株式会社マクニカ
ネットワークカンパニー
セキュリティソリューション営業統括部
プロダクト第2営業部 第2課
今西 弘昴氏
EU市場で販売されるデジタル製品のセキュリティーを強化し、消費者と企業をサイバー脅威から保護するために制定された、EUのサイバーレジリエンス法(CRA)。2024年12月に発効したこの法律は、2026年9月には脆弱性報告の義務化、2027年12月には全面適用が予定されている。
EU域内で製品を提供する製造業者は、このCRAへの対応が必須となる。その内容について、マクニカの今西 弘昴氏は次のように説明する。
「注目すべきはCRAの第13条『製造業者の義務』です。その第8項に『製造業者は脆弱性開示等に適切なポリシーや手続きを有する』、第9項に『販売開始から終了まで、セキュリティーアップデートを利用可能とする』とあり、製造業者がセキュリティーを担保する必要性が示されています」
また、CRAにはセキュリティー特性要件を定めた付属書類も存在する。そこでは「セキュリティーアップデートにより脆弱性に対処できること」「データやプログラムなどの完全性を許可されていない操作から保護」という記述があるという。
「これらの要件を満たすには、アップデートを無線通信で行うOTA(Over The Air)などの活用を検討する必要があるでしょう。また、アップデート用のソフトウエアが正しいものであることを担保する証明書も不可欠です。証明書の正しさを担保するには、正しさの根源となる秘密鍵を適正に管理することが欠かせません」と今西氏は続ける。
CRAには秘密鍵管理の必要性や方法について具体的に言及している箇所はない。ただ、産業オートメーション・制御システムの国際規格であるIEC62443-4-2に、「サプライヤーは、コード署名に使用される秘密鍵を不正アクセスや改ざんから保護するための手順と技術管理を実施する必要がある」との記述がある。
「CRAは、多くの部分がこのIEC62443-4-2をベースにしてつくられています。そのため『CRA適合に向けては秘密鍵管理が重要』と考えるのが妥当であるというのが、業界の専門家を含めた見解です」と今西氏は言う。