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頑丈な超小型パソコンに フィールドワークの未来が見える
タフブック活用ガイド(2)CF-U1 ITアナリストの視点

「CF-U1」はノートパソコンともPDAとも異なる、現場向けの新しい種類の端末だ。企業にどういったメリットをもたらすのか、モバイルに精通するITアナリスト、三浦竜樹氏にたずねた。
企業モバイルのトレンドは今後数年で一変する

株式会社アイ・ティ・アール シニア・アナリスト。モバイルや仮想化、Web2.0などの技術分野や、リッチクライアントをはじめとしたユーザー・エクスペリエンスを専門にする。
日本でも頭をもたげつつあるスマートフォン市場。先行する米国では、BlackBerryでメールチェックを行うビジネスパーソンの姿がすでにありふれた光景となっている。米国の調査会社フォレスターリサーチによる調査でも、やはりメールやPIMといったスマートフォンの得意分野が、米国企業がモバイルで利用するアプリケーションの上位を占めている。
しかし、この調査結果が示しているのはスマートフォンの好調さだけではない。ITアナリスト、三浦竜樹氏が指摘するのは、「在庫管理やフィールドサービス、営業支援、物流など、基幹系のアプリケーションが一昨年頃から大きく増えはじめている」(三浦氏)という事実だ。企業モバイルのあり方が、米国ではすでに大きく変わりつつあるという。
それを裏付けるように、米国企業が新規導入するモバイル端末も、パソコンと3Gデータ通信カードの組み合わせが増えてきたという。「UMPC(ウルトラモバイルPC)やスマートフォンをはじめとしたモバイル端末やインフラなどの環境が整ったため、業務アプリケーションを出先で活用する機運が高まっているのです」(三浦氏)。こうした変化が、まもなく日本でも起こるだろうと三浦氏は考えている。
タフブックCF-U1は、そうした背景を考えると、ユーザーのニーズをきわめてタイムリーにとらえた製品といえる。PDAのようにポータブルなボディサイズでありながら、OSにフルスペックのWindows Vista/XPを搭載し、なおかつ、オプションでFOMAのワイヤレスWANを内蔵可能(件名対応)だ。

進化したPDAで大幅なコスト削減も可能に
かつてPDAにWindows Vista/XPを搭載することが難しかったのは、十分なマシンパワーやバッテリー駆動時間を確保できなかったためだ。Windows Vista/XPがストレスなく動作し、約10時間のバッテリー駆動時間を確保したCF-U1は、従来の制約を乗り越えた、正常進化といえる。
「これまでは、PDA専用OSに対応させるため、Windows向けに構築した業務アプリケーションをわざわざ作り直す必要がありました。それに費やしていたコストと時間が不要になれば、モバイル・ソリューション導入の大きな障壁のひとつが解決できます」(三浦氏)。また、PDAでは周辺機器を使いたくても、ドライバーが入手できないことも多かった。独自開発するか、あるいはあきらめるしかなかったが、Windows Vista/XPを搭載したCF-U1なら、そういった不便は確実に減るだろう。もっとも、GPSやバーコードリーダー、カメラ、指紋認証センサーなどをオプションで内蔵できるため、これらについてはドライバーを捜す必要すらない(件名対応)。


さらに、既製のアプリケーションが豊富にそろっている点もメリットだ。たとえば音声認識ソフトを導入すれば、手ぶらで文字入力を行える環境を低コストで実現することも可能だ。「PDAをベースとした業務専用端末をCF-U1にリプレースすることで、アプリケーション関連に関わるコスト削減効果を期待できるケースは、少なくないでしょう」(三浦氏)。
フィールドワーカーの現実をとらえた製品
ユーザーにとっても、CF-U1は多くのメリットを持っていると三浦氏は語る。強い日光のもとでも見やすい液晶モニター、Windowsを起動したまま交換できるホットスワップ対応のバッテリー、取り扱いに神経質にならずにすむ頑丈さなどだ。「タフブックは工事現場や工場など過酷な環境でメリットのある製品だと考えられがちですが、必ずしもそうではありません。たとえば頑丈さ。たとえば渉外担当の方などでも、ITリテラシーの高低によっては、PDAを裸のまま自転車のかごに入れて移動したりしていますから、どんな現場でも頑丈さはメリットになるはずです」(三浦氏)。ハードディスクではなくSSDを採用したCF-U1は寒冷地での使用にも有利だ。オイルが固まってディスクが作動しない、といったトラブルが起こらないからだ。

モニター両脇の専用ボタンにも三浦氏は注目する。4つのボタンにアプリケーションを登録してワンプッシュで起動できるアプリランチボタンは、使用するアプリケーションが決まっているフィールドワークではユーザーの負担を軽減できる。また、画面の拡大・縮小やスクロールも専用ボタンで行える。CF-U1は5.6型の小さなモニターで1024×600ドットの高精細な表示が可能だが、専用ボタンのおかげで細部を見るのにも苦労しない。「日本ではフィールドワーカーにも高齢者が増えているので、文字の拡大が楽に行えるメリットは大きいですね」(三浦氏)。

フルキーモデルと10キーモデルの両方をそろえている点もCF-U1のメリットだ。数字入力が多いなら、キーのゆったり配置した10キーモデルの方が使いやすい。「携帯電話と同じ方式で文字入力ができるようアプリケーションを作れば、特に若年層がユーザーの場合、10キーでも文字入力に不自由することはないでしょう」(三浦氏)。あるいは、各種報告書などまとまった文章を書くときには、事務所のデスクに戻ってキーボードをつなげて使うという手もある。CF-U1には、キーボードやマウス、モニターなどを接続できる専用クレードルがオプションで用意されており、デスクトップマシンとして使うことも可能だ。

現場の創造性を引き出す
CF-U1導入時に企業が配慮すべき点も三浦氏は指摘する。「業務専用端末というと、組み込み系OSやWindows CEベースなどのPDA向けOSを利用したものが多い。POSレジ向けの製品などにはWindows VistaやXPを搭載した業務向け端末もありますが、一般的には通常のPCと同じインタフェースで、汎用PCと変わらないという考え方が一般的です。しかし、CF-U1では発想を変える必要があります。たとえば、小さなスタイラスでスタートメニューをたどらせるようなことは避けるべきです。画面設計はあえて業務専用端末のようにした方がユーザーは抵抗なく使えるでしょう。また、軍手をしたままでも操作できる感圧式のタッチパネルを備えているので、指で触れられる大きなボタンを用意するなどの工夫もしたいところです」。マシンパワーに余裕があるので、リッチなユーザーエクスペリエンスを作り込むことも可能だろう。

逆に、汎用機ならではのメリットも生かすべきだと三浦氏はいう。たとえば社内ブログやSNSなど、Web2.0的な仕組みを活用し、個人の中に埋もれている知識をほり起こしたり、あるいは部門や地域の違いを超えて社員のネットワークを活性化するような試みが、フィールドワークでも可能になるのだ。ニコニコ動画のように現場の作業の様子を動画で投稿し、それに対して全国の先輩社員がコメントでアドバイスを送るなどといった先進的な活用法も見えてくる。
フィールドワーカーには機能をそぎ落とした業務専用端末があてがわれる場合が多いが、それは働き方を限定してしまうことでもある。「決められた手順を機械的にこなし、本部に報告して判断を仰ぐだけ。それでは現場の経験や勘を生かすこともできず、フィールドワーカーのモチベーションは高まらないのではないでしょうか。現場にいる人間だからこそ気づくことがあるはずです。そのような現場の貴重な経験や知恵を埋もれさせず、いかに活用するかで、コストや業務効率を超えた企業競争力を生み出す大きな導入効果を得ることにつながるといえます」。
CF-U1は、そういう理想的なフィールドワークのあり方を実現する力をも持っているのだ。単に業務専用端末をリプレースするのではなく、CF-U1だからこそ実現できる使い方を模索するなら、社員の能動性を引き出し、現場力を最大限に高めることも可能になるだろう。





