このような事態を防ぐためには、バックアップデータの保護方法を見直すことが必要だ。ただ、バックアップデータの保護やサイバーレジリエンス強化を図る際、従来のストレージシステムではどうしても直面する課題があるという。
大きく5つあるそれらの課題に対し、解決策を提示しているのが、日立ヴァンタラのストレージ製品「Hitachi Virtual Storage Platform One 2U Block Appliance」(以下、VSP One)である。それぞれの課題とVSP Oneによる解決策を見ていこう。
■課題1:データ増に伴うデータ復旧時間の長期化
データ量の増加に対応するため、現在はQLC(Quad Level Cell)などの大容量SSDを活用するケースが増えている。ところが、そのままでは障害時の復旧時間も増えてしまうことが課題になりがちだ。
これを解決するため、VSP Oneが提供するのが「分散RAID機能」である。任意の台数でRAIDグループを構成して冗長性を高められる。ドライブ障害発生時の負荷を複数ドライブに分散することで、データ復旧時間は最大1/3程度まで短縮できるという。「複数のドライブで同時に障害が発生した場合もデータ消失やシステム停止のリスクを低減できます」と井出氏は語る。
■課題2:バックアップデータの増加でストレージ容量が逼迫する
データ保存の長期化や、非構造化データの増加、およびスナップショットやバックアップデータの増加に対応するためにはストレージ増設が必要だ。これによりコストや管理負荷が増大している。
この点についてVSP Oneは、強力な圧縮機能でコスト最適化を支援する。独自開発のハードウエアベースの圧縮アクセラレータと、圧縮率が高いLZMAアルゴリズムを採用することでI/O性能を旧機種の約2倍に向上。平均75%ほどデータを削減できるという。
■課題3:オンプレミスに偏ったバックアップで災害リスクが増大
自然災害が多発・激甚化している現在は、オンプレミスだけでなくクラウドと連携したバックアップや災害対策を実現することが重要になっている。
「VSP Oneは、クラウド側のSDS製品『Hitachi Virtual Storage Platform One SDS Cloud』(以下、VSP One SDS Cloud)とのシームレスなデータ連携が可能です。どちらの製品も独自開発の共通OSを持ち、Thin Imageという高性能なスナップショットを活用できるため、被災時にも一貫した操作性で業務を継続することができます」と井出氏は説明する(図1)。
アマゾン ウェブ サービス(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudの3つをカバーするスケールアウトSDSがVSP One SDS Cloudの特徴だ。最適なハイパースケーラーを選択できるのは大きなメリットとなるだろう。