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ビジネスモバイル最強化計画

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ビジネスモバイル最強化計画

特集2020年11月11日公開

3年後のオフィスと働き方はどうなる?

戸田覚が語る「テレワーク社会の未来図と今企業が備えるべきこと」レッツ

コロナ禍を経て、もはや多くの企業で当たり前のものとして定着しつつあるテレワーク。今後、テレワーク社会がいっそう進展すると、企業のあり方や雇用にはどのような変化が起き、そこで働く社員にはどのようなスキルが求められるようになるのか? また、テレワークに必須となるモバイルノートパソコンを選択する上では、何を基準とすべきなのか? 自らも長年にわたりテレワークを実践しているビジネス書作家の戸田覚氏に聞いた。

テレワークに置き換え可能な職種は聖域なき「外注化」が加速する

 今、テレワークが企業に浸透してきていると言われますが、実際は世間でイメージされているほどではないと感じます。確かに、テレワークが可能な職種においてはものすごい割合で置き換えが進んでいます。しかし、会社に出社したり、現場で顧客と顔を合わせたりしなくてはならない仕事は当然、たくさんあります。

 例えば、住宅の営業パーソンは、1日に5回お客様と会うとして、そのうち2回くらいはテレビ会議で済ませられるかもしれませんが、やはり実際に会わないといけないことのほうが多い。工場での製造、モノを運ぶ物流、店舗での販売の仕事や、IT系でもサーバーのメンテナンスなどの仕事は、テレワークに置き換えようがありません。置き換えられる仕事は、世の中の仕事全体で見れば最大でも3割〜4割程度ではないでしょうか。

 となると、企業として最も重要になるのは、「テレワークに置き換えられない仕事をする人の雇用や感染対策をどうするか?」だと考えます。例えば「出社手当」を支給するなどして、「テレワークに置き換えられない仕事」をする人の給料のほうが高くならないと、不均衡が生じますから。特に中小企業では「テレワークができない」ということで人が集まらず、破綻につながりかねません。

テレワーク時代には企業の雇用のあり方に大きな変化が起こる。
テレワーク時代には企業の雇用のあり方に大きな変化が起こる。

 一方で、テレワークで置き換えが可能な仕事については、今後ますます「外注化」が進むと考えます。経理や労務、法務といった仕事をする人を自社で囲い込むのではなく、そうした業務を専門で請け負う会社に丸ごと外注する、ということですね。そもそもリモートで顔を合わせないのですから、自社の人に頼もうが、他社に外注しようが同じなのです。むしろ外注したほうがコストも下がるだろうし、業務量に応じた人員の増減にも柔軟に対応できます。

 テレワークが浸透するとなると、ついつい「オフィスがいらなくなる・スペースを減らせる」といった「場」の話になりがちですが、それよりも「この業務が社内にいらなくなる」といった、「働き方」のほうに目を向けたほうがいい。場合によっては営業だって、営業専門の「何でも売ります」みたいな会社に外注することになるかもしれません。「会社って何なの?」という定義自体が根本的に変わっていく可能性があります。

戸田 覚(とだ・さとる)
ビジネス書作家。株式会社アバンギャルド/株式会社戸田覚事務所 代表取締役。ブログ、著書累計150冊以上、連載25本。IT関連、パソコン、プレゼン、企画書、Webドキュメントなど、仕事に関する幅広い著書を持ち講演も多数。テレビ・ラジオにもレギュラー出演している。

結果で評価されるため「できる人・できない人」の二極化が否応なく進む

 一方で、企業で働く社員にとっては、テレワークが浸透すると、よりプロセスよりも結果で評価され、能力の差が明確につくようになります。今までだったら上司が同じ場所にいて働きぶりを見ていてくれて、たとえ結果が出なくても「アイツは頑張っているから」と評価される、みたいなことがあったでしょうが、テレワーク社会ではそうはいかない。実際に顔を合わせることがないのだから、「仕事はできないけれども上司に気に入られているから出世する」といったこともなくなります。純粋に「結果を出せたか、出せなかったか」だけで評価されるようになり、「できる人、できない人」の二極化が進むわけです。今、「テレワークで通勤もなく、自宅で快適に働けるようになった」などと喜んでいる人が多いようですが、この恐ろしさに気づいていないのでしょう。

 さらに言えば、早ければ5年先には、「世界中の人がライバルになる」時代がやってきます。リモートで仕事を頼むなら、どこにいる人に頼んでもいいわけですから。言葉の壁も自動翻訳システムの進化で専門的な話ならほぼ完璧に翻訳できるようになり、ベトナムの人に経理を頼む、フィリピンの人に設計を頼む、といったことが当たり前のように行われることになります。そうなると企業は時差を活かして24時間効率的に業務を進められるようにもなる。こうしたドラスティックな変革が起きることに気づかなくてはなりません。

世界中の人材を活用して業務が行えるようになる。その一方で、能力の評価はよりシビアに。
世界中の人材を活用して業務が行えるようになる。その一方で、能力の評価はよりシビアに。

 こうした中、企業は「結果を出せ」とは言いますが、「テレワークで結果を出す」方法を教育するノウハウは持ち合わせていません。ビジネスパーソンは、あくまで自分で自分を成長させるしかない。人より良い仕事をして「できる人」になるには、当たり前ですが人よりたくさん勉強する必要があります。「テレワークで通勤が不要になって空いた時間にサボテンを育てています」なんてやっている場合ではありません。空き時間ができるからこそ、その時間を使ってしっかり勉強して、自分のスキルを上げる努力をする。そうしないと、あっという間に「できない人」に転落してしまいます。

 テレワーク時代に絶対に重要性を増すものを、ここでひとつだけ言うと、それは「レスポンス」です。会社にいれば上司も、誰が何をしているか一目瞭然ですが、テレワークだとわからない。何か頼んだり連絡したりしても、2時間も3時間も返事が来ない、となるとイライラするわけです。周りにいる人に「アイツはどこで何をしているんだ」とも訊けないですしね。そういうことが何度も続けば、間違いなく「できない人」のレッテルを貼られます。レスポンスはとにかく速く、できれば訊かれる前にこちらから自分の今の状況を知らせておくなど、「常に先回りして相手を慮る」ことを心掛けるべきです。

これから起こる、企業の雇用と社員の働き方の大きな変化を話す戸田氏。
これから起こる、企業の雇用と社員の働き方の大きな変化を話す戸田氏。

※記事は執筆時の情報に基づいており、現状と異なる場合があります

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