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活用事例

こんなパソコンがほしかった! ヘルスケア向けタフブックの導入効果とは?
2010年3月4日公開

こんなパソコンがほしかった! ヘルスケア向けタフブックの導入効果とは?

タフブック活用ガイド(8)松下記念病院 導入事例

使いにくいPDAをやめ、ヘルスケア向けパソコン「タフブックCF-H1」を導入。大阪府守口市の松下記念病院が取り組んだ先進的なIT活用について、副院長 兼 看護部 部長 酒井文代氏に聞いた。





PDAでは看護師の負荷を軽減できない

 松下記念病院は大阪のベッドタウン、守口市周辺の医療を担う総合病院。2009年に電子カルテを全面導入するなど、IT化を積極的に推進している。同年、看護業務の負荷軽減および質の向上を目的として、看護支援システムも一新した。その際、端末として選ばれたパソコンがタフブックCF-H1だ。ヘルスケア向けに新規に設計・開発された専用パソコンだ。

清潔を保ちやすいのもCF-H1の特徴。凹凸がなく、ふきムラが残りにくい上、消毒アルコールや次亜塩素酸が使える
清潔を保ちやすいのもCF-H1の特徴。凹凸がなく、ふきムラが残りにくい上、消毒アルコールや次亜塩素酸が使える

 以前から入院病棟では看護師がPDAを持ち歩いていたが、使い勝手が悪く、現場の評判もいまひとつだったという。「電子カルテとの間でシステムが統合されておらず、画像も扱えませんでした。できるのはバイタルの数値記録と、投薬時の認証のみ。しかも、病室で入力した後、ナースステーションでPCにつながないとデータがリンクされません。バッテリー切れにもよく泣かされました」(酒井氏)。

 2009年6月現在、CF-H1の導入台数は60台。入院病棟からICU、HCU、腎不全科、栄養指導室などで使用している。「看護の現場では、衛生管理にとても気を遣います。キーボード端末だとホコリがたまり、清潔に保てません。その点、CF-H1は大きな凹凸がなく、消毒用アルコールや次亜塩素酸でふけると聞いて、『これはいい』と飛びつきました。今はバッテリー切れに悩まされることもなくなり、とても快適です」(酒井氏)。

「患者から目をそらす」ことを避けられた

 CF-H1を使ってみて実感できたメリットは、ノートパソコンと違い、置き場所がなくても片手で保持して使えることだという。「ノートパソコンだと、入力の際にワゴンの方へ体の向きを変える必要があり、患者様から視線がそれてしまいます。でも、CF-H1なら、患者様と目を合わせて会話しながらペン入力が可能です。患者様も寝たまま、ベッドに座ったままの姿勢で画面を確認できるので、負荷がかかりません」(酒井氏)

内蔵バーコードリーダー(オプション)による看護師・患者・薬剤の3点チェックは、患者の取り違えなど、投薬ミスの防止に大きな効果がある
内蔵バーコードリーダー(オプション)による看護師・患者・薬剤の3点チェックは、患者の取り違えなど、投薬ミスの防止に大きな効果がある

 ベッドサイドでもナースステーションと同様にシステムにアクセスできるので、PDAのように記録や認証だけでなく、患者のすべての情報が参照できる。看護師は患者の心身のケアに、より集中できるようになったという。「看護師の間で素早く情報を共有でき、医師にとっては、状態の変化をいち早くキャッチすることができるようになりました。時間の効率化はもちろんですが、より患者様に向き合う看護へ進んだと感じています」(酒井氏)。

ナースステーションではクレードルに接続。本体を充電しつつ、キーボード・マウスを使ったスピーディーな入力作業が行える
ナースステーションではクレードルに接続。本体を充電しつつ、キーボード・マウスを使ったスピーディーな入力作業が行える

 ベッドサイドではその携帯性が有利に働くとしても、キーボードがないことで、不都合はないのだろうか。同院では、ナースステーションにCF-H1のクレードルを設置。クレードルに接続すれば、キーボード、マウスを使って入力作業をスピーディーに行える。「キーボード入力できることで、明らかに看護記録の情報量が増えました。詳しく記録できるので、とても有用です」(酒井氏)。

 クレードルに接続している間は充電も行われる。予備のバッテリーを充電できるバッテリーチャージャーもクレードルに2個備えられており、バッテリー切れの心配はまずない。

医療再生の鍵は端末の使いやすさが握る

 CF-H1の導入により、同院が最も期待しているのが医療の質を高めることだ。その一つがチーム医療である。

 これからの医療では、医療スタッフが一丸となって患者を支えるチーム医療が重要だと酒井氏は力説する。「看護計画も、患者様と看護師が情報・課題を共有し、患者様からご要望をいただき、納得していただける形で進めていく。それがチーム医療の在り方です。その際、患者様のすぐそばで画面を一緒に参照できるCF-H1のメリットが、大いに生かされると思います」(酒井氏)。近い将来、患者もベッドにいながらにして、 CF-H1の画面を見ながら病状説明や栄養指導、服薬指導、リハビリ指導などを受けられるだろう。例えば、血糖値の変化をカラフルにグラフ化して表現すれば、数値の羅列よりも、患者にとってははるかに分かりやすい。

 松下記念病院では、CF-H1の導入を外来でも推進し、看護師による問診などに活用することも予定しているという。院内のIT化がいっそう推進されることで、業務が格段に効率化され、人員の効率的な配置にも大きな効果がもたらされるだろう。

内蔵のカメラで治療過程を撮影し、記録できる。別途デジカメを持ち歩いたり、パソコンに取り込んだり、といった手間がなくなる
内蔵のカメラで治療過程を撮影し、記録できる。別途デジカメを持ち歩いたり、パソコンに取り込んだり、といった手間がなくなる

 CF-H1のフィールドは、病院内にとどまらない。今後、在宅医療、訪問診療への取り組みが進展する過程で、地域医療の現場へと拡大していく可能性も十分に考えられる。地域の医療現場にも常にCF-H1があれば、患者の自宅でも看護情報を細かく参照しながら診療を行ったり、その場でもれなく記録を取ることなどが可能になり、各医療機関が患者の情報を共有しやすい状態を保てる。

持ち運びやすいCF-H1は訪問看護にも最適な端末だ。内蔵のワイヤレスWAN(オプション)を通じて、どこからでも病院のシステムへ接続できる
持ち運びやすいCF-H1は訪問看護にも最適な端末だ。内蔵のワイヤレスWAN(オプション)を通じて、どこからでも病院のシステムへ接続できる

 一般に日本の医療現場はIT化が遅れているといわれるが、その原因は、端末の使いにくさにもあったに違いない。CF-H1の導入で業務の効率化・質の向上を同時に実現した松下記念病院の事例は、日本の医療の将来を明るく照らす、注目すべき先進事例といえるだろう。

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