



総論
人的資本経営に関する課題と解決策を考える「日経ビジネスLIVE 2024 Winter」が、2024年12月2日~4日にオンラインで開催された。今回のテーマは「キャリアオーナーシップが社会を変える―個を活かす組織で生産性向上を実現するために―」である。単なる人的資本経営の実現を超えて、企業の成長や持続可能性に人事・組織戦略がどう寄与できるのかについて考察が広げられた。多くのセッションには幅広い領域の専門家が登壇し、多面的な議論を重ねる場になった。
Day1は、富士通 取締役執行役員SEVP CHROの平松浩樹氏の基調講演「30年前の『成果主義の失敗』を克服、社員の自律を後押し」で始まった。約30年前の成果主義導入の失敗体験を経て、様々な施策により社員の自律を促し、現在の活気ある現場を作りあげる軌跡を紹介した。
パネルディスカッションでは、すでに社内に存在する人財を発掘して活用する方法について、みずほフィナンシャルグループ グループ執行役員 グループ共同CHROの人見誠氏、スギホールディングス 執行役員 人事・管理・リスク担当の森茂樹氏、PwCコンサルティング 執行役員 パートナーの北崎茂氏が意見を交わした。
また、専門セッションでは、『企業変革のジレンマ「構造的無能化」はなぜ起きるのか』を著した埼玉大学 経済経営系大学院 准教授の宇田川元一氏が登壇。開かれた組織づくりの可能性について、双日 常務執行役員 人事担当本部長の河西敏章氏と語り合った。
Day2の基調講演は、アステラス製薬 代表取締役副社長 人事・コンプライアンス担当 杉田勝好氏による「世界で戦える組織の作り方」だった。グローバル企業が長く続いた日本型から脱却し、グローバルスタンダードを採り入れた新たな人事・組織戦略の「型」を身に付けて、浸透させていくまでのポイントを説明した。
専門セッションでは、日本経済新聞社 人財・教育事業ユニットとワークス・ジャパンが共同で実施した「CHRO実態調査」から、CHROが共通して抱く危機感を紹介。日本経済新聞社の人財・教育事業ユニットの専門家が最新データをもとにした分析を披露した。
Day3は「働きがいのある会社の創り方」と題したメルカリ 執行役員 CHRO 宮川愛氏の基調講演で幕を開けた。宮川氏は、外資系企業であるデルやシスコシステムズで人事改革を牽引してきた。その後、2024年6月からはメルカリで人事改革を牽引する。各社での取り組みを通じて、「フレームワーク」を基に働きがいのある会社を創るノウハウを紹介した。
パネルディスカッションは、サッポロホールディングス グループ執行役員 兼 サッポロビール 取締役執行役員の内山夕香氏が登壇。SmartHR代表取締役CEO 芹澤雅人氏とデロイト トーマツ コンサルティング ヒューマンキャピタル 執行役員 パートナー 古澤哲也氏とともに、変化し続ける企業風土や仕組みについて具体例を通じた議論を重ねた。
このほか、多数のソリューション講演などがあり、人事・組織戦略へのヒントが得られるイベントとなった。
プログラム(ソリューション講演以外)