
多文化環境で、学生はたくましく育つ。
語学力はもちろんのこと、就職先からは、
「クレーム電話でも喜んでとる」
「ストレス耐性が高い」
「環境変化にすぐ適応する」
「海外出張・赴任に対して積極的」
と好意的な意見が挙がっている。
「海外出張・赴任も、アメリカなどの先進国だけでなく、アジアやアフリカ方面であっても、まっさきに手を挙げる」。こうした「バイタリティやタフネス」は、APUの卒業生が持つ特徴だ。また、授業でディスカッションやプレゼンをよく行うため、「表現力、コミュニケーション力」が豊かな学生が多い。「活発で積極的」な卒業生たちは、メーカーや金融関係の大企業に次々と就職していく。世界で活躍している卒業生はすでにたくさんいる。彼らの経験を聞くことは、在校生にとっても財産になるだろう。
まるで「国連総会」のような環境で勉強し、生活するAPUの学生たちは、
バイタリティやタフネス、豊かな表現力、コミュニケーション力、語学力を身につけて社会に羽ばたく。
今村さんは言う。「最初にも申し上げたように、大学自体がベンチャーっぽいんですよね。不可能を可能にしてきたこの学校自体に起業家精神があふれている。そのDNAが卒業生に刻まれていると思います。だからこそ、これからはグローバルな起業家、チェンジメーカーが育っていって欲しいと考えています。ハーバードやスタンフォードでは優秀な生徒は就職せず、起業するといいます。APUでも将来そういった卒業生がたくさん出て欲しいですね」。
今、APUでは、教育研究の国際的な質保証、質向上に取り組んでいる。その一例として、APUの国際経営学部・経営管理研究科(MBA)では、AACSB*という、国際認証取得に取り組んでいる。AACSBを保有するビジネス系学部研究科は世界の約4%である。取得できれば、国際認証を持った日本初の英語のビジネススクールとなる。それにより、アジア太平洋に根差した日本のMBAが誕生するのだ。
*AACSB the Association to Advance Collegiate Schools of Businessの略称
また、多文化という環境から生まれるコンテンツはさらに発展していくだろう。2015年4月にはムスリム文化地域研究センター(仮称)が開設される予定である。今後は研究の面でも大学としての力を注いでいくというAPUの姿勢が表れている。
多文化の共生は、大学内のみならず、別府の市内にも広がっている。いま、APUを中心に別府が国際都市化しているのだ。APUの卒業生は世界中に飛び立っていっても、別府を「ホームタウン」と呼び、心でつながっている。別府が気に入り、地元に残る学生もいる。その進路は、就職や起業、NGOなどさまざまだ。グローバルとローカルがつながる新しい地方都市の在り方が、つくられつつある。
2015年3月13日の学位授与式(卒業式)で行われた恒例の「帽子投げ」。
学部・研究科合わせて688 名が卒業/修了し、日本中に、世界中に飛び立っていった。
「私は、『大学だからできる』ではなく、大学なのにそこまでやるのか、という領域に踏み込むべきだと考えています。その1つが地域創生です。大学が、地域を発展させる原動力になる。これまでの地域連携のレベルを超えたことをやっていく。大学の役割は、自ら限定するものではないと思います。APUがどこまで社会に変化を起こすことができるのか、示していきたいんです」(今村さん)
このようにして、日本発のグローバル大学APUはできあがった。
APUはこれまでに1万人以上の卒業生を輩出し学生の出身国は134ヵ国。2014年秋には、75ヵ国の学生がキャンパスを闊歩する。教員の外国人比率は50%になった。
さてここまで話を聞くと、APUでは世界各国から集まった学生にどう勉強を教え、国際人となるための訓練を施しているのか、ということが具体的に知りたくなる。次項では、APUの国際教育に携わる近藤教授に話を聞きながら、APUのユニークな教育システムの内実を明かしていく。
