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フルHD「B」vs不動の人気「S・N」 最新CPUの効果はいかほど?
レッツノート2011年春モデルレビュー②

レッツノートの2011年春モデルでは、1月に発表されたばかりのインテル最新CPUを搭載し、特に高い性能を実現したモデルが3機種ある。15.6型フルHD液晶を搭載する新型の「B10」と、さらなるスペックアップを果たした人気モデル「S10」「N10」だ。
最新CPUを搭載した高性能レッツノート
レッツノート2011年春モデルの最大のニュースは、新型B10の登場だ。モビリティにこだわるレッツノートは従来、持ち歩きのしやすさを考慮して14.1型液晶搭載モデルが最大だった。しかし、デスクトップパソコンからのリプレースでは液晶15~16型のノートパソコンが選ばれるケースが多い。そこに新しい選択肢を提供するのが15.6型フルHD液晶を搭載しつつ、圧倒的な軽さと長時間駆動を実現したB10だ。
一方、レッツノートの顔ともいえる人気のS10(光学ドライブあり)、N10(光学ドライブなし)の2機種は、B10にも採用されたインテルの最新CPUを搭載して大幅に性能を向上させた。ますます充実した2011年春のラインアップの中でも、とりわけ高い性能を誇るこれらB10、S10、N10の3機種を今回は紹介しよう。


新機種のB10は15.6型ワイド液晶という、歴代レッツノートで最も大きな画面を搭載しているのが最大の特長だ。15~16型液晶クラスのノートパソコンは一般的にHD(1366×768ドット)の解像度を採用するものが多い中、B10はフルHD(1920×1080ドット)。デスクトップパソコンでいえば、おおむね21~24型液晶と同等の広さとなる。パナソニックの調査によれば、HDと比較して約2倍の情報量を表示できるフルHDのB10では、作業効率が約31%高まったという。さらに、CPUには最新の第2世代 インテル® Core™ i5-2520M vPro™ プロセッサー 2.50GHz (インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー利用時最大3.20GHz)を搭載しており、たいていの作業はストレスなく処理してくれる。これで同クラスでは圧倒的な約1.88kgという軽さと、約6時間というバッテリー駆動時間を確保しているあたりは、さすがレッツノートだ。


一方、主力機種である12.1型ワイド液晶のS10、N10もB10と同じ第2世代 インテル® Core™ i5-2520M vPro™ プロセッサー 2.50GHz (インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー利用時最大3.20GHz)を搭載した。こちらはデスクトップパソコンの代替としても使える処理速度を実現しながら、軽快に持ち運べるオールラウンドな使い勝手が特長だ。なお、S10から光学ドライブを省いたのがN10で、本体質量S10の約1.33kgと比べ、約60g軽い約1.27kg。軽量バッテリーを選択すれば、バッテリー駆動時間はほぼ半減するものの、わずか約1.11kgまで本体を軽くすることも可能だ。
CPU、GPU、駆動時間がバランス良く向上
最新CPUを搭載するB10、S10、N10の性能はいかほどか。まずはWindows エクスペリエンス インデックスを見てみよう。

CPU性能(プロセッサ)の高さも目を引くが、注目すべきは、内蔵GPUの弱点だった3D性能(ゲーム用グラフィックス)が大幅に向上したことだ。CADやゲームなど高い3D性能を必要とする用途でも、今までの内蔵CPUとは一線を画す高いパフォーマンスを発揮する。高度な3D処理を多用したり、複数の外部モニターを必要とする業務でない限り、バッテリーを多く消費する独立型のGPUをあえて選択する意味は薄れたと考えていい。
CPU自体の性能については、処理能力の強化はもちろんだが、電力消費がさらに効率化された点がポイントだ。このおかげで、S10、N10のバッテリー駆動時間は直前のモデルから約1時間も延び、約15.5時間となった。日帰り出張程度なら、ACアダプターなしでも安心だろう。
一方のB10も約6時間と、社内モバイルとして使うには十分すぎるほどの駆動時間を確保している。B10はわずか1時間で約80%まで充電できる急速充電に対応しているのもメリットだ。立て続けに会議が入っているような日でも、合間に急速充電をすることで乗り切れるだろう。もっとも、B10は15.6型液晶を搭載している割にフットプリントがきわめて小さく、ビジネスバックにも収まりやすい。約1.88kgという軽さもあり、十分に外出時にも持って行ける。なお、B10、S10、N10いずれも小型のACアダプターを採用しているため、バッテリー切れが心配なら本体と一緒に持ち歩いてもいいだろう。

一方、ベンチマークの定番「PCMark Vantage」のスコアは、同じCPUを搭載しつつも、筐体が大きいB10がやや勝っている。比較のため、2010年夏モデルのS9の数値も入れてみたが、1世代前のインテル® Core™ i5-520M vPro™ プロセッサー2.40GHz(インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー利用時最大2.93GHz)と比べて、やはり最新CPUは大きな性能アップを果たしていることが確認できる。これでバッテリー駆動時間は1時間延びているのだからすごい。
動画のエンコードはパソコンにもっとも大きな負荷をかける作業の1つだが、最新CPUはインテル® クイック・シンク・ビデオという新しいテクノロジーを採用しており、処理時間が劇的に短縮された。

上のグラフはB10にインテル® クイック・シンク・ビデオ対応ソフトをインストールし、アクセラレーターをON、OFFにした場合のエンコード時間を比較したものだ。まったく同じCPUであるにもかかわらず、ONの場合には3倍近く高速化されている。速いだけでなく、処理の軽さも印象的だ。バックグラウンドで動画のエンコードをしながら、フォアグラウンドでは他の作業をすることも十分可能だ。
なお、パフォーマンスに関して1つ付け加えると、ワイド液晶世代のレッツノートにはパソコンの起動時間を高速化できるツール「クイックブートマネージャー」が搭載されている。これは簡単な設定変更を行うだけで、BIOSの起動行程をショートカットするなどして、起動時間を最大10秒前後も短縮してくれる優れものだ。
独自技術でユーザビリティの高さも確保
レッツノートのキータッチの良さには以前から定評があったが、B10はその中でも最高の打ち心地を実現しているといえる。縦横ともにキーピッチ19mmで、キーストロークも約3mmあり、デスクトップパソコンとの違いがわからないほどだ。カタカタという耳障りな打鍵音もなく、高級感さえ漂う。


他の15~16型ノートパソコンには10キーを搭載するものもあるが、ホームポジションが大きく左へ移動してしまったり、一部のキーが極端に小さくなってしまったりといった弊害がある。B10はあえて10キーを搭載せず、本体のほぼ正面に座ってまっすぐにキーを打てるようにした。加えて、ホイールパッド周りのクリックボタンに関しても、パッド下部だけでなく上部にもボタンを設置し、キーボードから大きく手を離さなくてもクリックできるよう工夫された。キー入力のしやすさは作業効率に直結するだけに、こうしたユーザビリティへの強いこだわりは特にビジネスユーザーに歓迎されるだろう。
一方、S10、N10のキーボードは従来通り。キーピッチは横19mmを確保している。縦は16mmとやや小さく、キーストロークも2mmとB10よりは少し浅くなるものの、適度なクリック感があり、打ちやすさは同じく良好だ。
液晶については、やはりフルHDのB10が広い。Excel 2010を画面いっぱいに最大化すると、B10はZ列45行まで表示できる。S10、N10も1280×800ドットの解像度を確保しており、Excel 2010はQ列30行まで表示できた。


B10にはフルHDの大画面を生かすため、いくつかの工夫が施されている。その1つが独自の画面分割ユーティリティ「ウィンドウ・セパレーター」だ。
米国ではホテルの館内LANより高速だった
このツールを有効にすれば、画面を最大4つに分割し、それぞれにウインドウを最大化してフルHDの広い画面領域をすき間なく使い切ることができる。各エリアの大きさは境界線をドラックしてピクセル単位で調整可能だ。メールやスケジュールなど頻繁にチェックしたいソフトは常に小さく表示させておき、残りのエリアにメインで利用するアプリケーションを割り当てるなど、柔軟な使い方ができる。
大画面を生かすもう1つの工夫が、解像度を素早く変更できる独自のキーボードショートカットだ。
フルHDで表示している場合、B10のドットピッチは0.18mmとやや小さめだが、解像度を下げることで、ドットピッチを大きくすることが可能だ。ショートカットキーを押すだけで、1920×1080ドットから1600×900ドット、1366×768ドット、1280×720ドットへと素早く変更できる。解像度を最小にした場合、ドットピッチは0.27mmと、ノートパソコンが搭載している液晶としてはかなりゆとりのある表示になる。ミーティングなどで相手に資料を見せたい場合にも、解像度を下げることで見やすくできる。あるいは、普段は高解像度で作業効率を優先しつつ、疲れを覚えたら解像度を下げて目をいたわる、などという使い方も便利だろう。
B10、S10はどちらも光学ドライブを内蔵するが、機構は大きく異なる。S10が搭載するのはふたが上にポップアップして開く「シェルドライブ」だ。小ささ、軽さ、そして頑丈さを同時に実現するための、レッツノート独自のメカニズムだ。
一方、B10はシェルドライブではなく、スライド式のドライブを採用している。側面ではなく前面についているのがポイントで、トレーを出すためにマウスなどをどかす必要がない。また、B10はレッツノートではじめてBlu-rayディスクを選択できるようになった(マイレッツ倶楽部など直販モデル限定)。大容量データのバックアップはもちろん、フルHD液晶とステレオスピーカーを生かして映画の鑑賞も可能だ。
外出が多い人にはやはりS10、N10の約15.5時間ものバッテリー駆動時間と軽さは魅力だろう。コンパクトで軽量なボディに、B10と同じ高性能CPUを搭載しているだけでも驚きだが、その上に長時間駆動まで実現しているのだ。高さ76cmからの落下試験、満員電車を想定した100kgf加圧振動試験の実施、さらにキーボード全面防滴など、安心して持ち歩ける頑丈設計もS10、N10の大きなメリット。社内でも外出先でもオールマイティに使えるバランスのとれたモデルだ。
B10、S10、N10いずれも直販サイトのマイレッツ倶楽部(個人向け)やSOHO PLAZA(小規模事業者向け)でカスタマイズが可能だ。CPUやハードディスク、SSD、メモリーなどのほか、天板のカラーも変更できる。直販モデルは保証期間が店頭モデルの1年よりも長い3年となるほか、プレミアムエディションは無償で紛失・盗難までカバーする。また、購入1~2年後に本体内部の清掃や動作確認など有償リフレッシュサービスを受けられる「レッツノートクリニック」も直販モデルだけの特典だ。プレミアムエディションは期間が1~3年後と1年長く、しかも無償で提供される。
法人向けには件名対応でさらに幅広いカスタマイズが用意されており、非接触ICカードリーダーや指紋センサーの搭載をはじめ、特にセキュリティ面で充実した選択肢がそろっている。法人モデルにはいずれも4年間の長期無償保証が付くほか、工場出荷時にエコノミーモード(80%充電でバッテリーを長寿命化する機能)に設定を固定することで「バッテリー3年保証サービス」を受けることもできる。保守費用を抑え、TCOの削減も可能だ。なお、B10には官公庁や自治体、教育機関、SOHO向けにスペックを制限して価格をさらに低く抑えたモデルも用意されている。ニーズに合わせて幅広いラインアップから選べるのも、レッツノートの大きなアドバンテージとなっているのだ。





