活用事例

建設機械もIT化が進行中! 機械の調子を見るのはタフブックの役目
タフブック活用ガイド(6)キャタピラー中日本 モニター事例

キャタピラー中日本(株)のメカニックにとって、パナソニックの現場用パソコン「タフブック」はもはや必需品。今回、コンパクトな新型機「CF-U1」を持ち込み、使い勝手を検証してもらった。
小型・軽量化で現場での持ち運びが楽に
世界最大級の建設機械メーカー、米キャタピラー社。日本国内には、そのキャタピラー製品の販売・メンテナンスを手がけるディーラーが複数あり、そこでは約600台のタフブックが使われている。そのディーラーの一社、キャタピラー中日本では、Windows 95の時代からタフブックの導入を開始し、歴代の機種を使ってきた。

新潟県など北陸地方でメンテナンスを担当する同社サービス部サービス技術課の高橋慎一氏が、同社の建機ユーザーの元にサービスに出かけるときには、タフブック が欠かせない。「我が社には、建機のメンテナンスを担当するメカニックが172人いまして、102台のタフブックを使っています」と高橋氏は言う。


2008年、タフブックのラインアップに小型機種の「CF-U1」が加わった。2009年7月のある日、高橋氏がCF-U1を手に向かったのは、新潟県長岡市にある柏興業(株)の砕石プラントだ。同社では砕石の移動やダンプカーへの積み込みなどのため、キャタピラーのホイールローダ約10台を使っている。
砕石プラントに着いた高橋氏は早速、CAT 966Hホイールローダに駆け寄った。容量4.1m³のバケットを備え、一度に7.25tの砕石を積み込める巨大なマシンだけに、運転席に乗り込むにも人の身長くらいあるハシゴを上らなければならない。「これまでの機種に比べて、CF-U1は非常に小型で軽くなったので持ち運びも楽です」と高橋氏は言う。

建機の“健康状態”をタフブックでチェック

運転席に座った高橋氏は、早速、ケーブルでCF-U1とホイールローダを接続し、電源を入れた。「起動時間がとても短くなりましたね。従来の機種の半分くらいの時間でスッと立ち上がるので、すぐに作業に取り掛かれます」と高橋氏は言う。

建機の診断を担うのはキャタピラー社が開発した「ET」というソフト。建機のメンテナンスというと、ボンネットを開けてプラグやボルトを外したり、部品を目視で点検したりという作業を思い浮かべがちだが、このソフトによってエンジンの回転数や温度、油圧系統の圧力、可動部分の変位、建機の稼働時間など、建機の状態をチェックしたり、電子データとして保存したりすることができる。
「エアクリーナーのエレメントが目詰まりを起こすと、エンジンの吸気圧が低くなります。その圧力データもET上で確認できるので、交換時期が近づいたことがわかります。また万一、電気系統に故障が起こったときには、『この線が断線しています』などのメッセージが出るので故障個所もすぐに発見できます」と高橋氏。

デジカメやビデオも内蔵

運転室で各部の油圧や稼働時間などを確認した後、高橋氏は、電動で開くボンネットカバーを開けた。そして、エンジンや駆動部のあちこちにCF-U1の背面を向けて、ボタンを押す作業を繰り返しはじめた。
これは、CF-U1をデジタルカメラとして使っていたのだった。CF-U1にはオプションで200万画素のカメラを内蔵することができる(件名対応)。レンズは背面に付いており、写真はもちろん動画も撮影できる。「これまでは携帯電話のデジカメ機能で撮影していましたが、建機のデータを集めるCF-U1で撮れるとなると、写真ファイルと一元的に管理できるので便利ですね」と高橋氏。

建機のIT化が進んだとはいえ、メカニックとしてはデータだけに頼らず、音や振動、臭いなど技術者としての五感と経験を生かしたメンテナンスを行うことが求められる。タフブックで建機から収集したデータとともに、部品の外観や劣化状況なども写真や動画として記録していくことが大切なのだ。
過酷な状況下でのIT建機に
キャタピラーの建機は十数年前からIT化が進み、エンジンや油圧機構、可動部などの至る所にセンサーが埋め込まれている。そのデータは「ECM」(エレクトロニック・コントロール・モジュール)と呼ばれる車載コンピューターで集中管理されている。

建機のIT化によって、メカニックによるメンテナンス作業がスピーディーに行えるようになっただけでなく、建機の故障を未然に防いだり、ベテランオペレーターにより効率的な運転を行ったりすることも可能になってきた。
「例えば、エンジンがオーバーヒートすると、回転数があるレベル以上に上がらないように自動制御する機能も搭載されています。また、ベテランオペレーターのアクセルワークや掘削の仕方をデータ化し、それをお手本にして省エネ運転の仕方をアドバイスすることもできるようになっています」と国内でキャタピラー製品の開発・生産を行っているキャタピラージャパン(株) プロダクトサポート部プロサポ開発課の竹内司氏は説明する。

「メカニックが見ていないときの建機の状況をある程度想像できるのです」と高橋氏は説明する。いまや建機もコンピューターと同様に“ログデータ”によって稼働状況を記録し、管理できる時代になっているのだ。
建機が活躍する場は、工事現場や砕石プラントなどの屋外が中心だ。時には雨が降り、風によって砂ぼこりが舞う過酷な環境で、コンピューターによるメンテナンスを行うためのツールとして、キャタピラー中日本でのタフブックの役割はますます重要になりそうだ。





