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自治体DXフォーラム 2026
変革リーダーが集う、本音で語る、
真の課題を見つけ出すReview
川口弘行

眠るファイルを使える知恵に変える
自治体の業務効率化をAIで支援

「負の遺産」化した前任者のファイル

川口弘行合同会社 代表社員 川口 弘行氏
川口弘行合同会社
代表社員
川口 弘行
 多くの自治体の業務効率を下げている要因の1つが「ファイルサーバーの混沌」だ。異動した前任者が残したファイルが「負の遺産」として塩漬けになっており、どのフォルダに何があるのか、最新のファイルがどれなのか判別できない。この状況が、貴重なナレッジや知見を埋もれさせる原因になっている。

 「中身は『(日付)バックアップ』や『最終_02』などの独自のファイル名であふれています。個人名がついたフォルダに共有すべきファイルが埋もれていることも少なくありません。ディスク容量は常にひっ迫していますが、重要かどうか分からないファイルを勝手に削除するわけにもいかず、ファイルストレージがゴミ箱代わりになってしまっているのが実情です」と多くの自治体でCIO補佐官を務める川口 弘行氏は語る。

 この混沌を解消し、埋もれた知恵を役立てるためにはどうすればよいのか。川口氏が提示するのが、ファイルやデータの整理にAIを活用するアプローチだ。

 自治体では三層分離のネットワークが前提になるため、SaaS型の生成AIサービスが使いにくい状況にある。しかし、インターネットに接続せず庁内のサーバーで稼働するAIエンジンを採用すれば、安全性を維持したまま機密情報を含むファイルの整理が可能になる。「当社が開発した『ストレージマネージャー』は、そのようなオンプレミスでの生成AI活用によってファイルの整理を実現するサービスです」と川口氏は説明する(図)。  AIエージェントが業務時間外にファイルサーバー内を巡回し、ファイル名や更新日時、さらにはファイルの中身を精査する。これにより、そのファイルが本来あるべき場所や機密性を判定して提案するという。

画像中心のファイルの分析も可能

 「誰もがアクセスできるネットワーク階層に置かれているファイルの中に、実は機密性の高い個人情報が含まれているといったケースは往々にしてあるものです。そのようなファイルをAIが検出し、『こちらの領域に移すべきです』と提案してくれます」(川口氏)。AIが勝手にファイルを移動させると業務上の混乱やリスクが生じるため、あくまで提案にとどめて最終判断は職員が行う仕組みだという。

 ほかにもストレージマネージャーは、業務の実情に即した多彩な機能を備えている。例えば、ファイルの注釈機能はその1つだ。写真や画像が多く含まれた資料など、名称だけでは判断できないファイルをAIエージェントが検出して注釈を加え、検索や分析を可能にしてくれる。

 「肥大した画像ファイルの縮小や、個人情報をマスキングするAIエージェントもあります。外部への公開や持ち出しが必要なファイルの中の個人情報をAIが検出し、マスキングしたファイルを自動で複製するのです」と川口氏は続ける。

 庁内で完結する仕組みのため、外部ネットワークに頼らずに運用できるところが特長だが、外部ストレージやクラウド上のファイルも対象に含めることが可能だ。このようなソリューションを活用することで、ファイル管理の効率化、組織全体のデジタル変革を進められるはずだ。

 「ストレージ内の情報の整理整頓とセキュリティー向上を実現することで、自治体の皆様の業務効率化、DXをご支援します」と川口氏は最後に語った。
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