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特集2018年11月27日公開

「会社の成長」と「社員の幸せ」を両立する働き方改革とは?レッツ

パナソニック創業100周年記念フォーラム セミナーレポート

パナソニック創業100周年を記念して、2018年10月30日から11月3日にかけて東京国際フォーラムで開催された「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」。その2日目に、「働き方改革支援サービスの活用価値 ~失敗しないための働き方改革とは?事例から学ぶ『可視化』の効果~」と題したセミナーが行われた。セミナーでは、パナソニックの西谷裕之氏が、同社の働き方改革のへの取り組みおよび、同社が提供する「働き方改革支援サービス」の活用価値について説明。さらに数多くの企業の働き方改革の推進を支援しているクロスリバーの越川慎司氏が、「働き方改革の真の目的」と「失敗しないための働き方改革」について講演した。

アウトプット志向への転換が最大の課題

パナソニック株式会社<br>代表取締役専務執行役員<br>コネクティッドソリューションズ社 社長<br>樋口泰行氏
パナソニック株式会社
代表取締役専務執行役員
コネクティッドソリューションズ社 社長
樋口泰行氏

 講演に先立って、パナソニック コネクティッドソリューションズ社の社長である樋口泰行氏が挨拶。働き方改革に対する自身の考えを語った。

 樋口氏は働き方改革の定義として「長時間働くことが評価されるのではなく、『アウトプットを出したものが評価される』という尺度に変わらなくてはならないというのが一番の根本」と強調。多くの企業では、上司に長時間働いている姿を見せなくてはなくてはならないというアウトプット志向と反対の感覚がまだ残っていると指摘した。

 さらに会社の中には社内向けの「内向き仕事」が多く、売上や利益・顧客満足度を向上させるための「外向き仕事」に使える時間がなくなっていると説明し、こうしたことを改善するのも働き方改革の大きな課題だとした。

 最後に樋口氏は「制度だけではなく、マインドチェンジもセットでないと改革は進まない。今日のセミナーから改革のヒントを持ち帰ってほしい」と語り、挨拶を終えた。

会場は満席となり、「働き方改革」への関心の高さをうかがわせた。
会場は満席となり、「働き方改革」への関心の高さをうかがわせた。

パナソニックの働き方改革の現状は?

パナソニック株式会社 コネクティッドソリューションズ社<br>モバイルソリューションズ事業部 営業企画部 部長<br>西谷裕之氏
パナソニック株式会社 コネクティッドソリューションズ社
モバイルソリューションズ事業部 営業企画部 部長
西谷裕之氏

 次に、パナソニック コネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューションズ事業部 営業企画部 部長の西谷裕之氏が、同社における働き方改革の取り組みについて紹介した。

 パナソニック コネクティッドソリューションズ社では、「衆知を集めてお客様価値を創造する業務へ」を目的に、ワークプレイス、ICT利活用、人事制度、業務プロセスの4つの観点から働き方改革に取り組んでいる。

 まずICT利活用の観点では、「オープンでスピーディーなコミュニケーションを実践し、一人ひとりの仕事のやり方を変える」ことがターゲットに。そのためにビジネスチャットの活用とテレワークの利用に注力している。ビジネスチャットの活用に関しては、2017年4月の樋口氏の社長就任以後、利用率を上げるためのコンペを事業所ごとに競い合う形で実施。その結果、4ヶ月後にはほぼ全員が活用するまでになり、現在では当たり前のように使われているという。また、テレワークについては、経営トップが率先して活用し、社内に広げている。

 人事制度については、「アウトプット志向に適した人事制度」を導入。例えば、テレワークの運用条件を簡素化することにより、実施時間は従来に比べ1.3倍に増加した。スマートワーク(裁量労働制)の導入も、時間管理から成果重視への切り替えの一環だ。一方で、上司と部下の「1on1コミュニケーション」や、中間管理職の意識を変えるための「360度アセスメント」、変革へのチャレンジを称える「カンパニーアワード」など、コミュニケーションを進化させる取り組みも行っている。

●コネクティッドソリューションズ社の働き方改革
アウトプット志向に適した人事制度を導入。
アウトプット志向に適した人事制度を導入。

  業務プロセス改革は、ムダな仕事を減らして、集中しなくてはならない仕事に集中できるようにするためのもの。まずは「集中すべき業務」「削減すべき業務」を明確化し、長時間労働を削減。さらに浮いたリソースを戦略的業務に振り分け、事業の成長に役立てることも狙っている。

「可視化サービス」活用により見えてきたもの

 こうした改革を行っていく上では、社員の意識改革も重要になる。そこでパナソニックが提供を開始したのが、「働き方改革支援サービス」だ。これは「働き方の可視化」により、業務習慣を「見える化」するもの。柱となる「可視化サービス」では、社員のパソコンが稼働している間に、どのようなアプリケーションをどのくらいの時間使っているか把握し、分析結果をダッシュボードに表示することが可能。これにより適正な労務管理と生産性向上を支援する。

●パナソニックの「働き方改革支援サービス」
「働き方の可視化」により業務習慣を「見える化」する。
「働き方の可視化」により業務習慣を「見える化」する。

 実際、社内で「可視化サービス」のトライアル活用を行ったところ、「削減すべきこと」と「集中=増やすべきこと」に気づけたそう。「例えば、Outlookの活用が想像以上に多かった。本来なら企画部署である我々は、PowerPointをもっと使って戦略的資料をアウトプットしなくてはならない。そこでメール返信を細切れに行うのではなく、決まった時間にまとめて行うようにしたところ、Outlookの活用比率は減って、PowerPointの活用比率は上がった」と西谷氏。

 また、このサービスでは、ファイル名のヘッダにアルファベットの記号を振り、それに業務内容を意味づけして集計することもできる。その結果、社内向けの「内向き仕事」に多くの時間を割いていることが判明。削減・簡素化することで、顧客向けの「外向き仕事」の比率を高めることにも成功したという。事業部の各部門でも、例えば製造部門ではExcelでの業務時間を削減したり、マーケティング部門では市場分析にかける時間が増えたり、といった効果が出ている。

●「可視化サービス」の活用効果
業務習慣の「見える化」により、社内向けの「内向き仕事」を減らし、顧客向けの「外向き仕事」の比率を高めることに成功。
業務習慣の「見える化」により、社内向けの「内向き仕事」を減らし、顧客向けの「外向き仕事」の比率を高めることに成功。

 「可視化サービス」により、パソコンの使用時間が可視化されると、社員は利用アプリなどから働いている時間や内容を明確にすることができ、上司もそれを確認できるため、在宅勤務やテレワークが積極的に活用されるようになり、サービス残業も減ったという。また、アプリの利用時間が可視化されたことで、社員1人ひとりが時間の使い方の課題に気づき、改善を促すようになった。

 「可視化サービス」への反響は大きく、すでに13の企業が採用を検討中(お試しサービスを利用中の企業を含む)。「働き方の可視化は、会社にとっては適切な労務管理により事業継続性を確保でき、社員にとっても意識改革が進み、ワークライフバランスが向上するという効果がある。両面からの活用価値を高めることで本当の意味での働き方改革に近づけるのではないか」と西谷氏は力強く語った。

西谷氏は「働き方改革を加速させるには、自分たちの働き方を可視化し、集中すべき業務の割合を意識的に増やすことが大事だ」と語る。
西谷氏は「働き方改革を加速させるには、自分たちの働き方を可視化し、集中すべき業務の割合を意識的に増やすことが大事だ」と語る。

※記事は執筆時の情報に基づいており、現状と異なる場合があります

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