特集

関西大学教授 松下慶太氏が語る「ニューノーマル時代のワーケーション」
ワーケーションに最適な“モバイルメディア”とは?
ワーケーションを効果的に行う上で、パソコンなどのITツール、先生の言い方で言えばモバイルメディアの選択は重要になると思います。どのような視点から選ぶべきでしょう?
松下 おっしゃるとおりで、ワーケーションをする上ではモバイルメディアは非常に重要、というか、ないとどうにもなりません。ワーケーションで移動することを考えると、まず持ち歩きに負担になるツールは選ばれないでしょう。「軽さ」は非常に重要です。ワーケーション先で思うように電源が取れるかわからない場合もありますから、「バッテリー駆動時間」も長いほうがいいです。あとは「堅牢性」も大事です。できれば「防水性・防塵性」も備えていてほしい。屋外で使うこともあるでしょうから、日差しの強い場所でもきちんと見られる「画面の明るさ」を備えていることにも着目したいですね。

堅牢性や防水・防塵、画面の明るさといったことは、アウトドアでワーケーションを行う際に効いてきます。今のワーケーションは、リゾート地などでの、言ってみれば「快適な」ワーケーションが主流ですが、今後、山登りやトレッキングなどのハードなアクティビティと組み合わせた「エクストリームワーケーション」も増えてくると、こうした点はますます重要になります。バッテリーについても、3泊4日くらいなら充電しなくてもOKというくらいの駆動時間を期待したいですね。
コロナの後には、これまでいろいろなところに出かけるのを我慢していた反動で、快適なリゾート地でのワーケーションだけではなくエクストリームワーケーションも急増するのではないかと私は見ています。「オーロラを背景にしながら会議」などということが普通のことになるかもしれません。
「オーロラを背景に会議」したりすると、「ふざけているのか」と怒る上司もいそうですが?
松下 それは「ワーケーションだから仕方ない」としか言いようがないですよね(笑)。そのあたりはまさに、私がもともと関心のある「時間と空間の編成」の話で。「会議をしている」という行動の本質は、オーロラを見ながらやろうがオフィスでやろうが同じなのに、なぜそれが問題視されるのか? ということです。
私たちの仕事観は、コロナ禍でのリモートワークなどを経て、大きくシャッフルされているのに気づくべきです。特に今の大学生は、入学してからずっと大学には来ないでリモートで授業を受けていて、そのまま卒業してしまう可能性もある。そういう人にとっては「週5日必ずオフィスに来なくてはならない」というのはもはや普通ではないし、そこに積極的な価値を見出すことは難しいでしょう。
「オフィスに集まる」ことへのハードルは確実に高まっています。私自身、今、同じプレッシャーを受けているんです。例えば500人近い履修者のいる講義を担当しています。雨の日に、500人の学生を大学に集めて講義をするとしますよね? そこで普通の講義をしたら怒られるわけですよ。「わざわざ大学まで足を運ばせてこれか。だったらオンラインでよかったじゃないか」と。だからミュージシャンがライブをするのと同じくらいの気合で臨まないといけない(笑)
会社も同じで、「とりあえずオフィスに集まれ」みたいなことは難しくなるということですね?
松下 そのとおりで、オフィスに来させるなら、「リアルで対面するからこその付加価値や経験」をデザインし、どの場面でこの「対面」というカードを切るかを考えないといけない。それがまさに「時間と空間を再設計する」ということ。アフターコロナではそこが強く求められます。そして言えるのは、どのように時間と空間をデザインしても、全てに共通してインターフェイスになるのはノートパソコンなどの“モバイルメディア”だということです。多くのホワイトワーカーにとって、仕事場はどこかというと、それはパソコンの前や中となる。だからこそモバイルメディアの重要性は今後、ますます高まると考えます。
最後に、今後の研究や活動のビジョンをお聞かせください。
松下 働き方と働く場所は、我々の生活の中で大きな比重を占めています。一方で、働くことを楽しくないと考えている人もたくさんいます。学生に話を聞いても、かなりの比率の人が「社会人になりたくない」「働きたくない」と言いますから。けれども、彼らも実際は働きたくないわけではないんです。「週5日出社するのがイヤ」「スーツを着るのがイヤ」「通勤がイヤ」といった具合に、働くことそのものがイヤなのではなく、「働きたいように働けないのがイヤ」なんです。だからこそ、「誰もが働きたいように働ける社会」をつくる研究を続けていきたいですね。


ハイブリッドワークやワーケーションに最適な「レッツノートFV1」の詳細はこちら





