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プラチナフォーラム2023 Autumn 開催レポートプラチナフォーラム2023 Autumn 開催レポートPICK UP

去る11月6日、日経トップリーダー主催のプラチナフォーラム2023 Autumnが開催された。新型コロナウイルスの鎮静化、インバウンドの復活もあって経済活動は回復基調にありますが、人手不足、円安、資源高など中堅・中小企業が事業を続けていく上での問題は今だに山積しています。今こそ企業の真価が問われるときです。様々なリスク要因と隣り合わせの時代に、中堅・中小企業はどのように対応をしていくべきか、豪華講師陣の講演の一部をレポートする。
主催 日経トップリーダー
協賛 M&Aベストパートナーズ、NTT東日本、SB C&S(ABC順)

PICK UP

企業システムのクラウド移行は完了したもののメリットを感じられない、コスト削減は進んでいるが本質的なビジネスモデル転換まで至っていないといった経営者の声を耳にする。中堅、中小、スタートアップ企業で事業を成功させている真のクラウド活用について、200社超えのクラウド実績と自社での300以上のアカウントを使ったノウハウを蓄積しているNTT東日本 サービスクリエーション部 白鳥 翔太氏に聞いた。

クラウドに移行は
目的意識をはっきり定めるべき

白鳥 翔太 氏
NTT東日本サービスクリエイション部クラウド・サーバ&アプリケーションセンタストラテジー&コンサルティング部門シニアスペシャリスト
白鳥 翔太

「世界のパブリッククラウドの市場規模は年に約15%のペースで成長しています。国内企業の利用状況も2015年は50%程度でしたが現在では70%弱です。一方で、クラウドを使っても効果がなかったという声もある。例えば、システムは遅いままとか、思ったよりコスト削減にならなかったという事例もありました」
 社員が頑張ってクラウドの技術を身につけたにもかかわらず、活用する場がないために転職してしまうという事例も少なくないという。単にクラウドに移行するだけでは、実はあまり効果は得られないのが現実だ。「なぜ、クラウドに移行するのか」という目的をしっかり定めることが極めて重要だと白鳥氏はいう。

「DXの本質は、顧客起点での価値創造を実現すること。そのために業務プロセスやビジネスモデルを変革させるのです。テクノロジーだけでなく、組織体制や制度、企業文化まで変えないといけない。単純にデータ化するだけではなく、業務プロセスの改革や価値創造を実現するというのがポイントです。『価値を生む活動への注力をする』ことが非常に大事で、そのためにクラウドを選択するという発想がポイントなのです。例えば、AWSやAzureには200を超えるサービスが提供され、使いたい時だけ使えるリソースとして活用することができます」

ただ選ぶだけではなく、クラウド活用を組織にどう根付かせるかということも重要なテーマになる。
「ビジネスモデルをどうつくり、人の管理や企業としてのガバナンスをどう考えるかという非テクニカルな課題と、アーキテクチャーやセキュリティーの統制などの運用監視や仕組みづくりというテクニカルな課題があります。どちらが大変かといわれると、やはり非テクニカル要素でしょう。ビジネスモデルや人の管理、リーダーシップや人材、組織改革にクラウドを活用することが重要です。クラウド活用術とは、一連の非テクニカルな課題に対して、テクニカル要素をうまく活用して組織を変革させることだといってもいい。
 そこで大事なのがこの順番ですね。クラウドジャーニーと呼ばれる4つのステージがあります。
 実験段階で大事なのは、自分の手を動かしてクラウドを体感すること。大切なのは旗振り役を決めて新しい組織でやること。次に失敗しても影響の小さい課題で行うことです。実験の成果を大きく育てることが2つ目のフェーズで大事になる。小規模な案件のクラウドリフトをするとか単機能の新システムを導入するという形で実践し、その中でクラウドのセキュリティーなどの社内ルールを少しずつ設計する。その過程で蓄積したナレッジを共有し、組織の中で標準品質をつくるのです。専門知識を持った部隊や旗振り役が働きやすい環境をつくることが大切です」

クラウド移行4つのステージ
クラウド移行4つのステージ

出典:AWS Summit Tokyo 2019:クラウドジャーニーの現在

「クラウドファースト」を宣言して
会社全体をクラウドに最適な組織に

ここまでである程度基盤が整うが、企業戦略としてクラウドの方針、「クラウドファースト」の方針を宣言するというのが第3フェーズになる。実はこれが一番大事なポイントになるという。
「クラウドファーストの宣言をする前に、組織としての理想像を宣言する必要がある。パーパスやバリューを誰に対して、どう提供するかを改めて定義をする。顧客の特性を再定義し、そのために必要な仮説検証をする業務プロセスを導入します。その武器として、クラウド活用を宣言します。経営層はDX戦略をどう進めるか、ミドル層はチームマネジメントやスキルの可視化に取り組む。現場層はスキルや経験の蓄積に集中することが肝です」

4つ目のステージは、会社全体がクラウドに最適な組織にシフトすることだという。
「まずは組織間に新ビジネスモデルをつくるための繋がりが必要。さらに全社ルールを見直し、既存組織がクラウドを積極的に活用できるようにするのです。最終的にDXの企業であるということを経営者が社外に発信して企業イメージを確立し、DX人材を継続的に獲得していく。この流れでクラウドに最適な組織をつくれます。
 既存システムを一気に全面クラウド化するとかプロジェクトを大型化してしまうと、長期化してクラウド活性がいつまでも進みません。また、ITベンダーに一任したために人と組織がまったく育たないというアンチパターンもあります。不要なコストが発生することも少なくない。
 中小企業でも使える小規模なクラウド活用の例として『Amazon Connect』というサービスをご紹介します。これはクラウドベースのコンタクトセンターのサービスです。オンプレミスでつくると普通は1000万円以上の投資になるのですが、このサービスだとローコード、ノーコードで開発可能で10ドル程度から使える。電話業務なので使いやすいし、小さく始めて大きくするという面では導入しやすいはずです」

クラウド活用には、まずDX戦略と結び付けてクラウドを使いこなす。そのために自ら手を動かしてクラウドを体感する。そして徐々に利用シーンを拡大し、小さく始めて大きく育てる。最後に企業戦略としてクラウド方針を宣言し、クラウドに最適な組織にシフトしていく。この4ステップで進めることが肝になるということを覚えておきたい。

協賛

NTT東日本
https://business.ntt-east.co.jp/content/cloudsolution/

プラチナフォーラム 2023 Autumn
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