マレーシアは1957年に英国の植民地支配からの独立を宣言した。三井物産がマレーシア支店を設立したのは、それから間もない1959年だ。それ以降、「貿易および投資を中心にマレーシアの経済成長、産業振興、雇用創出などに資する仕事をしてきた」(マレーシア三井物産社長の鳴釜宏充氏)。マレーシアは三井物産が最も多くの投資をしている国の一つだという。
三井物産はジョホールにおいても、マレーシアの機能性食品容器製造大手Lee Soon Seng Plastic Industries(LSSPI)に出資するなどしている。LSSPIは「単に容器を作るだけではなく、食品の安全性への配慮、包装の革新という現代社会の課題に正面から取り組んでいる企業だと自負している」(鳴釜氏)。
ジョホールについて鳴釜氏は「アジアの未来を担う重要な拠点だ」と語った。シンガポールに隣接することや安定したインフラ、広大な土地などの優れた点を挙げ、「産業の発展と集積、イノベーション加速に最適な場所だ」(鳴釜氏)。今後はジョホールとシンガポールが連携することで、「リージョナルハブとして役割を分担し、より持続可能な経済圏が形成されると期待している」(同)とした。
三井住友銀行はマレーシアにおいて、現地法人としてフルライセンスの商業銀行業務を展開している。約700人が在籍し、ESG(環境・社会・企業統治)ファイナンスやイスラム金融、デジタル化の推進などのサービスも提供しているという。
マレーシア三井住友銀行の社長 兼CEOである塩尻篤秀氏は、マレーシアが近年、直接対外投資の誘致で存在感をあまり発揮できていないことと、近年は日本よりも他国の方がマレーシアへの大型投資が多いことを指摘した。
この課題を解決するための鍵として塩尻氏が挙げたのが、JS-SEZだ。JS-SEZについて塩尻氏は「物流インフラが整備されたこの地域は、グリーンエネルギー、食料安全保障、デジタル経済、それから医療、教育などの分野で新たな投資の受け皿として期待されている」と指摘した。
三井住友銀行は2025年5月、マレーシア経済省からJS-SEZにおける戦略的パートナーバンクに、邦銀で唯一選ばれた。塩尻氏は「日本からマレーシアへの、新たな投資誘致の起点と捉え、全面的に支援していきたい」と強調した。
塩尻氏はジョホールバルには既に多くの日系企業が進出していることを紹介し、「それらの企業と、新たにJS-SEZに進出する企業の間でシナジーが生まれることを期待したい」と語った。
イオングループはマレーシアに8つのグループ会社があり、小売りを中心に金融サービス、エンターテインメント、施設管理など様々な事業を展開している。
イオンマレーシアはマレーシア全土に小売店を185店舗展開しており、1万人の従業員が在籍している。イオングループ全体では1万8000人の従業員がいるという。
ジョホールでは02年に最初のイオンモールをオープンした。現在、6つのイオンモールと3つのハイパーマーケットがある。
FRIM(マレーシア森林研究所)と協力し、ジョホールにおいて植樹活動を3年間行う予定であることも明かした。イオングループは30年以上にわたり世界で植樹活動を続けており、マレーシアにおいても24年に10年間の植樹プロジェクトを終えたところだ。そこで次の重点投資先として、ジョホールを選択したという。
イオンマレーシア 社長の岡田尚也氏は「シンガポールからジョホールへの人の流入が増えていると感じる」とし、「ジョホールとシンガポールのお客様がより豊かで安心な暮らしを送れるような投資を続けていきたい」と展望した。


