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活用事例

タフブック搭載車両で現場へ急行! 災害発生時の情報収集をリアルタイム化
2008年9月5日公開

タフブック搭載車両で現場へ急行! 災害発生時の情報収集をリアルタイム化

タフブック活用ガイド(1)横須賀市 導入事例

阪神・淡路大震災を契機に、地方自治体における災害時の情報管理体制が見直されている。横須賀市役所はタフブックCF-19を導入し、現場で災害情報を取りまとめる重要な任務に利用している。





独自システムで被災状況を迅速・的確に把握

「災害情報通信ネットワークシステム」の運用に携わる横須賀市 企画調整部 市民安全課 災害応急対策担当主任 小沼裕司氏。
「災害情報通信ネットワークシステム」の運用に携わる横須賀市 企画調整部 市民安全課 災害応急対策担当主任 小沼裕司氏。

 1995年に発生した阪神・淡路大震災は、地方自治体の危機管理や情報管理のあり方にさまざまな波紋を投げかけた。災害が起こった時、どのような情報を収集し、どうやって発信するか。各自治体は検討を進めてきた。

 横須賀市は三浦半島地区の他の自治体と共同で、災害情報システムに関する検討会を発足させた。1997年頃からは、独自の災害情報システムを構築する機器の検討や、アプリケーションの開発に着手。テスト導入の後、被災世帯の状況把握に重点を置いた「災害情報通信ネットワークシステム」の運用を2003年7月から開始した。

「橋や道路、鉄道などの被害状況を把握することは不可欠です。それに加え、被災した市民の住居がどんな状況にあるのかを調査し、データベース化することも市町村として大変重要です。

横須賀市役所
横須賀市役所
見舞金や支援金の支給、住居のあっせんを行うには、当市における複数の部局が被災世帯の情報を共有し、対応にあたる必要があります」と、横須賀市 企画調整部の小沼氏。

前線を指揮する端末としてタフブックを採用

 横須賀市の「災害情報通信ネットワークシステム」で管理される情報は、主に「災害情報」と「被災者の安否情報」だ。

「災害情報」は火災、地震、水害などによる被害の状況が、市役所や119番へ通報される。通報された情報は、市役所への場合は対策本部でシステムに通報登録され、119番通報の場合は消防指令台の連携機能により災害ネットシステムに登録される仕組みだ。登録された通報情報に基づき、消防、土木、都市、上下水などの災害対応部局がそれぞれの所管に応じて現場調査を行い、調査結果を現地からの報告として入力。こうして蓄積された被害情報を、災害対策本部や各担当部局のスタッフが、災害対応・通常業務で必要に応じて確認できるようになっている。また「被災者の安否情報」については、市職員が避難所などで収集・入力した情報を、横須賀市民はもちろん、市外の住民や報道機関も閲覧できる。

災害情報通信ネットワークシステムのデータベースには、消防指令室や避難所など各方面からの情報が集約される。タフブックは、車両で移動しながら現地調査を行う部隊で使用されることも想定されている。内蔵しているFOMAカードでデータベースへ接続し、報告書を作成・登録したり、ほかの対策部と連絡を取りあう最前線の拠点として機能することも考えられる。
災害情報通信ネットワークシステムのデータベースには、消防指令室や避難所など各方面からの情報が集約される。タフブックは、車両で移動しながら現地調査を行う部隊で使用されることも想定されている。内蔵しているFOMAカードでデータベースへ接続し、報告書を作成・登録したり、ほかの対策部と連絡を取りあう最前線の拠点として機能することも考えられる。

 情報をデータベースに入力する端末として、前線で使用されているのは、NTTドコモのGPS機能つき携帯電話だ。調査員のレポートとともに、現場で撮影した被害状況の写真、調査地点のGPS情報もデータベースに保存される。

 一方、支所をはじめとする現地の対策拠点で多数の被害情報を閲覧・管理し、その情報を元に前線の調査隊に指示を送る端末も必要だ。そこで選ばれたのがタフブックCF-19である。

インフラ寸断でも使えるモバイルパソコン

消防車の中が臨時の対策拠点になることもある。FOMAカードを内蔵しているため、いつでも、必要なときに、災害データベースサーバーの情報を閲覧できる。
消防車の中が臨時の対策拠点になることもある。FOMAカードを内蔵しているため、いつでも、必要なときに、災害データベースサーバーの情報を閲覧できる。

 現地拠点となる支所には、多くの場合、パソコンが設置されている。その上でなぜ、災害用としてモバイルパソコンを導入する必要があったのか。

「支所の建物が無事であった場合でも、停電で電源が確保できなかったり、通信回線が機能しなかったりといったケースが考えられます。それに大規模な災害が起きた場合は、人員不足の懸念もあります。特定のスタッフが支所にはりついて、前線へ指示を送る業務に専念するのは無理でしょう。車で調査を実施しながら、災害データベースサーバに蓄積された情報を確認し、他の現場へ指示を送ることが予想されます」(小沼氏)。携帯電話は、収集した多くの情報を一覧する用途には適さない。情報を容易に管理でき、持ち運びやすく、自動車のバッテリーからも電源がとれるモバイルパソコンが、災害対策用の端末に適していると考えたわけだ。

タフブックなら過酷な環境でもケースがいらない

消防車の中が臨時の対策拠点になることもある。FOMAカードを内蔵しているため、いつでも、必要なときに、災害データベースサーバーの情報を閲覧できる。
消防車の中が臨時の対策拠点になることもある。FOMAカードを内蔵しているため、いつでも、必要なときに、災害データベースサーバーの情報を閲覧できる。

 以前は他社のノートパソコンを使っていたという小沼氏。「故障やトラブルを防ぐため、特製ケースに入れて持ち運ばなくてはなりませんでした。パソコン本体のサイズは小さいのですが、特製ケースは本体の何倍にもなる大きさでした」(小沼氏)。

 また雨天では、キーボードに水滴がかからないよう、ビニールを上からかぶせて使用していた。携帯性や使い勝手で不便な点があり、リース切れのタイミングで端末の変更を計画したのだ。

 CF-19採用の決め手は「コンパクトさ」「頑丈性」「FOMAカードが内蔵可能」の3点だという。

連携を広げ統合的な被災者支援システムへ

 今後は、「住民基本台帳ネットワークシステムや税、福祉のシステムと連携した、統合的な被災者支援システムに発展させていきたい」(小沼氏)と考えているという。共有化されていないシステムのデータも、将来的には定期的に各システムが保有するデータを交換し、支援金がすみやかに被災者のもとへ支給される体制を確立する予定だ。目指しているのは、より効率的な被災者支援の確立である。

 大地震が相次いで起きている昨今、横須賀市でも、災害対策への関心が市民の間で高まっている。市では「よこすか防災ナビ」や広報誌などを通じて、防災に関する情報提供を市民へ行っている。そのなかで「災害情報通信ネットワークシステム」の認知度向上も図っていくとのだという。地域住民の安心を守るという重要な任務を、タフブックも担っていくことになるのだ。

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