コンカーは、クラウドサービスの提供を通じてそのための自治体の取り組みを強力に支援している。
同社の経費精算クラウドサービスは世界トップクラスのシェアを誇るなど、官民問わず広く利用されている。「2024年には日本国内にデータセンターを開設し、ISMAP認証も取得しました。国内の公共分野への対応をさらに強化していく計画です」と岩屋氏は紹介する。
データを起点とした効率的な業務プロセスを実現できる点が、同社サービスの強みだ。例えば、システムへのデータ手入力作業を削減することで、職員の負担を軽減するとともに人的ミスを削減。また、人が行ってきた確認業務をシステム化することで、会計課や人事課の職員が伝票を個別に審査する手間も削減する。
「導入に当たっては、現行業務のデジタル化にとどまらず、BPR(BusinessProcess Re-engineering)の視点に基づいて業務を根本から見直すことが肝心です。現状(As-Is)を可視化して課題を抽出したら、あるべき業務プロセスを設計します。将来(To-Be)の効果までを見据えたロードマップを策定することで、戦略的なデジタル化をご支援します」と岩屋氏は強調する。
このアプローチを採用する自治体も増えている。一例が福島市だ。
同市は2024年度から「財務会計DX」を推進。予算執行業務の効率化を起点として、職員がコア業務に専念できる環境の構築を目指している。デジタル部門をはじめ、会計部門や管財部門、契約部門など、部署横断型の財務会計処理の効率化ワーキンググループを立ち上げ、コンカーと共に実証実験に取り組んだ。
「実証実験は、職員の皆さんの改革マインドを醸成するための目的意識の共有からスタートしました。その後、ヒアリングによって現状業務の課題を抽出し、目指す将来像を策定。GAP分析で方向性を定めたら、それを基に定量効果を試算しました」(岩屋氏)。この進め方は、コンカーがこれまで多くのプロジェクトで得たノウハウに基づくものであり、効果につながる手法だという(図1)。
試算の結果、支出負担行為や手入力による起票、上長による承認・押印、会計課による目視審査などの一連の業務にかかる時間は現状の3分の1まで減らせることが見えてきた。また、コストも4000万円ほど削減できる見込みだという(いずれも年間)。「このような成果が得られれば、職員の方のリソースに余裕ができ、能動的な意見交換や新しい挑戦も促進されるでしょう。人材育成にもつながるはずです」と岩屋氏は語る。