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日立産機システム

社会インフラをデジタルで革新し続ける日立グループ

“あって当たり前”の変圧器が
健全経営・事業継続を陰で支える

変圧器は、高圧受電を行う工場やビル、商業施設などに欠かせない設備だ。長期間稼働し続けるため、その電力効率が経営に与える影響は小さくない。災害が多発する今、変圧器からの漏油による二次被害を防ぐといった環境配慮も重要になる。見えない二つの課題に、日立産機システムが出した答えは。

電気は一般的に、発電所から送電線経由で運ばれる。ロスを減らすために高電圧の状態で送られ、需要地の近くで100V・200Vに変換される。住宅向けには電柱上に設置された円柱型の変圧器が電気を変換する一方、工場や大規模ビルが電気を受けるには、施設側が変圧器を用意する必要がある(図1)。

図1 街の中の変圧器

図1 街の中の変圧器普段生活の中で存在を意識することのない変圧器。電柱の上だけでなく一定規模以上の工場、ビル・商業施設などには必ず変圧器を設置する。最新機への入れ替えは省エネ、環境配慮の観点において街全体で重要なテーマとなり得る

変圧器がなければ、電気が使えない。極めて重要な設備だが、“あって当たり前”ゆえに注目されることは少ない。実はその性能が、工場やビルの電力効率を大きく左右し得る。

日立産機システムで変圧器の営業を統括する原光正氏は、「変圧器は稼働を始めると24時間365日連続運転し、何十年も使い続けます。だからこそ、その電力効率がコストに大きく影響します」と指摘する。

バブル期に建てられた工場、ビル、公共施設などでは当時の変圧器の多くがそのまま残る。最新機より効率の劣る従来機のリプレースを怠っていると、ランニングコストに響く可能性が高い。

変圧器の中でもポピュラーな油入変圧器に使われる絶縁油は、これまで性能と価格のバランスから鉱油が使われてきた。一方で、環境負荷の観点から見ると、災害や事故で漏れ出すと、環境汚染を引き起こす懸念がある。可燃性も高く、さらに重大な事故につながりかねない。

米国ではハリケーンなどによる大規模災害の影響で多くの変圧器から漏油が起きた。地域の電力会社は米国の法律で環境汚染への補償責任を厳格に求められ、以降、鉱物油から植物油への切り替えが進む。激甚災害が急増する日本において、災害時の備えは企業が持続的な成長を続ける上で重要な視点だ。

岩崎 拓弥氏と原 光正氏

(左)日立産機システム 配電システム事業部 変圧器設計部 設計管理グループ 主任技師 岩崎 拓弥氏 (右)同社 配電システム営業統括部 統括部長 原 光正氏

変圧器の入れ替えで
契約電力低減に成功

日立産機システムの「環境調和型変圧器 Superアモルファス奏(かなで)シリーズ」は、変圧器に係る種々の課題を解決する。鉄心(コア)にアモルファス合金を使うことで、損失電力量(待機時の電力損失)を大幅に削減。1980年製の変圧器と損失電力量を比較すると、1980年製が18.7MWh(メガワット時)/年※1に対し「Superアモルファス奏」は9.2MWh/年と実に半分以下だ。

同社は1990年代からアモルファス変圧器を展開してきた。2019年、新たに絶縁油を大豆油に切り替えた「奏シリーズ」の発売を開始。大豆油は生分解性が99%以上と高く、万一漏油しても環境汚染の懸念が少ない。引火点は鉱物油が142℃に対し、大豆油は320℃と高く防災性にも優れる。

奏シリーズの開発を担当した同社の岩崎拓弥氏は、「過去に漏油で大変な思いをされたお客様や、河川や湖の近くに工場を持つお客様、日本に工場を持つ環境意識の高い外資系のお客様などから評価を受け、徐々に広まっていきました」と語る。

同社は約30年前から自社の中条工場へいち早くアモルファス変圧器を導入し、実証評価を開始。その結果、台数を48台から33台に削減、損失電力量を約69%削減し、契約電力を5300kWから4800kWに低減。工場の省スペース、CO2削減にも貢献した(図2)。

図2 中条工場内変圧器のリニューアル事例

図2 中条工場内変圧器のリニューアル事例日立産機システムの自社事例。アモルファス変圧器への更新に加え、台数の最適化により損失電力量の69%低減に成功した

※1 1980年製「三相500kVA50Hz」(等価負荷率40%の場合)の日立産機システム代表特性値。

データ活用で価値を創出し
ライフサイクルパートナーへ

岩崎氏は、「アモルファス変圧器の低損失により熱を持ちにくく、空調の稼働率を低減することで省エネにも貢献できます。使用しなかった電力は地域内で他の用途に回せる可能性が生まれます」とさらなる効果を語る。大規模データセンターの計画が近年急増し、電力問題により反対運動も起きている。電力使用量の削減に向けて、奏シリーズは有力な選択肢の一つとなり得る。

日立グループの変圧器の歴史は古い。開発の始まりは1911年、モーターに次ぐ二番目だ。100年以上の歴史的事業を、日立産機システムが引き継ぐ。原氏は「1992年に入社し、アモルファス変圧器がない時期から営業をしてきました。当時は不況で厳しい戦いでしたが、これが登場しオンリーワンの製品になったことで、社内が一体となり成長できました。長い歴史を持つこの変圧器が、省エネ性能の進化と大豆油で時代に即した製品に生まれ変わったと感じています」と振り返る。

変圧器の選定は多くの場合、施工を担当するゼネコンやサブコンが行うが、奏シリーズは施主による指名買いも少なくない。最近ではゼネコンやサブコン、設計事務所と日立産機システムの共同で、経営判断の材料となり得る提案を行うケースも増えている。

今後は製品の差別化を図りながら、デジタルで社会課題解決やビジネス成長をもたらすために日立の成長モデル「Lumada(ルマーダ)※2」との連携も視野に、設備の導入後まで含めた価値提供をめざす。例えばIoTで収集したデータとAIを掛け合わせ、継続的に運用改善をサポートするといったサービスを構想している。原氏は、「稼働状況可視化や故障予兆診断などのサービスを提供し、お客様のライフサイクルを支えるサービスを検討していきたいと思います」と語る。

この先はさらに、サーキュラーエコノミーへの貢献も進める。岩崎氏は、「導入から運用、廃棄時のリサイクルに加えて再び日立製品を安心して利用いただけるよう、国内外に向けより良い製品とサービスを提案していきます」と語った。

※2 顧客のデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。

110年を越えて続く日立の創業事業を継承
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Contents

総論

電気・通信は“インフラの中のインフラ”だ電力逼迫、災害増加、地政学リスク
危機を前に企業が備えるべきは?

日立産機システム

社会インフラをデジタルで革新し続ける日立グループ“あって当たり前”の変圧器が
健全経営・事業継続を陰で支える

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