行に3本並ぶ。最も西側、山手線と京浜東北線が往来するのはレンガアーチの高架橋で、100年以上前につくられた。その隣はコンクリートの高架橋で、東海道線と東海道新幹線が走る。
 「日比谷OKUROJI」は、これらの高架下空間を一体に開発・再生してできた商業施設だ。開発に当たっては、JR東日本とJR東海がそれぞれの自社用地の運用担当部分を交換し、エリアを分担した。
 ジェイアール東日本都市開発の担当エリアは、長さが約300m、広さは約7200m²に及ぶ。そしてコンクリートの高架柱の連続を生かし、中央に通路を設けている。施設名の「オクロジ」は、日比谷や銀座の「奥」に位置することと、この高架下通路の秘めたムードを「路地」という言葉に置き換えたところから生まれた。

“路地”から進化が始まる

 店舗は通路の両側に並ぶ。出店総数は現在30店。個性豊かな顔ぶれが揃うだけではなく、各店ともこの場所で、未来に向けてのチャレンジを試みようとしている。
 例えば「VAN SHOP」は、アイビールックやみゆき族などの流行を生み出した「VAN」の新たな旗艦店だ。ヴァンヂャケットの佐藤賢三社長は、「1948年に誕生したVANの歴史を高架橋のレンガに重ねつつ、新しいVANの情報発信地にしていきたいと考えています。アメリカンビンテージの雰囲気の店舗で、定番品を少しアレンジした商品もお目にかけます」と話す。
 新橋寄りにはバーが複数集まり、「上質な大人の店で高級すぎない」という「日比谷OKUROJI」の性格を象徴する。
 そのひとつの「WHISKY HOUSE MADURO」は、シングルモルトスコッチウイスキーが楽しめるスタンディングバーだ。数十種類のボトルを客の目の前に並べ、それぞれに1杯の料金を表示している。「いわゆる銀座のバーとは違います。気軽に利用してくつろいでいただければ」。こう語るオーナーの山本真也氏は、このシンプルなバースタイルを世の中に広げていく第一歩として「日比谷OKUROJI」に出店した。
 運営者・出店者ともにコロナ禍での厳しい船出となったが、一丸となって乗り越えていくことで、「次の100年」に向けての絆がおのずと強まるだろう。

シャポー市川
「日比谷OKUROJI」は、設計、施工、テナントリーシングなど、多彩なメンバーでつくりあげたプロジェクトだ。
日比谷OKUROJI【有楽町~新橋】 内なる回遊性が生む「波動」
日比谷OKUROJI 【有楽町~新橋】 内なる回遊性が生む「波動」
東京アンダーライン 建築探訪編集者、画文家、Office Bunga主宰、前「日経アーキテクチュア」編集長、宮沢 洋

全長約300mのレンガアーチの商業施設──。そんな一文だけで“まち歩き好き”は心が躍るだろう。もちろん、その空間を見るのは楽しみだった。しかし、今回、開発経緯の資料を読んだり、周辺を歩いてみたりして、この事業を見た目だけで語ってはいけないと思い始めた。ひとつには、山手線のレンガアーチと新幹線の高架を一体開発することで生まれた回遊性。従来、アーチごとに外から出入りするだけだった店舗が、内部で巡れるようになった。回遊性の高まりにより、吸引力は格段に増す。小さな振幅は波動となって広がる。周辺の有楽町、銀座、日比谷、新橋という4エリアにも影響を与えるに違いない。

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