
藤田:御社は日経パソコン「パソコン満足度ランキング」デスクトップ部門総合満足度で、昨年3位、本年2位と安定した評価を得ています。その背景には、何があるとお考えですか。
小松:当社の原点は、創業者の高島勇二がパソコンの販売をしていた頃、本当に売りたいと思えるパソコンがなかったから自分たちで作ることにした、というものです。人とパソコンの架け橋になりたいという思いから、その接点にある「マウス」を社名にし、BTOのビジネスを始めました。お客様が必要な機能だけを選び、不要な機能は省くことで価格を抑えるという一貫した考え方が支持されてきたと思います。
藤田:今、マウスコンピューターの強みとは何でしょう。
小松:価格性能です。そして、新しい技術を搭載した製品を、リーズナブルな価格でいち早く市場に投入することです。近年は技術革新のサイクルが速く、大手メーカーではすぐに対応できないケースがあります。
藤田:最新技術にすぐに対応できるのは、なぜですか。
小松:社内での意思決定の速さと、マイクロソフトやインテルさんなどパートナーとの連携の深さです。当社では、現場の責任者に権限を与えて、彼らの判断で動きます。パートナーとの交流も、現場レベルに任せています。

藤田:製造をすべて国内で行っている理由は?
小松:一番大きいのはスピードです。国内で設計、製造、配送まで行うからこそ素早くお客様に製品をお届けできる。組み立ても、日本の熟練した作業者が行うから速い。
藤田:「日本品質」をうたっていますが、具体的にはどういうことでしょうか。
小松:3年前に「製品・営業・機能・応対・修理」の5項目について、日本のお客様に満足いただける品質を「日本品質」と定め、その向上に取り組んでいます。製品に関しては、製造工程で何重にも検査すること、作業者自身が判断することを徹底しています。日本で作る以上、1から10までマニュアル化するのではなく、マニュアルはベーシックなところに抑えて、人に任せたほうがうまくいきます。また、誰でも気がついた人が異常報告をあげるというルールがあります。工場だけでなく、営業やサポート担当など、機能や仕様に「違和感」を感じ、お客様に不都合が生じると判断した場合、気がついた人が即座に報告をあげる。報告を受けたら、すぐに調査・解析をし、工場にフィードバックを行います。
藤田:購入後のサポートや修理対応はどうでしょうか。
小松:サポートに関しては、沖縄にコールセンターを設けていますが、評価の指標として、つながりやすさだけでなく、「解決率」「サンキュー率(満足度)」を重視しています。また、修理については春日部のリペアセンターで一括して行っていますが、再発しないよう確実に修理すること、できるだけ速くお返しすることを目指しています。

藤田:3年前に法人向けブランド「MousePro」を立ち上げました。現況はいかがですか。
小松:現在、法人のお客様が購入されるパソコンの5割弱が「MousePro」ブランドになっています。法人のお客様は、まず壊れずに安心して使えて、壊れた時もサポートが充実していることを求められます。当社がそれに応えられるというイメージが、だいぶ浸透してきました。面白いのは、NVIDIAのQuadroシリーズをはじめとする高性能グラフィックボードを搭載したハイエンドマシンが人気だという点です。CADやイメージ編集など、エンジニアやデザイナーのお客様が多いんですね。
藤田:なるほど、一昔前のワークステーション市場ですね。法人向けの新しい施策はありますか。
小松:法人個人ともに、期間限定の「下取りキャンペーン」を始めました。当社の製品を購入される場合、他社製を含め古いパソコンを一定額で買い取っています。さらに、データ移行用ソフトの無料添付キャンペーンも行っています。
藤田:どちらも中小企業にはうれしいサービスですね。最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
小松:マウスコンピューターは創業時から、お客様一人ひとりに最適な製品をお届けしてきました。Webサイト、通販コールセンター、量販店などのパートナー、ダイレクトショップなど様々なチャネルを用意していますので、いつでもご相談いただければと思います。
| ■インタビュー後記 |
| こだわり続けることの大切さを実感 |
| 「継続は力なり」。本インタビューを終えて最初に頭に浮かんだ言葉である。PC市場は年を追うごとに、ユーザーのすそ野が広がり、市場が成熟。その動きに合わせて、安価で平凡なPCが大量に売れるようになり、多くのメーカーがシェア獲得による数と効率の勝負を目指し始めた。対して、マウスコンピューターが創業時からこだわり続けたのは「最新で最速の部品をどこよりも早く採用する」こと。国内生産にしたのも、このスピード感を実現するためだという。「先進ユーザーのニーズを満たす国内の代表的PCメーカー」。20年前に創業したベンチャーは、そう呼ばれるのにふさわしい企業へと成長した。(藤田) |