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インフロニア・ホールディングス

インフロニア・ホールディングスが説くPPP・PFIの意義

「総合インフラサービス企業」として
地域インフラの価値向上と技術支援へ

準大手ゼネコンの前田建設工業を傘下に持つインフロニア・ホールディングス。インフラの老朽化、人口減少による財政難、担い手不足の三重苦を抱える自治体と長期契約を交わし、インフラの価値向上を図る。持ち前の技術力と地域ネットワークに磨きを掛け、連携する地元企業への技術支援にも当たる。

持続可能なインフラを提供していくために重点を置くのは、道路や上下水道である。どちらも、住民生活になくてはならないもの。機能不全に陥るのを防ぐことが求められる。

ところが今、これらの運営管理を担う自治体は、社会経済環境の変化に戸惑う。インフラ施設は老朽化する一方、利用者である人口の減少で支え手は限られる。しかも更新の担い手は、高齢化を背景に減少する一方。埼玉県八潮市では2025年1月、下水道管の破損に起因する道路陥没事故さえ起きた。

「痛ましい事故でした。このような事故を未然に防ぐためにも社会に貢献したい」。インフロニア・ホールディングス(以下、インフロニア)の総合インフラサービス戦略部長の大塚淳氏は意欲を見せる。

インフロニア・ホールディングス総合インフラサービス戦略部長の大塚淳氏(右)と総合インフラサービス戦略部インフラサービス企画室長の堀川真加氏

技術実証の場を自ら提供する
優れた技術を取り込む仕掛け

事故後間もなく、ワーキンググループを立ち上げ、技術開発に取り組む。破損の原因と考えられる硫化水素による劣化の予測診断技術と下水道の管路内から管路周辺の空洞を無人で調査する空洞点検ロボット技術である。劣化予測診断技術でリスクの高い箇所を特定し、電磁波レーダーを用いた空洞点検を実施する想定。道路上の調査では点検し切れない一定以上の深さにある空洞も見逃さない。

特筆すべきは、これら技術実証の場を自ら確保する点だ。

前田建設工業(以下、前田建設)では2024年度から管清工業や地元企業を含む4社と、熊本市中央区の下水道管路の維持管理業務の包括委託を受注し、市上下水道局に実証を提案した。「2026年度中に実証を終え、27年度からの本格実装につなげる予定」(大塚氏)

このような実際の運営フィールドの技術開発への活用に長年取り組んでおり、その最初の事例が、愛知アクセラレートフィールドである。前田建設を中心に設立した愛知道路コンセッション(以下、ARC)がコンセッション方式で運営管理する愛知県道路公社所有の有料道路を技術実証の場として、開放する仕掛けだ。優れた技術は、ARCが取り入れ、効率的な運営管理の確立や低廉で良質なサービス提供につなげる。

ここに持ち込まれる先進技術などを選定し、その提案者と共同実証に当たるのが、インフロニアグループだ。ARCを通じて運営管理に当たるだけでなく、その価値向上を図る仕掛けの推進役を担う。

インフロニアグループのPPP・PFI事業への取り組みのルーツは、前田建設にある。2000年に国内初のPFI法に基づく案件で事業者に選ばれた。2011年に「脱請負」を宣言し、従来の「請負」の強みを生かしながら、その上下流に当たる事業企画や維持管理・運営といった「脱請負」まで一気通貫でマネジメントするビジネスモデルを構築した。

図 インフロニアHDが目指すビジネスモデル「総合インフラサービス企業」

2021年10月にインフロニアを立ち上げて以降、同社がPPP・PFI事業の引き受け手として前面に立つ。事業領域として複数のインフラ分野をカバーし、上流は企画提案から、下流は維持管理・運営や再投資まで取り込む。

地域の安心安全と技術継承へ
最先端の点検技術を地元企業に

豊橋浄水場再整備後のイメージパース。先進的な水処理施設を採用し、安定した水処理と省スペース・工期短縮を目指す

強みは技術力。大塚氏は象徴に愛知県の豊橋浄水場再整備等事業を挙げる。この事業は、老朽化した豊橋浄水場をPFI事業で再整備した後、豊橋南部浄水場など関連施設とともに運営権を設定し、2055年度まで運営する。インフロニアは地元企業3社を含む9社とともに特別目的会社を設立し、2025年12月には県との間で特定事業契約を交わした。

豊橋浄水場再整備後のイメージパース。先進的な水処理施設を採用し、安定した水処理と省スペース・工期短縮を目指す

建設事業(請負)で長年培ってきた技術力は再整備の設計・施工段階で発揮される。「狭あいな敷地ですから、設計段階では周辺住宅地への配慮、施工段階では綿密な施工計画が不可欠。再整備特有の課題があります」(大塚氏)

もう一つ、ネットワーク力にも強みを持つ。公共工事を受注する前田建設は自治体との接点を全国に持つ。「自治体の悩みは、日本全国から聞こえてきます」。総合インフラサービス戦略部インフラサービス企画室長の堀川真加氏は自負する。

自治体の悩みはインフラの運営管理にとどまらず、まちづくりにまで及ぶ。悩みに応えるには、分野横断の幅広さが欠かせない。そこに、インフロニアグループでの事業領域の拡大が強みとして生きる。

それはまた、民間へのネットワーク力を育む。「まちづくりになると、観光や都市計画などの要素も加わります。そのため、異業種の企業とも組めるネットワーク力が求められます」(堀川氏)

ネットワークは、地元企業にも張り巡らせる。「チャレンジ精神のある企業は、技術面から支援しながら連携するようにしています」。堀川氏はインフロニアグループの姿勢を強調する。

地元企業とのこの関係性が、インフラの価値向上と並ぶPPP・PFIの意義を地域に残す。インフラの維持管理では、地元企業に先端技術を用いた独自開発の点検ツールを提供。平時から利用してもらい、担い手不足を補うとともに、災害時の円滑な活用につなげる。

それはまたベテランの経験と勘に頼ってきた点検技術の継承にも生きる。「今のままでは、技術は途切れるばかり。私たちはデータ化を通じて技術継承を支援しています」(大塚氏)

地元企業への技術支援。そこにも、PPPの大きな意義がある。

Contents

総論

PPP/PFI時代の幕開けから四半世紀地域の経済活性化と課題解決へ
民間創意で「30兆円」市場攻略

東急コミュニティー

東急コミュニティーが目指すPPP・PFIの一歩先「THE SOCIAL COMPANY」として
価値創出を、施設から地域へ広げる

JTBコミュニケーションデザイン

JTBコミュニケーションデザインがけん引するPPP・PFIの新手法地域との対話・運営視点による「ソフト先行」で
箱モノ整備の先にある持続的な価値を創造

インフロニア・ホールディングス

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合人社計画研究所

合人社計画研究所が語るPPP・PFIでの強み独立系管理会社が培った提案力
100件超の実績。「小型案件にPPPの魂が宿る」