特集

2022年版モバイルノートパソコンの選び方
ハイブリッドワーク時代にWindows 11をフル活用せよ!
新年度を迎え、新入学や新卒、人事異動などで環境が大きく変わる人が増える時期である。環境が変わったタイミングで、パソコンを新調したいと考える人もいるだろう。毎日使うパソコンが新品になると気分も一新され、新鮮な気持ちになって改めてやる気が湧いてくるものだ。元日経クロステック編集の根本浩之がレポートする。
2022年は本格的なWindows 11時代の幕開け
今パソコンを買うとしたら、Windows 11をプリインストールしたパソコン(以下Windows 11搭載パソコン)が真っ先に検討の候補として挙がるだろう。Windows 11は2021年10月5日に正式リリースされたばかりで、2015年7月にWindows 10が登場してから実に6年ぶりに登場した最新Windowsである。
Windows 11の正式リリースに合わせて、各パソコンメーカーからWindows 11搭載パソコンが続々と登場している。従来のWindows 10をプリインストールしたパソコンもまだ併売されているものの、Windows 10のサポートが3年半後の2025年10月14日までとマイクロソフトが発表していることもあり、今後はWindows 11搭載パソコンが主流となっていくことは間違いない。
もちろんWindows10搭載パソコンを購入しても、Windows11のシステム要件を満たしていれば無料でアップグレードが可能となる。だが、OSのアップデートはデータやアプリケーションの引き継ぎなどで何かとトラブルが発生する恐れがあるセンシティブな作業だ。危険を避ける意味でも、これからパソコンを購入するならば、まずはWindows 11搭載パソコンで検討すべきだろう。

タスクビューで仕事とプライベートを使い分ける
Windows 10が登場してからの6年の間に社会の状況は大きく変わった。中でも大きかったのが新型コロナの出現だ。リモートワーク(テレワーク)が当たり前の時代になったし、パソコンを家の中で持ち運んで使う「宅内モバイル」をする人も増えている。新型コロナ後に登場したWindows 11は、こうした今どきの使い方を想定した便利な機能がいろいろと装備されている。順に紹介していこう。
例えば、家でリモートワークをする際に便利なのが「タスクビュー」機能だ。タスクビューは仮想デスクトップとも呼ばれており、パソコンの操作画面であるデスクトップを切り替えることで、あたかも複数のパソコンを使っているかのように扱える機能である。このタスクビューを使えば、1台のパソコンで仕事の環境とプライベートの環境を簡単に切り替えられる。

Windows 11のタスクバーメニューにある「タスクビュー」アイコンを押して「新しいデスクトップ」を選ぶと、仮想デスクトップを追加できる。一つのデスクトップを仕事用として仕事で使うアプリを起動させておき、もう一つのデスクトップにはゲームや家族の写真などプライベートで使うアプリを起動しておく。それらのデスクトップを切り替えることで、いちいち再起動などの面倒な手間をかけなくても、仕事用の画面とプライベート用の画面を簡単に使い分けられるのだ。
タスクビューの機能はWindows 10にも存在していたが、Windows 11ではそれぞれのデスクトップで異なる背景を設定できるようになっている。同じ背景のWindows 10ではどれがどのデスクトップかわかりづらく、目指したデスクトップにきちんと切り替えられたのかも判別しづらい。Windows 11ではそれぞれ異なる背景を指定しておけるので、どのデスクトップなのか一目瞭然となり格段に便利になった。
モバイルでの利用に合わせてタッチ操作が進化
Windows 11はパソコンをモバイルで持ち歩いて使うことを想定した進化をしている。その一つが、画面のタッチ操作がしやすくなった点だ。Windows 10にあったタブレットモードを廃止し、その代わりに標準のユーザーインターフェースのままでタッチ操作がしやすいように最適化されている。
これにより、スクロールバーやボタンが操作しやすくなっているが、特に便利なのが3本指や4本指で画面を同時に触わって操作する「マルチタッチ」によるジェスチャーで前述したタスクビューの操作ができる点だろう。3本指または4本指で画面をタッチして上にスワイプするとタスクビューの操作画面が表示され、そこからタッチで選んでデスクトップを切り替えられる。さらに4本指でタッチしたまま左右にスワイプすると、ほかのデスクトップに直接切り替えることも可能だ。
用途に応じて簡単に切り替えられるタスクビュー機能だが、デスクトップの切り替えにもたつくようでは効果が半減する。より直感的で素早く操作できる3本指または4本指のジェスチャーで操作できるメリットは大きいだろう。


