プロシップ

スムーズな新リース
会計基準対応の
カギを握る方針整理の
秘訣を公開

固定資産・リース契約管理のソフトウエア開発を得意とするプロシップ。新リース会計基準対応に苦慮する実務担当者に向けて、同社ではどのような取り組みを進めているのか。2019年のIFRS第16号導入で培った豊富な実績に裏打ちされた支援資材をはじめ、独自に提供しているサイトやソリューションなど、包括的な支援体制について、同社 取締役 システム営業本部 副本部長を務める巽俊介氏が講演を行った。

ロードマップの遅れにも
先行事例の知見で対応可能

株式会社プロシップ 取締役 システム営業本部 副本部長 巽 俊介氏
株式会社プロシップ
取締役
システム営業本部 副本部長
巽 俊介
 まず、新リース会計基準対応における一般的なロードマップについて、プロシップの巽俊介氏は「方針整理(現状把握〜方針決定)」と「構築・実現(業務設計〜本番適用)」の2段構えがあると説明。新リース会計基準の適用開始の2027年4月から逆算し、2025年12月時点で方針整理の完了が望ましいと言う。

 一方、「今回の新リース会計基準に対応するには時間がかかってしまうのも事実です」と巽氏は言う。時間がかかる理由について巽氏は、会計監査人との見解のすり合わせや契約書の調査、業務プロセスの見直しといった一連の事前準備を部門横断で行う必要があること、リース契約数が100件を超える規模になると人力での対応が困難であることから、システム化が必要になるといった点を挙げた。

 「ただ、方針整理に多少の遅れがあっても取り返すことは可能です」と巽氏は話す。「IFRS(国際財務報告基準)の中で、リース取引に関する会計処理を規定したIFRS第16号が2019年に適用された際にも同様の課題がありました。当社にはIFRS第16号で100社を超える導入実績があるため、先行事例の知見を生かすことで準備を円滑に進めることができますし、仮に遅れがあってもリカバリーが可能です」(巽氏)。

 では、方針整理を円滑に進めるために、プロシップはどういった資材と効果を提供できるのか。

方針整理のフェーズを
7ステップに分けて解説

 先述の通り、方針整理はロードマップの現状把握と方針決定が該当する。巽氏はこの2つについて、さらに7つのステップに分け、それぞれの課題を解決するための資材を紹介。以下、7つのステップを列記する。

 ①プロジェクトの開始・準備、②契約書の調査方針の決定と周知、③リース契約書調査、④会計論点整理、⑤影響度調査・社内報告、⑥会計方針の検討・決定、⑦業務プロセス・システム化方針の検討・決定。

 例えば、①プロジェクトの開始・準備において「適用準備に向けた抜け漏れのない進め方や適用までのタイムテーブルが分からない」という課題があり、それに対し同社では約80項目のタスクを一覧化したチェックリストや進捗管理表の作成という解決策を提供。他にも、③リース契約書調査では、実質リースの調査手順についての説明動画や事例集、調査票テンプレート、⑥会計方針の検討・決定では、自社の会計方針を明文化するための記載要素やサンプル文言の提示、⑦業務プロセス・システム化方針の検討・決定では新業務プロセスや新業務フローの一覧を提供しているという。

 巽氏によると、「当社が提供する資材は現在約30種類にのぼります。いずれもIFRS第16号対応で蓄積したノウハウを反映させたもので、とくに経理の現場における工数削減に主眼をおいた、実務で使える資材を取りそろえています」とのことだ。 また、資材の紹介だけでなく、方針整理のポイントや知っておくべき知見などについても巽氏は解説。例えば、リースに該当するかどうかの判断で、リースの識別のフローチャートを正しく理解することでリースの対象外とできる契約も生じ得る点や、リース期間と契約期間をなるべく合致させるため過去事例を洗い出して根拠とするといったポイントを紹介した。

 さらに、実質リースをいかに網羅的に調査するかは、多くの企業にとって悩ましい課題だ。これについて巽氏は、経理起点と現場起点の2方向から進めることが重要だとした上で、「経理では勘定科目からの洗い出しを行い、現場では実質リースに該当する可能性の高いものをあぶり出せるような質問例を準備します。また、現場部門への確認にあたっては会計基準通りの分かりづらい文言ではなく、できる限り分かりやすい表現で確認することが重要なため、その表現の例なども掲載しています」と語る。

 ④会計論点整理においては、監査法人と協議すべき項目や選択適用可能な論点を整理した13項目の論点整理表を提供するほか、論点整理後の会計方針書策定支援にも対応するという。

 そして、⑦業務プロセス・システム化方針の検討・決定については、契約書情報をどのように経理へ集約するかが課題になると巽氏は指摘する。「経理もリソースが限られています。IFRS第16号の際には、経理の負担を軽減するため現場にシステム登録を任せようとしたケースがありましたが、登録不備での差し戻しが多数発生し、十分な効果を生むには至りませんでした。当社では、こうした失敗に陥らないようなフロー作りもご支援が可能です」。

 また直近では、顧客からの要望が多かった連結消去仕訳の実務や監査法人との合意形成に関するセミナーも実施しており、今後も色々な要望に合わせてコンテンツを拡充する予定としている。

サイトやソリューションも
提供して方針整理を支援

 遅れがちな方針整理を円滑に進めるための資材に続いて巽氏が紹介したのが、プロシップが公開している方針整理支援サイト「ProPlus+User Portal」だ。「サイト内のコンテンツは、今回紹介した内容も含め、いずれも難解なリース会計基準に対応するために独自開発したものです。タスクごとの詳細な解説や方針整理で活用できるマテリアルなどを取りそろえ、包括的に方針整理のお役に立てる内容となっています」(巽氏)。
図1
プロシップが提供する会員登録制の方針整理支援サイト「ProPlus+ User Portal」は、豊富なコンテンツをそろえ、2025年12月時点で500社を超える企業が利用しているという
 また、巽氏は2024年にリリースした新リース会計基準対応のSaaS型トータルソリューション「ProPlus+」にも言及し、その特徴について解説。「IFRS第16号の100社超の支援実績に基づき、正確な会計処理はもとより、基準に明記されていない実務上不可欠な機能も実装しており、新リース会計基準対応のベストプラクティスとしての提供が可能です。外貨にも標準対応しており、グローバル対応が求められる企業にも導入いただいています」。

 最後に巽氏は、「IFRS第16号の当時の経験から“歴史は繰り返す”ことを肌で感じています。方針整理が先に終わらなければ円滑なシステム導入は難しい。プロシップはシステムの会社でありながらも、IFRS第16号の経験で培った先行事例や支援コンテンツを活用して、抜け漏れなく新リース会計基準対応を進めるお手伝いができる体制を整えていますので、ぜひお声がけください」と語った。