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「リテールテックJAPAN 2017」レポート
タフパッドを用いた先進ソリューションが一堂に

パナソニックは、2017年3月7日から3月10日にかけて東京ビッグサイトで開催された流通・小売業向けのIT機器・サービスの展示会「リテールテックJAPAN 2017」に出展。なかでも注目度が高かったのが、国際基準のセキュリティ要件に対応したPOS接続マルチ決済端末「JT-R600CRシリーズ」だ。さらに頑丈タブレット「タフパッド」の先進導入事例の紹介や、パートナー企業によるタフパッド活用ソリューション展示も行われ、ブースは常に大盛況だった。
法改正を背景に決済端末のセキュリティに対する意識が向上
「リテールテックJAPAN 2017」のパナソニックブースでは、頑丈タブレット/PC「タフパッド/タフブック」をはじめ、POSターミナル、ハンディターミナル、クレジット/電子マネーの決済端末など、幅広い製品・ソリューションが展示された。
注目は、この2月に発売されたPOS接続型マルチ決済端末「JT-R600CRシリーズ」だ。この端末は、国際カードブランド5社が共同で設立した団体「PCI SSC」が定める国際標準のセキュリティ要件に対応したもの。これを用いることで、カード情報を読み取ってから決済情報処理センターに届くまで、カード情報を一気通貫で暗号化された状態で処理できる。加盟店はカード情報をPOS端末上に残すことなく、決済ネットワークへ送信することで、情報漏えいリスクの最小化を図れるのだ。

国内では2016年12月に、「割賦販売法の一部を改正する法律」が公布。販売業者に対し、クレジットカード番号などの適切な管理および、クレジット決済端末のIC化などの不正利用の防止を義務づけるなど、安全・安心なクレジット利用環境の整備に向け、所要の措置が2018年にも講じられることになっている。「JT-R600CRシリーズ」は、こうした背景を踏まえて開発されたものだ。
パナソニックの説明員も、「来場者の方々からは“クレジットカードのIC化”と“カード情報の安全な処理”の両方の課題に対応できる、と高く評価していただけています。当社がこれまでさまざまなモバイル決済端末やPOS端末を手掛ける中で培ってきた技術の結晶といえる製品。これにより新たなPOS市場を切り開いていきたい」と力を込めていた。


大手ドラッグストアチェーンでのタフパッドの先進導入事例を紹介
ブースでは、日本全国に約1300店舗を展開するドラッグストア大手、株式会社ココカラファインの事例も大きく紹介。小売店舗では、発注システムや棚札システム、POSシステムなど業務作業ごとに異なるシステムが並行して稼働。そのため入力用の端末と確認用のパソコンの併用が必須となり、売り場とバックヤードを往復しなくてはならず作業効率が悪くなっていた。また、運用端末についても、各拠点ごとに異なるハンディターミナルや業務用PDA、POSレジ、パソコンなどを併用しており、使い勝手が統一されていないなどの課題があった。

そこでココカラファインでは、1台の端末によってあらゆる店舗業務を売り場で完結できるようにする新システムを導入。その端末として頑丈ハンドヘルド「タフパッドFZ-N1」を導入した。選択のポイントは、落下などにも耐える頑丈性能に加え、高い位置などでも無理なく読み込める斜め配置のバーコードリーダーにあったという。また、長期にわたる活用を想定することから、パナソニックのきめ細かい保証・サポート体制も大きな決め手となった。
現在ココカラファインでは、全店で数千台規模の「FZ-N1」を在庫管理や発注などの業務にフル活用している。発注確認のために売り場とバックヤードを往復する必要がなくなり、作業導線が整理されたことで、在庫管理・発注業務にかかる時間を1店舗1日あたり平均20分程度短縮。欠品率も10%ほど改善したという。作業時間の短縮は、店員がバックヤードで過ごす時間を短くし、その分、接客を充実させることにもつながっている。

ブースでは、立ち止まって、時折大きく頷きながら事例ビデオを見る人が続出。そのままタッチ&トライのコーナーに足を運び、「FZ-N1」の軽さや操作性を確認する人の姿も目立った。説明員は「事例ビデオを観て活用イメージが膨らんだ、とおっしゃっていた方がたくさんいた」と強調。さらに「ここ最近、流通業界のトレンドとして、商品管理や発注といった業務だけでなく、店舗での接客業務にも情報端末を使いたいというニーズが増加。それに伴い、単なるハンディターミナルからタブレットへの入れ替えが進みつつある。中でも『FZ-N1』は、頑丈ながら軽量で女性にも扱いやすいと好評です」と手応えを語っていた。
