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300人アンケート調査で見えた業務用パソコンの「不満と理想」
ひとり情報システム担当者が安心できる業務用パソコンの選び方
コロナ禍を経てテレワークが急速に拡大し、人々のワークスタイルも大きく変わった。コミュニケーションや業務のハブとなるパソコンの役割もさらに重要になったと言えるのではないだろうか。一方で中小企業の情報システム担当(以下、ひとり情シス)がこれまで社員に支給してきた業務用パソコンについて「満足してもらえるパソコンが提供できているのか」「社員はどういった業務用パソコンを望んでいるのか」「故障や機器トラブル発生の問い合わせ業務に対応できるのか」といった悩みをお持ちではないだろうか?今回のアンケートでは経営者・研究開発部門・営業部門・情報システム部門など315人を対象に、「業務用パソコンに求めるもの」「パソコンの管理・運用で困っていること」を訊いた。そこから見えてくる最適解とは。
ユーザー部門の約5割が業務用パソコンに不満
アンケート結果では、ユーザー部門の利用者のうち、約5割が「不満がある」と回答していることがわかった。主な理由としては「処理性能全般の不足」、「持ち運びにくい重さ」などといったフリー回答が多かった。「次の業務用パソコンに求めるスペックとは」という問いに対しても、1位が「性能」、2位が「モバイル性・持ち運びやすさ」という結果が出ており、利用者は「性能面」と「持ち運びやすさ」を特に重視していることがわかる。そのため、パソコンを社員に調達する部門としては、「性能面」と「モバイル性」を兼ね備えたパソコンを選定するように心がけるとよいといえるだろう。


またアンケート結果によると、テレワークでのパソコンの管理・運用に関して約26%の方が「困りごとがある」と回答していることがわかった。フリー回答からその具体的な内容を見ていくと、「セキュリティ対応」「ネットワーク設定」「持ち運びの不便さ」などが多く見られた。特に、中小企業の情報システム担当者だと1人でパソコン関連環境の整備、総務の仕事などいわゆる「何でも屋さん」のような業務をされている方がいる。このような「ひとり情シス」の方に対し、利用者からのパソコンの不具合に関する問合せが頻発したり、情報不足によりパソコンの設定に困ったり、と本来やるべき業務の手が回らなくなるといったことが懸念される。

アンケートから見えてくる「理想の業務用パソコン」とは?
実際に業務用パソコンを業務で利用しているユーザー部門と業務パソコンを全社の従業員に提供しているIT機器調達部門とでは、どうやら業務用パソコンに求める要件がやや異なる。
ユーザー部門(回答:137名)の社員が業務用パソコンに望むのは主に「処理性能の高さ」と「持ち運びやすさ」の2点だ。加えて、テレワーク環境により「Web会議の性能」「液晶のサイズ」が重視されていることにも注目したい。
一方でIT導入時の機種選定部門・サポート部門(回答:95名)に限ってみると、「トータルコスト」に続き「堅牢性、故障が少ない」を求めている声が多い。やはりIT機器調達部門としては、パソコンの停止による社員の業務停止を最小限にし、管理部門の負荷も軽減させたいと考えている傾向があるようだ。トータルコストに関して言えば、運用期間中にどれだけ充実したサポートが得られるかもポイントになるだろう。


テレワークではより大きな画面へのニーズが高い
特に、画面サイズは16インチ以上を望む声が圧倒的という結果となった。なお、アンケートの設問が「11インチ未満」から「16インチ以上」という範囲での設問となっていることはご留意いただきたい。このアンケートから画面サイズはなるべく大きいほうが良いと感じている社員が多いと読み取れる。画面サイズを大きくすることにより、画面に表示できる情報量が増え、業務の生産性向上につながるというメリットが存在する。なお、サイズが大きくなると「持ち運びやすさ」に支障が出る可能性があるため、社員の働き方に合わせて検討が必要だろう。
