製品紹介

タフブックの処理性能が大幅アップ
「水没デモ」まで出た発表会をレポート

2010年9月2日、タフブック新モデルの発表会が都内で行われた。注目はフルモデルチェンジしたCF-31。CPUが最新世代へ移行し大幅な性能アップを果たしたことに加え、防塵性能が国際基準で最高ランクに達した。起動中のタフブックを水没させるデモまで行われた発表会の模様をレポートする。
水没しても動き続ける独自開発のファン


ITプロダクツビジネスユニット
市場開発グループ グループマネージャー
島田伊三男氏
タフブックの新製品発表会が都内で催された。新しいフラッグシップモデルとなる13.1型液晶のCF-31、コンバーチブルモデルの10.4型CF-19の2台だ。いずれもインテルの最新プラットフォームへ移行し、インテル® Core™ vPro™プロセッサーを搭載するなど性能を向上させたほか、堅牢性もIP54準拠からIP65準拠へと進化している。
初代タフブックCF-25が発売されたのは1996年。以来、過酷な現場でも安心して使える「フィールドモバイル」という新しい分野を開拓し、リードしてきた。堅牢パソコン全体のシェアを見ると、2002年から8年連続で、タフブックが世界1位の座を守り続けている※。2009年にそのシェアは約63%まで高まり、過去最高を記録した※。世界150カ国以上で導入され、自動車メーカーの性能試験やフィールドメンテナンスなど、現場の第一線で広く活躍している。

これまでタフブックが追求してきたのは、主に7つの特長だった。すなわち、堅牢性、軽量、長時間電池駆動、屋外視認性、セキュリティ、放熱、そしてワイヤレスだ。フルモデルチェンジされたCF-31では、新たに高性能という強みが加わった。

CF-31の先代モデルであるCF-30までは、防塵・防滴性能を確保するため、ファンレス構造を取っていた。そのため熱を筐体の外に逃がしにくく、発熱量の大きいCPUは搭載することができなかった。それを変えるブレークスルーとなったのが、新たに開発された防塵・防滴ファンだ。
この新開発ファンは、ファンの心臓部であるモーターに水やチリが侵入しないよう、ファンの中心部に向かう構造が迷路状になった空気溜めとなっている。さらに、迷路の先には防水リングを設置し、浸水した場合でもモーターの手前でブロックされるようになっている。発表会ではファンを動作させたまま長時間水につけるデモが行われたが、ファンは水の中でも回り続けていた。また、ファンに砂をかけるデモがビデオで流されたが、ファンに砂が積もっても、動作が止まることはなかった。

新世代CPUで大幅な性能アップを果たす

ITプロダクツビジネスユニット
テクノロジーセンター プロジェクトリーダー
亀岡信夫氏
放熱性が確保されたことで、CPUは一気にグレードアップ。標準電圧版 インテル® Core™ i5-520M vPro™ プロセッサー 2.40GHzが搭載された。2つのコアで4つのスレッドを同時に処理できる、インテル® ハイパー・スレッディング・テクノロジーに対応しており、CADや映像処理ソフトなど、マルチスレッドに対応したアプリケーションでは特に大きな性能を発揮する。さらに、インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー利用時には最大2.93GHzまで自動的にクロックアップされる。マルチスレッドに対応していないアプリケーションでも、大幅な速度の向上が見込めるのだ。このCPUは堅牢パソコンだけでなく、一般的なモバイルパソコンと比較しても、かなり高性能な部類に入る。さらに、インテル® vPro™ テクノロジーに対応したことで、遠隔地からハードディスクを消去できるインテル® アンチセフト・テクノロジーをはじめ、セキュリティの大幅な向上が可能になった。
ところで、ファンが水に濡れた場合、それがボディ内部に浸入することないのか。この課題はファンを隔離し、マザーボードやハードディスクなど電気回路が含まれる部分を密閉することでクリアしている。熱の発生源であるCPUは熱伝導性に優れたヒートパイプでファンと接続されており、このヒートパイプだけが密閉空間の外へ出て、ファンと接続し、熱を逃がしているのだ。加えて、4つのUSBポートをはじめとした端子類を守るふたも、繰り返し開け閉めしても高い密着性が保たれるよう改良されている。こうした密閉性の高さを示すデモとして、発表会ではタフブックを浸水させるというデモまで行われた。


細かい塵も勢いのある水流も徹底的にブロック
向上したのは処理能力だけではない。頑丈性能もIP54準拠からIP65準拠へと、一段階進化している。

国際電気標準会議による防塵・防滴性能の世界基準では、防塵性(異物侵入保護)が6段階、防滴性(防水保護)が8段階の等級に分かれている。CF-31は防塵性能が最高ランクの6に達し、「有害な影響が発生するほどの粉じんが侵入しない」という「防塵」から、「粉じんが侵入しない」という「耐塵」へ昇格した。試験は、粉じんが侵入しやすいよう、あえてCF-31内部の気圧を下げ、8時間にわたって粉じんを吹き付けるという過酷なものだ。ここで全く粉じんが侵入しないことが、最高ランク6の条件になっている。
一方、防滴性能については、ランク4の「防まつ型」からランク5の「防噴型」へと進化した。ややわかりにくいかもしれないが、あらゆる方向からの「飛まつ」に耐えるのが防まつ型、あらゆる方向からの「噴水」に耐えるのが防噴型だ。つまり、より勢いと量のある水に耐えられるようになったのだ。

防塵・防滴性能に加え、落下試験についても、高さが90cmから120cmへ引き上げられた。これはハードディスクを緩衝材で包み、その上からマグネシウム合金でパッケージングする構造に改良が加えられたことも一因だ。加えて、先代CF-30と比較し、軽量化されたことも大きく貢献している。ここには、レッツノートの開発経験で蓄積された、堅牢性を保ちながら軽量化を図るノウハウが生かされているという。キャビンの肉厚を薄くしたり、穴を空けたりすることで、約80gの軽量化を実現している。



新開発液晶は夜間の張り込み捜査にも有利
性能と堅牢性のほかにも、CF-31には多数の改良点がある。まず液晶が新開発のLEDバックライトに変更され、最高輝度が従来よりさらに明るい約1100cd/m²になった。これにより、屋外での視認性がいっそう向上している。加えて、最低輝度も約2cd/m²まで絞り込めるようになった。暗い船室で作業する現場などで求められていた機能だという。米国の警察でも、パトカーで深夜に張り込みをする際、犯人に見つかりにくいと評価されているという。

ワイヤレスも進化した。パナソニック独自開発の高感度アンテナを内蔵したことに加え、ドコモのFOMA通信網を利用するモバイル通信のワイヤレスWANと、周辺機器を無線接続するBluetoothの2つを標準搭載とした。もちろん、IEEE802.11n対応の無線LANも従来通り内蔵する。
端子類では、薄型テレビのほか、液晶モニターでも採用が進んでいるHDMI端子が追加されたほか、USBポートも従来の3つから4つへ増えた。数々の改良が加えられたが、バッテリー駆動時間は約12時間を達成している。
一方、CF-19はファンレス構造を維持しながらCPUを新世代の超低電圧版 インテル® Core™ i5-540UM vPro™ プロセッサー 1.20GHzを搭載。CF-31が搭載するCPUと同じく、2コア、4スレッドのインテル® ハイパー・スレッディング・テクノロジーに対応。さらに、インテル® ターボ・ブースト・テクノロジーで最大2.00GHzまで自動的にクロックアップされる。インテル vPro™ テクノロジーによるセキュリティの向上も可能だ。
防塵・防滴性能についても、CF-31と同様、IP54準拠からIP65準拠へと、1段階レベルが上がっている。さらに、Bluetoothの標準搭載も行われた。ワイヤレスWAN搭載モデルもラインアップされている。

新しいタフブックの発売日はCF-31が2010年11月18日、CF-19は同9月3日発売だ。フィールドモバイルの新時代が幕を開ける。





