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ビジネスモバイル最強化計画

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特集2015年11月26日公開

オピニオンリーダーに訊く!

サプライチェーン強化に、複合機能を持つ頑丈タブレットが貢献タフ

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企業活動のグローバル化が進む中、原材料や部品の調達から、製造、在庫管理、販売、配送に至るまでのサプライチェーンをいかに築き上げるかは、企業にとって大きなテーマだ。それでは現状、サプライチェーン強化にはどのような課題があるのか。また、その課題解決のためにタブレットなどのIT機器はどのように役立つだろうか。頑丈タブレット「タフパッド」のインプレッションとあわせて、製造業および小売業のサプライチェーン構築に詳しい未来調達研究所取締役の坂口孝則氏が語る。

製造業・小売業におけるサプライチェーン構築の課題とは?

坂口氏
未来調達研究所株式会社 取締役
調達・購買業務コンサルタント
坂口 孝則(さかぐち・たかのり) 氏

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。現在、コスト削減、原価、仕入れの専門家として複数の大手企業のコンサルティングを手掛けるほか、講演・執筆も精力的に行う。調達・購買担当者同士の情報交換の場「購買ネットワーク会」発起人でもある。『調達力・購買の基礎を身につける本』(日刊工業新聞社)、『大震災のとき! 企業の調達・購買部門はこう動いた』(同)など、著書は20冊以上に及ぶ。テレビ・ラジオ出演も多数。

 サプライチェーンについて、製造業および小売業が直面している課題は、それぞれ2つずつ挙げられます。まず製造業において、1つめは、国内生産量が縮小する中で少量多品種生産を超えた微量超多品種生産が進み、その結果としてサプライチェーンのプレイヤーを絞らなくてはならなくなっていることです。もう1つは、製品生産ラインの切り替えが早すぎて、国内の生産コストが圧倒的に高くなっていること。高機能製品ほど値下がりが早いことから、メーカーは次々と新しい製品を生み出さなくてはならず、それが生産コスト上昇を招いているわけです。

 小売業においては1つめに、「運ぶ人がいない」ことが大きな課題になっています。より効率的な物流を志向していかなくてはならないにも関わらず、配送業者が減っているためそれを実現できない。ではなぜ配送業に人が流入してこないかというと、端的に言えば「儲からないから」で、それが2つめの課題です。現在、ネット通販などが盛んになっていることで、一見、国内の総貨物量は増えているように見えますが、実は20年前は年間68億トン程度あったものが、今や47億トン程度へと、約2/3にまで激減しているのです。ネット通販などの小口配送は増えていても大口配送は減少し、結果として手間はかかるが儲けの少ない小口配送ばかりになり、それが配送業者の減少にもつながっているわけです。

インダストリー4.0がサプライチェーンに及ぼす影響

 こうした課題がある一方で、最近、工場のスマート化や製造業全体のプロセス革新を図る「インダストリー4.0」が話題になっています インダストリー4.0について、私は「物質の情報化」であると考えています。これまで部品は単なるモノでしたが、今後は、いつどこで作られて、どこへ向かうかという「情報を持ったモノ」になる。その結果、製造業の本質は「情報処理業」になるでしょう。部品1つ1つにID番号がふられ、それらが工場でハーモナイズされるというのはまさに情報処理と変わらないわけです。

 このインダストリー4.0は、当然、サプライチェーンに大きな影響を及ぼします。サプライチェーンの理想像は、簡単に言えば、コンビニでシャンプーを1つ取った人がいたら、その情報が工場に落ちてきて、製品が造られるというものです。インダストリー4.0によって高度にスマート化された工場と、サプライチェーンマネジメントのシステムが一気通貫でつながれば、需要予測ももっときめ細かくできるようになるでしょうし、生産の変動をよりリアルタイムに反映できるようにもなるはずです。

ITによる工場のスマート化が中小企業の生き残りの道を広げる

 そのようなITを用いた工場のスマート化による現場改善・サプライチェーンの強化には、まだまだ様々なことが考えられます。例えば、製品に異常が発生した際の原因把握です。これだけサプライチェーンが発達したといわれていても、いまだに製品がクラッシュした際に、使われている部品がいつどこでラインに投入されたものであるか把握できていません。その点、1つひとつの部品がID情報を持つことによりそれが直ちに判明するようになれば、サプライチェーンの透明度が上がるのみならず、そのメーカーのブランドイメージも圧倒的に上がることになるでしょう。

 また、サプライチェーンを円滑に回す上では、生産設備にトラブルが起きる前に保守部品をスムーズに入手し、ラインを止めないことも大きな課題になります。例えば「この金型は20万ショットが限界だがすでに18万ショットまできた」といったことがわかるだけでも、保守がかなり楽になります。米国ではすでに、設備に音を察知するセンサーを付け、「モーターやギアの音がおかしい」といった情報を吸い上げてネットワークにつなぎ、早めに交換を行う、といった取り組みが行われています。

坂口氏
ITによるサプライチェーン強化のアプローチを語る坂口氏。

 工場などの稼働状況がリアルタイムに把握できることは、とりわけ中小企業にとって大きな福音となります。私は家電メーカーと自動車メーカーで調達・購買を担当した経験がありますが、例えば「明日までに600個のプレスを行わなくてはならないのに、引き受けてくれる工場が見つからない」といったことはよく起こりがちです。中小企業は自社Webサイトすら持っていないところが多く、情報発信力がないので、探そうとしてもなかなか発見できないのです。そんな時も、例えば飲食業界において「ぐるなび」で空いている店を見つけられるように、中小企業の工場の稼働状況のリアルタイム情報を吸い上げて集約するシステムを実現し、空いているところに発注できるようになれば、サプライチェーンをより円滑に回すことが可能になります。中小企業の生き残る道を広げることにもつながるでしょう。

※記事は執筆時の情報に基づいており、現状と異なる場合があります

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