
イノベーションを加速させるツールとして、生成AIの注目が高まっている。しかし、利用がスケールしていくと、アクセス制御やデータセキュリティーなどの対応が必要になる。そこで重要になるのが、統合的なプラットフォームによる運用・管理だ。NTTデータ イントラマートのエンタープライズ・ローコードプラットフォーム「intra-mart」はそのための有力なソリューションとなる。

生成AIの活用用途は幅広い。文書の作成や要約、情報の検索、企画のアイデア出しやコンテンツの自動生成などが可能だ。また、システム開発の現場も大きく変わる。内製開発やアジャイル開発を支えるローコード・ノーコードツールに生成AIを組み合わせて、さらなる効率化や生産性向上を目指す企業が増えている。
生成AIの活用は多くの場合、段階的に進んでいく。個人レベルの活用からスタートして、その後、業務やビジネスを変革するための使い方に進化するといった流れだ(図1)。「これを支えるためには、組織全体をカバーした権限管理やセキュリティーの機能、データ蓄積基盤などが必要になります。ビジネス変革に向けて生成AIを活用するには、これらを実装したプラットフォームを整備することが肝心です」とNTTデータ イントラマートの橋本 大樹氏は話す。
組織での利用が広がると権限管理やセキュリティーなど考慮すべきことも多くなる。プラットフォームによる統合的な管理が不可欠だ
同社は、そのための仕組みとして、ローコードプラットフォーム「intra-mart」を提供している。
多様な業務を1つのプラットフォームに集約することで、業務プロセスをエンド・ツー・エンドでデジタル化する。自動化をサポートする機能や外部連携に用いるAPIコンポーネント群を多数実装しており、フロントエンドからバックエンドまで幅広い業務に対応可能だ。
「システムやアプリケーションの開発はローコードで行えます。簡易なフォームから複雑な業務画面まで、ドラッグ&ドロップの操作だけで作成可能です」(橋本氏)。業務処理の部品を画面上に配置し、線で“つなぐ”だけで業務ロジックを構築できる。システム変更の際も、運用を止めずに設定変更・リリースが可能で可用性も高いという。また、コーディングベースの開発でカスタマイズすることもできる。
このような特長が評価され、intra-martはワークフロー分野で17年連続トップシェア※1を誇る。導入社数は大手企業からスタートアップまで1万社を超えるという。
※1 富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2024 年版」より〈ワークフロー・パッケージ・2023 年度金額ベース〉
またintra-martは、さらなる機能強化に向けて生成AI機能も実装した。
「intra-mart上での開発や保守、業務プロセス改善などに、生成AIを簡単に適用することが可能です。様々な作業を生成AIがアシストします」と橋本氏は紹介する。統合プラットフォームであるメリットを生かし、生成AIの権限管理やセキュリティー、コンポーネント化や統制管理も一元的に行える。多様なデータも統合的に管理可能だ。
例えば、複雑なSQL文を生成することで、業務アプリケーションをよりスムーズに開発できるようになる。画面フォームの説明文章なども、プロンプト入力で要件を指示すれば、生成AIが作成してくれる。
Excelファイルを読み込ませてアプリケーションを作成することも可能だ。「既存のExcel資産を生かして、システムを素早く構築できるでしょう」と橋本氏は語る。
人の工数削減はもちろんのこと、あらゆる取り組みを迅速化できる点は大きなメリットといえる。実際に動く画面のモックアップやサンプル・試作品を即座につくれる。これにより、要件定義や設計段階から開発者と利用者が一緒になって進める開発スタイルを容易に実現できるだろう。「ユーザー部門との認識のズレをなくすことで、システムの質の向上も図れるはずです」と橋本氏は付け加える。
ただ、生成AIやローコード開発の導入はDXのゴールではない。ゴールはあくまで、ビジネスや顧客体験を変革し、よりよい状態にすること。それには、まず現状の業務プロセスを見直し、最適な姿を再定義することが不可欠だ。
その上で目指すべき姿を描き、必要に応じて生成AIやローコード開発を導入する。これにより、IT部門だけでなく、事業部門などのユーザー側も多くのメリットを得ることが可能になる(図2)。
基盤に組み込まれたAIアシスタントが、システム開発はもちろん、現場業務の効率化、生産性向上も支援してくれる
「例えばintra-martであれば、先に紹介した開発プロセスの支援のほかにも、社内システムを横断した情報検索などを生成AIで実行できます。事業部門ユーザーの業務効率化、生産性向上も加速することが可能です」と橋本氏は説明する。
既に多くの企業がintra-martを使ってDXを加速している。一例が東北電力だ。データ駆動型組織・事業への転換を目指す一環でintra-martを導入し、法人顧客の電気使用申し込みをローコード開発でシステム化した。
従来は点在する申込窓口に電気使用申込書を持参するため、100kmを超える移動が必要な顧客もいたという。「オンラインで申し込み手続きを完結できるようにして、申込者の利便性を大幅に向上しました。本格運用開始から2カ月でオンライン申し込み比率は95%以上に急増しています」(橋本氏)。申し込みが顧客のセルフサービス型になったことで、従来は社員が手作業で行っていた申込書情報入力の手間も削減できているという。
DXの第一歩はアナログ業務をデジタル化することだ。しかし、安直に生成AIやローコード開発ツールを使い始める前に、業務自体を見直すことで、ツールの効果を増大させることが可能になる。
「システムの運用を継続していけば業務データの蓄積も進みます。データがたまるほど、生成AIの効果も増大するでしょう。開発者や従業員の業務プロセスを随時見直しながら、常に最適な業務を具現化していくことが重要です」(橋本氏)。このような取り組みを進める上で、迅速かつアジャイルなシステム開発を可能にするintra-martは強力な武器になるはずだ。
