日経クロステック,日経ビジネス電子版,日経ESG日経クロステック,日経ビジネス電子版,日経ESG
PR

SX/DX/GX Summit 2025 Review

日程
2025年11月5日(水)09:30-16:45
開催形式
オンライン開催
主催
日経クロステック/ITイノベーターズ、日経ESG経営フォーラム
協力
日経BP 総合研究所、日経ESG、日経ビジネス、日経コンピュータ
協賛
プラチナ協賛:アスエネ、NTTデータ(ABC順)
ゴールド協賛:日本ヒューレット・パッカード、レノボ・ジャパン、ワーキーバジャパン(ABC順)

SX、DX、GXの推進は企業経営で不可避のテーマとなっている。「SX/DX/GX Summit 2025」は、生成AIとデータ活用を軸に3つの変革を統合的に捉える国内唯一の場だ。今回のサミットでは、非財務領域の潮流や“反ESG”環境下の現実解、サプライチェーン再編など多面的な論点が取り上げられた。あわせて、情報部門とサステナビリティ部門の役割進化を踏まえ、投資採算性とレジリエンスを高めるための具体的な知見が示された。

基調講演 京都大学公共政策大学院

我が国のGX成功のカギを握る
カーボンプライシングがいよいよ発進

諸富 徹 氏
京都大学公共政策大学院
教授
諸富 徹

 2023年5月に成立した「GX推進法」により導入が決定されたカーボンプライシング制度が、2025年5月の同法の改正案成立を受けて、2026年度から本格稼働する運びとなった。具体的には、排出量取引制度(GX-ETS)が義務的な制度へと移行する予定だ。

 「炭素に価格を付け、金銭的な負担を課すカーボンプライシングには排出量取引制度のほか、化石燃料由来製品に炭素賦課金を課すという方法がその代表例として挙げられますが、今回の制度では直近3年間のCO2の直接排出量が一定規模以上の事業者が対象となります」と京都大学公共政策大学院の諸富徹氏は説明する。

 排出量取引とは、排出量が上限を超えた企業が排出枠を市場で調達する義務を負う一方、排出枠を下回った企業は余剰分を市場で売却することができるというものだ。

制度対応に向けた取り組み推進が
イノベーション創出への契機となる

 カーボンプライシングの推進はGHG削減への経済的インセンティブを与え、脱炭素化に取り組む企業が報われることで公正な競争を促す。企業は制度対応を契機に、付加価値が高くGHG排出の少ない事業へ移行するなど、イノベーションを推進して新たな価値を生み出す可能性が広がる。

 「規制対応には厳しさがありますが、それを乗り越える努力が新たな技術や製品開発につながり、企業が成長軌道に乗る道筋となることを、ぜひ意識していただきたいと思います」と諸富氏は強調した。

基調講演 日本エネルギー経済研究所

AI活用でエネルギー消費量
むしろ節減の可能性

土井 菜保子 氏
日本エネルギー経済研究所
研究理事
土井 菜保子

 生成AIの利用拡大によるデータセンターの電力消費や温室効果ガスの増加に世界の関心が集まっている。一方で、特に産業、運輸、業務、家庭といった需要側でのAI技術の活用が、省エネルギーに貢献すると期待されている。

 「2015年から2019年の間、ほぼフラットに推移してきたグローバルでのデータセンターの電力消費が、2020年から2024年の4年間では、年率17.5%という急速な勢いで拡大しています。日本エネルギー経済研究所の分析では、2035年時点での消費量は1080TWhと見込まれています。冷却設備、ICTそして演算の効率化などの進展で、このうち20%程度の電力節減が可能と予測しています」と日本エネルギー経済研究所の土井菜保子氏は語る。

省エネルギーポテンシャル実現には
産業部門でのAI駆使がカギ

 これに対し、産業における操業の最適化や、運輸での需要予測やルート最適化、および冷暖房など業務・家庭を含めたAIの活用は大きな省エネルギーポテンシャルを有している。具体的には、2035年においてその節減効果は2088TWh(石油換算178百万t)にのぼると同研究所は算定。まさにデータセンターでの需要分を賄って余りあると言っていい。

 「もっとも、これらの数字はAI活用による省エネルギーポテンシャルを示したもので、実現には人材育成や認識向上、普及拡大へのインセンティブ付与、データ標準化、サイバーセキュリティ対策といった課題の克服が前提条件になります」と土井氏は指摘する。

ページトップへ