2022年、新型コロナ感染症の終息の見通しが立たないままに世界情勢は緊迫した状態に陥り、中堅・中小企業を取り巻く経営環境も大転換期を迎えている。物価高騰、アメリカの金融政策の引き締め・円安、地政学...。様々なリスク要因と隣り合わせの時代に、中堅中小企業はどのように対応をしていくべきかー。こうした問題意識の下、去る11月25日、日経トップリーダー主催のプラチナフォーラム2022Winterが開催された。ここでは、豪華講師陣の講演のレポートを紹介する。
ソリューション講演
土屋 淳 氏 M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 上席執行役員

「M&Aの件数は、過去30年の間で15倍以上に増加している」。こう語るのは、中小・中堅企業のM&A仲介大手のM&Aキャピタルパートナーズの上席執行役員で企業情報部部長の土屋淳氏だ。M&A件数の増加背景には、経営者の高齢化に伴う後継者不足の問題と新たな成長機会の創出を求める声があるという。2025年には経営者の年齢が70歳以上の企業が約245万社に増加し、このうち約127万社が後継者不在、60万社もの企業が黒字廃業の可能性があるのだ。
大廃業時代ともいうべき状況の中、土屋氏が提案している選択肢が「M&A」である。実際、事業承継の選択肢として見ると、さまざまなメリットがあるという。

事業承継には、後継者への承継、株式公開、M&Aの3つが主な選択肢となる。このうち、後継者への承継では、親族に適切な後継者がいないことが多く、親族外の役職員への承継の場合は、株式を買い取る資金の不足や社長の個人保証の解除などが大きなハードルとして立ちはだかるという。また、株式公開という手もあるが、上場基準が厳格で実行に時間がかかり、資本承継にもつながらないことから困難が伴いがちだ。
「その点、M&Aは、会社の基盤を強くできるだけでなく、オーナーにとっては創業者利潤の確保や個人保証の解除が可能になります。また、社員にとっては雇用が安定化するメリットもありますが、検討にはそれなりの時間がかかります」(土屋氏)
最近の傾向として、友好的にM&Aを活用した事業承継が拡大している。土屋氏は、「譲受側も、規模拡大や事業の拡大成長のために時間を買うという意味で、M&Aを主軸にするケースが増えていて、意欲が旺盛です」という。
譲渡する側の意識にも変化が見られる。経営者にM&Aによる譲渡を選んだ理由を聞くと、後継者不在が首位であることは変わらないが、企業の成長と発展のためとの回答が増加傾向にある点が注目だ。親族に後継者候補がいても、会社の発展の可能性も考えてM&Aを選ぶ経営者は少なくないという。「今は、コロナ禍による消費者行動の変容や、人口減少・少子高齢化、DX化、業界変化など、事業環境も変化に富んでいる。時代の変化にあわせ、いかに事業を承継発展させるのかが重要になります(土屋氏)」。時代の変化にあわせて事業を継続的に発展させ、経営理念を実現するとともに、従業員の幸せのために、M&Aをポジティブに活用することが大切だ。
友好的なM&Aは納得できる条件と相手が揃ってはじめて実現するため、どのM&A仲介会社に依頼するかも重要になる。土屋氏はM&A仲介会社を選ぶ際の4つのポイントとして「相談のしやすさ」「報酬体系」「コンサルタント能力」「マッチング力」を挙げている。
「我々が目指しているのは、M&A仲介業界において模範となり、常にお客さまのことを最優先に考えるクライアントファーストの“正しいM&A”です。そのために、お客さまからご相談いただきやすいよう着手金無料の料金体系を貫き、お客さまから頂戴する成約報酬についても創業以来、最も報酬額が低くなる計算方式である株価レーマン方式を採用しています。また当社の特徴の一つに創業以来クライアントからの訴訟ゼロという点があります。お客さまの重要な決断に寄り添っていくクライアントファーストの姿勢で、健全な日本経済の未来を実現するために“正しいM&A”をけん引していきます」(土屋氏)

ブランド価値経営でV字回復を遂げたエステー
鈴木 貴子氏(エステー株式会社 代表執行役社長)
基調講演

実例から学ぶ あるべき契約リスク制御の方法
浦山 博史 氏 (株式会社LegalOn Technologies 執行役員 営業・マーケティング本部長)
ソリューション講演

事業承継・事業成長のための「正しいM&A」
土屋 淳氏(M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 上席執行役員)
ソリューション講演

中小企業での営業×データ活用 成功への2大ポイント
佐々木 耀氏 (株式会社キーエンス データアナリティクス事業グループ
コンサルティングセールス)
ソリューション講演

企業がおさえておくべきハラスメント対応
菊間 千乃氏(弁護士法人松尾綜合法律事務所 弁護士)
特別講演