


去る11月6日、日経トップリーダー主催のプラチナフォーラム2023 Autumnが開催された。新型コロナウイルスの鎮静化、インバウンドの復活もあって経済活動は回復基調にありますが、人手不足、円安、資源高など中堅・中小企業が事業を続けていく上での問題は今だに山積しています。今こそ企業の真価が問われるときです。様々なリスク要因と隣り合わせの時代に、中堅・中小企業はどのように対応をしていくべきか、豪華講師陣の講演の一部をレポートする。
主催 日経トップリーダー
協賛 M&Aベストパートナーズ、NTT東日本、SB C&S(ABC順)
「日高屋があってよかった」と言われる経営
神田 正氏(ハイデイ日高 代表取締役 会長)
中堅・中小企業が成長するための選択 ~M&Aの表と裏を知る~
松尾 直樹氏 (M&Aベストパートナーズ 代表取締役副社長)
経営トップが推進すべき本当のクラウド活用術
~利益拡大に向けた本質的なビジネスモデルチェンジへ~
白鳥 翔太氏(NTT東日本 サービスクリエイション部 クラウド・サーバ&アプリケーションセンタ ストラテジー&コンサルティング部門 シニアスペシャリスト)
DX推進の鍵はAI活用にあり ChatGPTから始める令和版働き方改革のススメ
土肥 達郎氏 (SB C&S ICT事業本部 技術本部 第1技術部 4課)
稲盛和夫氏に学ぶ「リーダーの働き方」
粕谷 昌志氏 (鹿児島大学稲盛アカデミー客員教授 元京セラ稲盛ライブラリー)
ソリューション講演
土肥 達郎 氏 SB C&S
ICT事業本部 技術本部 第1技術部 4課
近年ChatGPTをはじめとした生成AIの台頭により、多くの企業が導入を開始し、我々の働き方が大きく変わろうとしている。DXの成功に向けた鍵として、AI活用の重要性に焦点を当て、AIの導入が組織や個人の生産性向上、業務効率化にどのように寄与するかをSB C&S ICT事業本部 土肥 達郎氏に聞いた。

現在人手不足が深刻化しており、日本商工会議所が2023年9月に発表した調査では「不足している」と回答した企業が全体の68%と調査開始以来最多の状態になっている。人材不足解消のカギの一つに「生産性の向上」が挙げられるのではないかと土肥氏は語る。そこで注目されているのがChatGPTで、2022年11月にChatGPTが発表されて以来、全世界でユーザー数は約1億人を超えている。
「実は日本はアメリカ、インドに次いでChatGPTの利用者数が世界で3番目に多い。生成AIの中でも、他のサービスを抑えてChatGPTを使いたいという声が圧倒的です。ChatGPTの何が画期的だったかというと、まずはチャット形式の対話型デザイン。文章を入力すると、その入力内容をChatGPTが考えて、そこから文章を返してくれるのです。翻訳や文章の要約なども非常に得意で、機能が多岐にわたるのが特徴。そして何よりキャッチーだったのが、会話の流れを考慮してちゃんと答えてくれるというような機能が付いていることでしょう。例えばプレゼンテーションのアイデアを問えば、『これはどうでしょう』と提案してくれるし、精度を上げたいなら『この部分を違うものに置き換えて』と言えば再提案してくれます。プログラミングも得意なので、本当に幅広いシーンで活躍する良き相談相手というのがChatGPTの立ち位置なのです」
Web検索とはまったく異なる対話型形式が魅力で、まるでオフィスの頼もしい先輩に質問したり、相談したりする感覚で、ChatGPTが回答してくれるのだ。
「情報収集ツールとして非常に優秀なので多くの企業が採用していますが、ChatGPTという言葉だけが先行してしまっている感もあります。なんとなく理解はしているけど、具体的にこのChatGPTを仕事でどう生かすかについて悩んでいる企業も多いようですね。実際に、業務で生成AIを活用されている方は、全体の9.1%に過ぎない。52%は、業務での活用を検討しているという段階。このうち『具体的な活用イメージが湧かない』という方が40%弱です。まだまだChatGPTの活用へのハードルは高いといえるでしょう」
その点を踏まえて、ChatGPTをビジネスで使うためにはどうすればいいのか。
「まずメリットとしては、基本無料ですぐに使えるということ。ChatGPTは検索して出てくるものに関しては基本無料で使えます。しかし注意点としては、皆さんが入力したデータが学習されてしまうこと。結果、第三者に引用されて情報が洩れてしまうリスクが存在します。ChatGPTエンタープライズというサービスを使えば、入力したデータを学習されないようにできるのですが、提供元のOpenAI社と直接契約する必要があり、英語でのやりとりや、日本の法律が適用されないなど、ハードルが高いのです。そのため、ChatGPTはビジネスで使いにくいという声もあるのですが、まだ方法はあります。それが『Azure OpenAI Service』を使うという選択肢です。Azureはマイクロソフトのクラウド環境で、ChatGPTをはじめとした数多あるAIモデルを使えるのです」
Azure OpenAI Serviceにはメリットが非常に多い。
「まずAzureのセキュリティーポリシーに準拠するので安心できること。次に皆さんの入力したデータが第三者に利用されないこと。かつSLAも99.9%担保され、Azureのカスタマーサポートも受けられます。ただ、デメリットもあり、サービス利用に申し込みが必要で、有料であること。また、OpenAI社が開発した最新モデルがAzureに実装されるまでにMicrosoft社の審査が入るため少しタイムラグが発生することも挙げられます。そして、対話型のアプリケーションとして利用するには開発が必要になることです。ただ、デメリットを鑑みても、多様なビジネスニーズに対応可能というところが、このAzure OpenAI Serviceの特徴だといえるでしょう」
Microsoftは2019年からOpenAI社に出資しており、OpenAI社が開発したモデルを販売できるため、Azure上でもChatGPTを利用可能なのだ。次に、Microsoftがもたらす新たな価値「Copilot(コパイロット)」について土肥氏は解説する。
「Copilotとは『副操縦士』という意味。複数のサービスがある中でも特に注目されているのが、『Microsoft365 Copilot』。これはWord、Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsなどの資料作成を自動化してくれるものです。価格は1ユーザーあたり月間30ドルで、日本でも11月1日から一般公開されています。例えばWordで報告資料を作る時、『こういった内容で何ページ作って』と入力すると、自動で文書を作ってくれます。さらに『Copilot Copyright Commitment(コパイロットコピーライトコミットメント)』という機能は、著作権上の意義を申し立てられた場合にMicrosoftが法的リスクを全て負うというもの。AIの世界では、著作権問題のリスクはつきものですが、ここをMicrosoftが肩替わりするという有難いサービスなのです。また、私が面白いなと思うのがTeamsですね。Teams会議の要約を自動でやってくれるのはTeamsのCopilotの内容として非常に魅力的だと思います。議事録を書く手間が省けて生産性の向上につながるはずです」
SB C&Sでは、Microsoft Azureに関してAzure相談センターというプラットフォームを用意しているので、導入の相談ができるのもメリットである。
人材不足解消の鍵は生産性の向上にあり、そのためにAIは大きな武器となる。Copilotを使えば、資料や議事録の作成から解放され、生産性は格段に向上するだろう。

「日高屋があってよかった」と言われる経営
神田 正 氏(ハイデイ日高 代表取締役 会長)
基調講演

中堅・中小企業が成長するための選択 ~M&Aの表と裏を知る~
松尾 直樹 氏(M&Aベストパートナーズ 代表取締役副社長)
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白鳥 翔太 氏(NTT東日本 サービスクリエイション部 クラウド・サーバ&アプリケーションセンタ ストラテジー&コンサルティング部門 シニアスペシャリスト)
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土肥 達郎 氏(SB C&S ICT事業本部 技術本部 第1技術部 4課)
ソリューション講演