
経済産業省
商務情報政策局
総務課長
金指 壽 氏
人口減少やDX・GXといった社会課題の解決を通じ、「強い経済」を実現するには、AIと半導体を中核とするデジタル産業基盤への戦略投資を拡大し、構造転換とイノベーション創出を促すことが不可欠だ。
「現実世界を理解して動くフィジカルAIや、特定領域の課題解決に特化したバーティカルAIの進展により、競争は新たな段階に入った」。AIの実装は、工場や物流、医療、介護、防災といった現場へ急速に広がっていくとの見方を金指氏は示した。
その中で日本の勝ち筋はどこにあるのか。AIモデル単体ではなく、「身体」の中核機能を担うコンピューティング、制御、アクチュエーション、センサーといった各要素を統合した「フィジカル・インテリジェント・システム」が、フィジカルAIの実装を支える土台であり、日本の強みを発揮できる領域である。
「鍵となるのが、チップに必要な機能から逆算し、ロジックやメモリー、センサー等の各種半導体を各々設計・製造して作りこみ、システムとして最適に組み合わせる『System to Silicon』の考え方だ。特に要となる半導体設計については設計開発支援の継続・拡大に加え、最先端のオープンな研究開発・設計拠点の整備を軸に、取り組みを強化すべきだと考えている」(金指氏)
その実現に向け、政府はTSMCやラピダスをはじめとする先端半導体の開発・製造支援に加え、非先端領域も含めた半導体、電子部品等の基盤強化、経済安全保障の観点を踏まえたサプライチェーン支援を進める。供給側と需要側を一体で設計し、社会実装を先行させることで、2040年にはAIロボット市場において米中に並ぶ「第三極」として世界シェア3割超を確保し、20兆円規模の市場獲得を目指す考えだ。




