APUという「大学」の特集で、いきなりこんなことを言うのもなんですが……。

僕、ずっと大学が好きじゃなかったんですよ。

だからというのか、結果的にというのか、大学、中退してますしね。

コピーライターをやっていた頃も、大学から「先生になりませんか」というお誘いが来たらもうおしまいだ、と思っていた。それって、本業では、もう「過去の人」って扱いじゃないの、ってね。だって、イチローを大学の先生にしよう、とは思わないでしょう?(笑)。「政治家か大学の先生になりませんか」と誘われるのは自分が油断してる証拠。まあ、そう考えていた。

「大学に縁のない」はずの僕が、APUと出会うことになったのは、数年前、今副学長をしている今村正治さんが「ほぼ日」のオフィスにいらしたのがきっかけです。

当時、今村さんは開学前から関わっていたAPUをいったん離れ、立命館大学で新しい学部をつくるというプロジェクトに関わっていまして、「糸井さんのご意見をうかがいたい」という、相談にいらしたんです。

こっちは大学、好きじゃないですからね、最初はあんまり気が乗らなかった。ところが、今村さんの話をうかがってみると、新学部の構想はすごく面白い。だんだん前のめりになって僕もどんどんアイデアを出して、今村さんがそれに答えるってやりとりをしているうちに、気付いた。

新学部の構想が面白い以上に、この今村さんって人が、面白い。

2015年2月にAPUとほぼ日が共同で開催した『活きる場所のつくりかた。』イベントにて
左から今村正治副学長、早野龍五東京大学大学院教授、糸井重里さん。
早野先生は、6月にAPUで講義をします

それまで、大学が面白いだなんて思っていなかったから、とっても新鮮でした。なぜだろう。なんと今村さんは「教授」でも「先生」でもなかった。大学「職員」だったんです。初めて知りました。大学で働く人には、教授や先生のような、学生を教えたり研究をしたりする"教員"と、今村さんのように大学を運営する"職員"がいるんですね。

なるほど、企業に研究部門と事業部門があるように、大学にも事業をやる、経営をやる人がいるんだなあ。

今村さんにお会いして、大学に興味を持った。それからAPUの存在を知ったんですね。

学生の半分が留学生で、80ヵ国以上から集まっていて、先生も半分が外国人で、別府の温泉街の外れの山の上にある。そんな大学をゼロから作っちゃう。普通じゃできないですよね。

周囲を気にし過ぎて汲々としている現代に、今村さん始めAPUの関係者たちは、勇猛果敢で、豪放磊落(らいらく)で、いい意味でおバカで、なによりみんなに喜んでもらおうと思っている。だから、こんな面白い大学ができちゃう。その空気を吸ってみたい。遊びに行ってみよう。どうせだったら僕1人だけじゃなく、「ほぼ日」の社員みんなで。