製品紹介

開発者インタビュー SX1「薄型化」の秘密とこだわりの新機能

従来比約30%減の薄型化を実現した、新レッツノート「SX1」。その背景には、開発設計人による地道なニーズ調査や、新たな挑戦にかける意気込みがあった。ここでは機構設計・外観デザイン、ソフトウェアの各開発担当者にSX1誕生に至るまでの秘話を訊く。
ついに「薄型化」のメスが入ったタフモバイル

Q.SX1を見てまず驚くのがスリムな外観。「薄さ」にこだわった理由は?
田中 開発にあたって、我々設計部門はつねにお客様のご要望をお訊きしているのですが、みなさん「何も変えてくれるな」とおっしゃる。「分厚いけど、だからこそ頑丈で安心」と納得される方が多いんです。一方で非ユーザーの方に訊くと「レッツノートはやっぱり厚いね」と。ならば、堅牢性を変えずに薄くしてやろうと。正直、「タフで軽量、高性能、長時間」を優先してきたこれまでは、薄型化にあまり力を入れてこなかった。ついにその時が来た、という感じですね。
西村 デザインのコンセプトは、“スタイリッシュレッツ”。堅牢性を確保しながらより薄くスリムに見せる工夫をしました。それは外見のカッコよさだけでなく、鞄へ収納性や出し入れのしやすさといった機能にもつながる「意味ある形」の追求です。突起物やふくらみなどをきれいに整理していくことで使いやすく、見た目もスタイリッシュになるというわけです。

Q.堅牢性はそのままに30%もスリム化。その手法とは?
田中 まずひとつは、天板のふくらみを薄くした「新ボンネット構造」にあります。従来はボンネットの山を高くすることで強度を確保していたのですが、SX1ではボンネットのリブを肉厚のアーチ状にすることで従来と同等の堅牢性を維持しています。精密な成形技術が必要となるため、意図した形状にマグネシウムをコントロールするまでにかなりの試行錯誤を繰り返しましたね。
西村 結果、S10で約3mmあったボンネットの凸部分が、SX1では1mmに。この1mmの中で形状をボンネットではなく、なだらかにぼかす方法もありました。でも「変えてくれるな」とおっしゃるお客様がいるように、やはりこのボンネットはレッツノートの堅牢性を象徴するもの。スリムに見せながらも、タフ感を強調しなければならない。そこでボンネットのラインの出し方や光沢を抑えたカラーリングにより、スリムで洗練した「ストライプボンネット」を表現しています。

田中 さらに、従来樹脂製であったトップケースもマグネシウムとすることで、薄型化と頑丈さを両立。マグネシウム成形の弱点である複雑な形状を排除するためにシェルドライブも新規開発し、トータルで約30%というスリム化を実現しました。
注目の新機能に加え、機動力とスタミナもUP!

Q.今回から、新機能「スマートフォン連携」が登場しました。
川森 お客様の動向を調査すると、外出先でレッツノート、電車の中ではスマートフォンとモバイル機器を使い分けて断続的に仕事をされている。そこでこの連携をサポートするツールとして、PMC(パナソニック モバイルコミュニケーションズ)と共同で「スマートアーチ」※というアプリを開発しました。これによりレッツノート内のファイルを無線LAN経由でスマホにコピーして参照したり、スマホからPCにログインしてオフィスドキュメントやメールを閲覧することができる。Bluetoothを使ってスリープ中のレッツノートをスマホから起動し、画面を操作できるので、満員電車の中でもタスクを途切れさせずに済むというわけです。なにより2つの機器間で直接通信するので、セキュリティ面でも安心です。


Q.バッテリーの強みを生かした「急速充電ポート」もありますね。
片桐 これもPMCと共同開発したもので、スマートフォン(対応機種はこちら)を急速充電できる専用USBポートを搭載しました。移動中の電源がないところでもバッテリーを確保でき、なおかつフル充電してもレッツノートの電池は約5%程度しか使用しません。
田中 今回から液晶サイズが16:9となったことで筐体がワイドになり、結果バッテリーが横に4本並ぶようになった。それに伴いヒンジ構造も変えたので、底面積は従来機種より小さくなっています。つまり軽量・コンパクト化を果たしつつ、スタミナも補強できたというわけです。
西村 また、このバッテリー部分にリブを付けたことで、グリップ性も向上しています。鞄への出し入れや外での持ち運び時に掴みやすさを実感していただけるはずです。
田中 さらにSX1では、大小2種類のアダプターとバッテリーがそれぞれ付属。1泊2日程度の出張ならバッテリーだけで十分持つのですが、お客様に訊くとやはりアダプターはないと不安という声が多かった。そこで今回からミニACアダプターを同梱したんです。
Q.誤入力を低減する「新リーフ型キーボード」とは?

西村 タイピング中は、基本的に左上から右下に向かったナナメの方向に指がよく動きます。そこでこの方向のキーの角を丸くすることで、指の引っかかりを軽減。さらにファンクションボタンの上部を反り上げることによって、押し間違いを防ぐ形状になっています。ほかにも文字も大きく見やすくしたり、トップケースのマグネシウム化によるたわみの解消などから、入力のしやすさは格段に向上しており、従来キーボードと比べると、誤入力率が約25%低減しています。
設計・デザイン・ソフトウェアを一から見直し

Q.液晶サイズの拡大やWebカメラを搭載しても、さらに薄型・コンパクト化を実現できた理由は?
田中 まずは先述したようにボンネットとトップケースの改良で外観を薄くしました。問題は薄くなった分、パーツの重なりが許されない内部構造をどうするか、です。今回はシェルドライブの新開発に加えてもうひとつ、ファンを新たに作り直しました。具体的には、羽の形状や角度を変えることで放熱ファンの厚みを減らしつつ、風量を約7%UP。さらに受熱板をアルミダイキャストに変更し、粒状の突起を付けて空気と接する表面積を拡大することで放熱効果を大幅に向上。排気口の幅も思い切って大きくしました。
西村 この排気口などは外観デザインにも大きく関わってくる部分。美しく見せるために開口部の幅はどうするかなど、設計者ともかなり議論しました。ほかにも、たとえば裏面にある必要な蓋のラインやビスの配置などを同一ラインに揃えることで、全体のスタイリッシュ感を高めていく必要がある。そのために、裏に入る要素を開発の初期段階から提示してもらい、仕上がりの外観までを緻密にレイアウトしています。我々はこれを「ハンサムフィニッシュ」と表現し、デザインの命題としています。
Q.高速起動や省電力に関わるアプリケーションの開発について
片桐 さっと取り出してすぐ使えるというのはモバイルPCの使命。高速起動ソフト「クイックブートマネージャー」をアップグレードすることで、S10の約12秒から、SX1では約9秒の起動を可能にしました。また搭載デバイスの電源をアプリケーションで制御するなど、省電力機能にもさらに磨きをかけた。こうしたことができるのも、ハードウェアから制御プログラムまですべてを内製している当社だからこそ。今回の「スマートフォン連携」にも同じことがいえます。チームと連携して完成度の高いアプリを開発できる環境が整っているため、積極的に独自機能を入れ込んでいけるところがレッツノートの強みだと自負しています。





