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合人社計画研究所

マンション管理の原点回帰

理事会方式が抱える根本的な問題
プロに任せる管理者方式で解決

分譲マンションに暮らしたいが、管理組合運営の面倒には巻き込まれたくない。区分所有者の正直な気持ちだ。マンション管理の費用が値上げラッシュに見舞われる中、素人集団の理事会が合議の下、降りかかる課題に的確に対応していくのには無理がある。活路を合人社計画研究所の管理者方式に見いだしたい。

管理者方式は、分譲マンションの管理運営において、一定の権限を持つ「管理者」に第三者を選任する方式である(図1)。理事会方式と比べると、最高意思決定機関として総会が位置付けられることには変わりないが、執行機関に相当する理事会は存在せず、区分所有者の中から選任される理事長もいない。

図1◎理事会方式から管理者方式への移行は総会決議で可能

独立系管理会社の合人社計画研究所は1990年代以降、この方式を管理組合に提案し、「管理者」としての実績を積み重ねてきた。合人社グループで管理する分譲マンションのうち管理者方式を取り入れている管理組合は全体の約3割。2024年10月現在、1701組合に達する(図2)。

図2◎管理者方式を取り入れるマンション管理組合数の推移

理事会方式の限界
管理者方式の必然性へ

徳川 誠氏

合人社グループ執行役員
合人社計画研究所東京本店長
徳川 誠氏

合人社グループ執行役員、合人社計画研究所東京本店長の徳川誠氏は最近の傾向をこう分析する。「二極化です。管理者方式を取り入れるマンションが高経年と新築で増加しています」。

高経年マンションは一般に、居住者の高齢化が進行し、管理組合理事会役員の成り手不足が生じがちだ。また賃貸率が高くなる傾向があるため、成り手不足に拍車がかかる。そこから、管理者方式への需要が生まれる。

かたや新築マンションは、供給するデベロッパーの意向で初めから管理者方式が組み込まれるようになってきた。「管理者方式は区分所有者が管理組合の運営に煩わされることがありません。そのため、購入者に好まれる傾向が見られます。売れ行きに影響するため、初めから管理者方式を前提にするようになってきました」(徳川氏)。

理事会方式は、国土交通省がひな型として定めるマンション標準管理規約に位置付けられてきたため、管理組合の運営方法として普及してきた。しかし分譲マンションの憲法といえる区分所有法では、管理組合が法人格を持つ場合を除き、「理事会」は出てこない。決して絶対の存在ではないのだ。

その限界はすでに各所に表れる。

まず素人集団である理事会の限界だ。「値上げの時代です。管理会社から値上げ提案を受けたとき、マンション管理の仕様とコストとの相関を踏まえた判断が求められます。しかし、素人の理事会が企業である管理会社と適切な折衝をすることは困難でしょう」(徳川氏)。

次に人間関係の悩みだ。「以前、自分の言い分に反対されたから反対し返すなど、理事会では建設的な話し合いにならない例も見受けられます」と徳川氏は指摘する。理事会が機能しなければ、管理不全の恐れも生じる。

管理組合のニーズを集約
進化を遂げる管理者方式

理事会方式の限界はマンション管理に負のスパイラルを生む。「そうした悪循環の中から立ち上がったのが、管理者方式です。当社はトップランナーとして、お客様である管理組合側のニーズを集約し、現在の管理者方式を確立させてきました」。徳川氏は独自の立ち位置に自負を見せる。

ただ、管理組合を代表する「管理者」とそこからマンション管理を受託する「管理会社」という2つの顔を同時に持てば、利益相反のそしりは免れない。そこを、どう見極めるか――。

合人社計画研究所が管理会社として管理業務を受託するマンションで、管理者方式を取り入れた後、管理費会計の収支が赤字から黒字に転じた例があるという。「当社が『管理者』として管理仕様を見直し、管理受託費を自ら下げたからです」(徳川氏)。

管理仕様の見直しのような変化を伴う決断は、区分所有者から反対の声が上がることが想定されるだけに、理事会方式にはハードルが高い。しかし、「管理者」としてガバナンスを十分に利かせたプロなら、そこにまで踏み出せるという一例である。

DXで進化するマンション管理
効率化と利便性の向上へ

合人社計画研究所は建築設計・コンサルティング業務を祖業とする技術者・専門家集団。その専門性は今、建築技術だけでなく、管理サービス面にまで及ぶ。管理業務の受託実績は、そこを強みに積み上がり、結果として生まれるスケールメリットが、コスト削減の道を開いてきた。

コスト削減を可能にする取り組みには、マンション管理業務のデジタル化も挙げられる。グループ内でクラウドアプリケーションを開発し、自社業務を効率化する一方、区分所有者の利便性を高めてきた。 

例えば、連絡先などの顧客情報や管理費等の引落口座の変更などをアプリ上で完結できるよう改めた。それぞれの申請用紙等に必要事項を記載した上で管理会社に提出するという手間を省いたのである。

その他、情報の見える化も進めており、ウェブ上で管理組合の資産情報や未収状況なども閲覧することができ、好評を得ている。

投資家の杉村太蔵氏

2024年9月、東京国際フォーラムで開催された「マンション管理を考える公開フォーラム」の一コマ。写真は、投資家の杉村太蔵氏

「マンション管理業界は産業界の中ではデジタル化に立ち遅れ、まだまだ労働集約型です。デジタル化を推進し、それを脱するにはどうすればいいか、突き詰めているところです」と徳川氏は将来を見据える。

投資家の杉村太蔵氏

2024年9月、東京国際フォーラムで開催された「マンション管理を考える公開フォーラム」の一コマ。写真は、投資家の杉村太蔵氏

これからのマンション管理の在り方はどうあるべきなのか。合人社計画研究所では、今年9月には東京で投資家の杉村太蔵氏を迎え、また11月には大阪で落語家の桂福丸氏を迎え、マンション管理のセミナーを開催した(写真)。時代に見合ったマンション管理の在り方を多様な角度から考え直す必要性が高まっている。

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Contents

総論

マンション管理・再生の将来を改めて考える管理不全と資産価値の低下を防ぐ
「超長期修繕計画」という新発想

日鉄興和不動産

マンション再生、成否を分ける勘所問題は放置せず、早期に再生検討へ
初動期から経験豊富なプロの支援を

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