ITインフラSummit 2025 Summer -複合AIシステム時代の、ITインフラの条件- Review

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日立ヴァンタラ

データのバックアップから災害対策まで
ハイブリッドクラウド環境の課題を解決

日立ヴァンタラ株式会社 ハイブリッドクラウド事業本部 主任技師 中西 秀親氏

AI活用が拡大する中、価値創出の源泉になる「データ」の重要性が高まっている。しかし、ハイブリッドクラウド環境のもとでは、データ管理の面でクリアすべき問題が多数存在する。セキュリティーやコスト、データの整合性や鮮度の確保など、様々な課題に解決策を提供するのが日立ヴァンタラのストレージソリューション「VSP One」シリーズだ。その強みや具体的な利用法を紹介する。


ハイブリッドクラウド環境の
データ管理が課題に

総務省の「令和6年通信利用動向調査」によれば、国内企業におけるクラウドサービスの利用率は80.6%。用途もファイル保管、データ共有、バックアップなど多岐にわたり、クラウドサービスが企業活動に不可欠な存在となっていることが分かった。また、多くの企業がオンプレミスとプライベートクラウド、パブリッククラウドを組み合わせたハイブリッドクラウド環境を構築している。適材適所でインフラを選択するアプローチが、広く一般的なものとなっている。

「一方で、クラウドの利用拡大によって新たな課題も浮上しています。例えば、『すべての環境で同等の高い信頼性・セキュリティーを確保するのが難しい』『オンプレミスとクラウドの間のデータ移動に時間やコストがかかる』『環境間でのデータの整合性が取れない』といったことに、多くの企業・組織が頭を悩ませています」と指摘するのは日立ヴァンタラの中西 秀親氏だ。

これらの「データ」の課題を解決しなければ、AI活用の推進や競争力強化に向けた取り組みは進まないだろう。そこで日立ヴァンタラが提案しているのが、「Hitachi Virtual Storage Platform (VSP) One SDS Cloud」(以下、VSP One SDS Cloud)である。

VSP One SDS Cloudは、クラウド上のリソースを用いて、仮想的なストレージシステムを構築するソフトウェア・デファインド・ストレージ(SDS)ソリューションだ。日立が長年培ってきたストレージシステムの高可用技術を生かすことで、オンプレミスと同等の高信頼ストレージ環境をクラウド上で提供する。

また、オンプレミスのストレージ製品「VSP One Block」や「VSP One SDS Block」と連携することで、ハイブリッドクラウド環境における柔軟なデータ配置や相互移行を実現可能だ。

「ストレージ層での暗号化機能を組み合わせたセキュリティーレベルの向上、ストレージコピー機能によるデータ移動の時間やコストの削減、一括コピーによるデータ整合性の確保などを実現します」と中西氏は語る。

バックアップやデータの
二次利用に強みを発揮

ここからは、3つのユースケースを基にVSP Oneシリーズの効果を紹介しよう。

1つ目のユースケースは「バックアップ」(図1)。オンプレミスからクラウドへのバックアップは金融業界などでよく見られる形態だ。ここで重要なのは、オンプレミスの本番環境に影響を与えずにデータをバックアップすることである。

図1 オンプレミスとクラウドの間のバックアップ

図1 オンプレミスとクラウドの間のバックアップ

VSP Oneシリーズのストレージ間バックアップ機能は、データ更新の整合性を保ちつつ差分データのみを高速にバックアップする。これによりコピー時間の短縮やデータ整合性の確保など、様々なメリットをもたらす

また、全データを毎回バックアップする方式の場合、そのプロセスには長い時間がかかる。さらに、一般的なコピー機能では統一された静止点を確保できないため、データの整合性を確保しにくい。それぞれの環境でのバックアップ運用を学ぶ必要があることも課題になりがちだ。

「VSP Oneシリーズであればこれらの課題を解決できます。更新された差分データのみを高速にバックアップするため、本番環境に影響を及ぼさずに短時間でバックアップを行えます。データの整合性も担保できるほか、操作方法がVSP Oneシリーズで統一されているため、クラウドとオンプレミスそれぞれの運用方法を学ぶ必要もありません」(中西氏)

反対に、クラウド側で本番環境を稼働させている場合も同様だ。高速にバックアップを行えるため、データ転送コストを抑えられる点もメリットとなるだろう。

2つ目のユースケースは「データの二次利用」(図2)。本番環境のデータをクラウド上でのアプリケーション開発やAI分析に用いるといったものである。

図2 本番環境のデータをアプリ開発や分析に二次利用する

図2 本番環境のデータをアプリ開発や分析に二次利用する

VSP Oneシリーズを活用すれば、本番環境のデータを高速に開発/分析環境に複製できる。これにより、常に最新のデータに基づくアプリ開発やデータ分析が可能になる

ここでの課題は、オンプレミスの本番環境に影響を与えることなく、アプリ開発や分析を行う必要があることだ。また、データコピーを速やかに行わなければ、環境間でデータの整合性が取れなくなり、開発・分析に影響が出てしまう。VSP Oneシリーズのデータコピー機能を使えば、これらの課題を解決できる。

「差分データのみを非同期で高速にクラウド側に複製できるため、本番業務に影響を与えません。アプリの更新順序を担保しつつ、高速なコピーによりタイムラグを最小化することで整合性を保てるほか、常に鮮度の高いデータを、アプリ開発や分析に活用できるようになります」と中西氏は説明する。

災害対策環境も
コストを抑えて構築できる

そして3つ目のユースケースが「災害対策」だ。これまで、クラウド上にオンプレミスと同様のDR環境を構築・運用するのはなかなか難しかった。それぞれの環境のストレージの仕組みは大きく異なる上、データセンターファシリティーの維持には多くのコストがかかるからだ。

その点VSP Oneシリーズであれば、ストレージコピー機能で容易にDR環境を構築できる。平時にはクラウドのコンピュートリソースをオフにすることで、コスト最適化を図ることも可能だ。

なお、VSP One SDS Cloudは、単体のクラウドサービスとして利用することも可能だ。日立独自のデータ保護技術に基づく高い信頼性、暗号化技術によって実現される機密性、柔軟なスケールアウト性能など、優れた特長を備える強力なストレージソリューションといえる。

「加えてVSP One SDS Blockは、汎用のx86サーバーやクラウドリソースをデータ格納領域として利用できます。そのため、専用のストレージハードウエアを新たに準備する必要がなく、既存のIT資産を有効活用できます。お客様には大きなコストメリットを感じていただけるはずです」と中西氏は付け加える。

現在の企業ではパブリッククラウド上のAI・機械学習サービスを柔軟に活用したいというニーズが高まっている。環境を問わないシームレスなデータ管理を実現するVSP One SDS Cloud/VSP One Blockは、それらのニーズに応えるソリューションといえるだろう。


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日立ヴァンタラ株式会社
マーケティング戦略部
E-mail:Japan.Marketing.Strategy@hitachivantara.com