
現代では、スマートフォンやパソコンをはじめ、エッジからクラウドまでコンピューティングパワーが使われる。それだけに関連する消費電力やCO2排出量の削減は、企業のサステナビリティにも影響する。コンピューター製品を提供するレノボが考えるサステナビリティから、IT部門へのヒントを探った。

コンピューターは、企業活動になくてはならないツールだ。一方でデバイス数や使用箇所が増えれば、それに伴って消費電力も増えてしまう。
レノボ・ジャパンの元嶋亮太氏は、「コンピューターパワーを調達するときにもサステナビリティを考慮する必要があります」と説く。コンピューターがライフサイクルで排出するCO2は、企業のCO2排出量に直結するからだ。
レノボは、多種多様なコンピューターを製造販売している。そうした中で、「2050年までにCO2排出量のネットゼロ達成を目標として掲げています。また、製品のライフサイクル全体を通して持続可能性を考慮した循環型のアプローチも採用しています」(元嶋氏)。
レノボは素材調達の段階からサステナビリティを組み込み、再生素材100%利用を目指している。元嶋氏は「パソコン系の製品では、すでに多くが再生由来素材を使用しています。これを2025/2026会計年度までに100%の製品に広めます」と語る。
再生由来素材はプラスチック部品だけでなく、リサイクルマグネシウムやアルミニウムの採用も進み、天板や底面、パームレストに活用される。さらに段ボールやクッションなどのパッケージでも「2025/2026会計年度までに90%の製品に再生素材を採用し、これまでに4000トン以上の資源を削減しています」(元嶋氏)。
製造時にも、低温ハンダ付け(LTS)を利用し、電力消費の削減や基板への負担軽減を目指すなど、CO2削減に貢献する技術を採用している。
レノボのポートフォリオの各所で電力消費を極力削減するための取り組みも進んでいる。元嶋氏は、「最新のThinkPadには、コンピュータービジョン技術を採用しています。カメラの映像を分析し、画面の前に人がいないときや画面を見ていないときは、自動的にディスプレイの輝度を下げて電力消費を抑えます」と語る。
AIの普及に伴いデータセンターの電力問題が世界的な課題になっている。そこでも「独自に直接液冷技術『Neptune』の研究開発を続け、現在までに95%の熱除去効率と空冷比最大40%の消費電力削減を実現しています。温まった冷却水の熱は、他の目的に再利用可能というメリットもあります」(元嶋氏)。
ライフサイクルを通じた環境へのインパクトを製品ごとに情報公開している。その上で、レノボのCO2オフセットサービスとして、顧客がオフセット可能な仕組みも用意している。
元嶋氏は、「設計段階から利用後まで一貫してサステナビリティを組み込むことが重要です。レノボのサステナビリティの取り組みにも注目してコンピューターを選定してもらいたいと思います」とコンピューターパワー調達時の視点の転換を求めた。