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PC処分・廃棄時のデータ消去|3つの方法と注意点を解説
PC廃棄の基礎知識と、HDD/SSDデータ消去で守る企業の信頼
IT資産の管理運用に携わっている情報システム部門の方々ならば、一度はパソコン廃棄時の情報漏えいリスクに不安を感じたことがあるのではないだろうか? 情報漏えい事故の発生を未然に防ぎ自社の信頼を守るためには、適切なデータ消去を行った後にPCを廃棄する必要がある。本コラムでは、情報システム部門の方々が日頃抱えている現場課題に向き合い、PCの廃棄プロセスにおけるリスクを正しく把握するとともに、データ消去方法の種類とそれぞれのメリット・デメリットを整理していく。PC廃棄時にIT担当者が押さえておくべきポイントも解説するので是非参考にしていただきたい。
加藤 貴氏

1.PC廃棄におけるIT担当者の悩み
日々の業務で利用しているPCには、経年劣化や新OSへの対応などによる定期的なリプレースが生じる。不要となったPCは廃棄されることになるが、その際HDD/SDDに記録されているデータの情報漏えいというリスクがある。
1-1.PC廃棄を発端に情報漏えい事故が発生
事実、PCの廃棄に際して、HDD/SSDのデータ消去が不十分だったことによる情報漏えい事故の発生が報告されている。その一例が、2019年に個人情報を含む行政情報が記録された神奈川県庁のHDDがオークションサイトで販売された事件だ。
この事件は報道でも大きく取り上げられるとともに各界に大きな波紋を呼び、事態を重く見た総務省からも翌2020年5月、「自治体情報セキュリティ対策の見直しについて」と題されたガイドラインが発表されるまでに至っている。
関連リンク:近年のセキュリティインシデント事例
神奈川県のHDD流出事件、元社員に懲役2年を求刑(日経クロステック)HDD処分は物理的破壊でさえ万全ではない、神奈川県庁事件の教訓とは(日経クロステック)
自治体情報セキュリティ対策の見直しについて(総務省)

1-2.HDD/SSDは物理破壊が最も安全なのか?
信頼を寄せていたはずの廃棄業者によって引き起こされた事件であったこともあり、企業・組織が改めてPC廃棄のリスクを考える大きな契機ともなったが、企業・組織の情報システム担当者には新たな悩みも生まれることとなった。適切なデータの消去、ひいてはPC廃棄はどのようにして行えばよいのかというものである。「HDD/SSDの不正転売・流出のニュースを受けて見た目で分かりやすい物理破壊をしているが、これが最も安全な廃棄方法なのか分からない」「上書き消去が完了していても物理破壊は必要なのか?」「前任の時から廃棄せずに溜めて置かれたHDDが倉庫に眠っている」など、IT管理者の疑問やお困りの声を耳にする機会は多い。情報漏えい事故を発生させないために、まずはPC廃棄のプロセスとそれぞれの過程で気を付けるポイントについて理解しておく必要がある。
2.PC廃棄のプロセスと各工程に潜むリスクを再考する
一般にPCの廃棄は、①利用者からの回収、②データの消去、③廃棄業者への輸送、④最終処分/再資源化、といったフローを辿る(図1)。これらの各プロセスにおいて、どのような課題が存在しているのか。
2-1.PC廃棄のフロー①「利用者からの回収」
最初のタスクは不要になったPCを利用者から回収することだ。遠地方支社の社員のPCを廃棄する場合は、東京の情報システム部宛に移送し、その後、情報システム部側でデータを消去するケースが多いだろう。しかし、その移送中にPCの紛失・盗難が発生した場合、情報漏えい事故が起きるおそれがある。
近年では、セキュリティを考慮し、施錠して移送できるサービスも登場しているが、通常の配送手段よりも高額なコストが発生する。廃棄するPCの台数が多ければ当然、そのコストも増えることになる。
2-2.PC廃棄のフロー②「データの消去」
回収後はHDD/SSDに保存されたデータを消去する。単にHDD/SSDを初期化しただけでは、データ復元ソフトで回復できる可能性があるので注意が必要だ。消去方法は複数あり、また廃棄業者にデータ消去まで委託するケースもあるが、ここについては後述させていただく。
2-3.PC廃棄のフロー③「廃棄業者への輸送」④「最終処分/再資源化」
データを消去した後は廃棄業者へ輸送し、最終処分/再資源化を行なう。外部委託を行うにあたっては、産業廃棄物処理事業者やリサイクル事業者、あるいはPCメーカー等、外部の業者に依頼することが多いだろう。最近では、データ消去をメニューに含めている事業者も多いが、委託先での紛失や転売の事例を鑑みると、業者の信頼性に注意する必要がある。また、①と同様に廃棄業者へのPC移送中の紛失、盗難が起きる可能性もあるため、本記事では廃棄業者に輸送する前に、自社でデータを消去するフローにまとめている。






