活用事例

タフブックCF-31で施工情報を処理し 土木工事の生産性向上を実現
タフブック活用ガイド(10) 砂子組 モニター事例

コンクリートドリルの粉じんが舞う橋の耐震補強現場、雨が降ると泥だらけになる農地の区画整理、湖底にセンサーを設置しての水質汚濁防止工事。情報機器には過酷な現場で、北海道の砂子組にタフブックCF-31を試してもらった。現場で確認された生産性向上の効果とは。
タフブックでドリル穴の内壁を確認
うなりを上げる電動ドリル、空気中に舞うコンクリートの粉じん───北海道江別市で砂子組が行っている新江別橋の耐震補強工事現場では、既存の橋台や橋脚にコンクリートドリルで数百カ所もの穴を開ける作業を行っていた。
ドリルの傍らには、タフブック CF-31を首にかけた技術者が待機し、その片手にはタフブックのUSB端子に接続されたボアホールカメラを持っている。ドリルの作業が終わると、早速ボアホールカメラを穴に差し込んだ。

「ボアホールカメラを穴の内部に入れ、内部の画像をタフブックの画面で見て、施工状態を確認しています。映像は写真と動画で記録しています」と、作業を担当する砂子組土木部土木課の技術員、斎藤聖也氏は作業について説明した。

地震時に橋げたが落下しないようにするため、既存の橋台や橋脚の上部を分厚くし、落橋防止装置や変位制限装置を取り付ける必要がある。そこで、既存の橋脚に穴を開け、アンカーや鉄筋を埋め込む作業が必要となるが、最も重要なことは、橋脚の内部にある鉄筋を傷つけないことだ。
粉じん舞う現場で安心して使える
橋脚の側面に開ける穴は直径42mmで、深さは490mmにも達する。コンクリートの表面にRCレーダーという機器を当てて、鉄筋に当たらないことを確認してから、ドリルで穴を開ける。しかし、橋脚内部には鉄筋が幾重にも重なっているため、深い部分の鉄筋はRCレーダーで検知できないこともある。 施工を担当する砂子組土木部土木課の工事長、川村正之氏は「穴の中は懐中電灯で照らしても、なかなか奥までは見えません。タフブックとボアホールカメラのおかげで、しっかりと確認できるので安心です」と言う。

このボアホールカメラはネット通販で購入したもので、価格は数千円。先端には発光ダイオード(LED)ライトが付いており、取っ手にはシャッター用のスイッチと、LEDライトの照度調整用スイッチが付いている。
「この現場は粉じんが多いので普通のパソコンだと、すぐに故障してしまいます。その点、防じん性能の高いタフブックなら、穴開け作業中でも気にせずに現場に持って行けます。また頑丈なので、足場や橋げたの上などに気軽に置いたり、足場材などに少々ぶつけたりしても安心。施工管理業務に集中できます」(斎藤氏)。
もし、この穴内の確認作業を専門会社に外注すると、1時間当たり3万円もの料金がかかるところだった。タフブックとボアホールカメラのコラボレーションにより、高価な作業を社内で行うことができ、コスト面でも大きな成果をもたらしたようだ。

ぬかるみの中でインターネットに接続
広大な空の下、砂子組は北海道奈井江町の高島地区で、農地の区画整理の工事を担当している。小さく区切られた区画の農地を大きな区画にまとめ直し、大型機械を導入しやすくする工事だ。その面積は19.7haにも及ぶ。
「25cmの深さまでの表土を一時的に撤去した後、隣り合う区画の地盤を平らに整地します。そして表土を復元した後、地下排水路を埋設するのが基本的な流れです」と砂子組土木部土木課の工事長、小林教憲氏は説明する。
現場を訪れた日はあいにくの雨。ぬかるんだ地盤はどろどろで、長靴がめり込むほどの柔らかさだ。そのぬかるんだ現場の真ん中で、砂子組土木部土木課の金子弘幸さんはタフブックをインターネットに接続。配信されるピンポイントの天気予報を受信していた。

この現場の施工管理では雨対策が重要だ。雨が降ってきたときにブルドーザーなどの重機が農地上を動いていると、動けなくなることもある。農地の基盤に悪影響を与えないようにするためにも、雨が降り始める前に工事を一段落させておかなければならない。
そこで現場で活用しているのが、インターネットで提供されているヤフーの天気予報サービスだ。細かい地域の天気予報が1時間刻みで提供されるのを、なんと、現場に持ち込んだタフブックで見ながら、作業員に指示したり、1時間刻みの作業計画を柔軟に変更したりしているのだ。
「例えば、2時間後に雨が降りそうだということになれば、それまでに区切りのよいところまで施工して重機を引き揚げます。ベテラン作業員も、タフブックの画面で雨雲が近づきつつある天気図を見せると納得してくれます」と金子さんは言う。

つながりやすいと定評のFOMAを内蔵
北海道では、携帯電話がつながりにくい地域もまだ多い。この現場のように広大な農業地帯では、なおさらだ。その点、タフブックCF-31には、全国各地へ通信網を広げるNTTドコモ「FOMA HIGH-SPEED」に接続できるワイヤレスWAN(広域通信網)用の通信モジュールを標準で内蔵している。農地の区画整理現場でもインターネットに接続しやすいという。
また、不意に降り出した雨でキーボードや液晶パネルがぬれたり、農地の泥で汚れたりしてしまったときも、。IP65(耐塵・防噴流)準拠の高い防塵・防滴性能を誇るタフブックCF-31なら、慌てる必要がない。試しにキーボードなどに付着した泥を水道で洗い流すという手荒な実験もしてみたが、動作に支障が生じることはなかった。

現場のデータをリアルタイムに確認
砂子組は北海道三笠市で、国道452号の桂川中央改良工事にもタフブックを試した。工事による湖の水質汚濁を防止するため、湖面から湖底までを仕切るフェンスを全長約800mにわたって設置する工事の課題は、フェンスの下端が湖底まで届いているかどうかを確認することだった。この作業も、タフブックの活用により迅速に行えるようになった。
「フェンスの一番下の部分には間げき水圧計を取り付け、ケーブルを経由して地上のデータ記録装置でフェンス下端の高さを記録できるようにしました。これまではデータを記録した媒体を現場事務所に持ち帰ってパソコンで確認してしました。それがデータ記録装置にタフブックを接続することで、すぐに見られるようになったのです」と土木部土木課の工事長、山本健一氏は語る。
「データに問題があったときは、発注者側の監督員に連絡し、もう一度、現場に来てもらって対処しなければなりません。タフブックの画面で、リアルタイムで結果が分かるようになったことで、何度も現場と事務所の間を行き来する手間暇が省けるようになりました」(山本氏)。

リアルタイムに現場のデータを処理することのメリットは、3つの現場すべてで共通している。作業に問題があったとき、その場で手直ししたり、写真を即座に関係者に送ったりすることで、迅速な処理が可能になるのだ。それは時間とコストの節約にもつながる。
「実験した結果、内蔵バッテリーは朝から夕方までタフブックのスイッチを入れっぱなしで作業しても、1回の充電で1日半くらいもつことが分かりました」と金子氏は言う。一度、充電すれば1日の作業を十分にこなせるバッテリーも、現場における工事の生産性向上に一役買っていると言える。
各現場でのタフブックCF-31のモニター試用状況は、砂子組のイントラネットで社内共有された。その生産性向上効果を目の当たりにし、他の現場からも「タフブックを使ってみたい」というリクエストが寄せられたという。






