サイバーエージェントグループの一員として、結婚情報提供サービスを展開するウエディングパーク。2004年に日本で初めて結婚式場のクチコミサイトをリリースし、現在も結婚準備クチコミ情報サイト「ウエディングパーク」などを運営する。
同社にとってセキュリティーの優先度は非常に高い。コロナ禍で利用が拡大したテレワークのセキュリティー確保と社内ネットワークの廃止を見据え、かねてゼロトラスト化の検討・対応を進めてきた。
「そんな中、2021年2月にSalesforceにおけるMFA(多要素認証)対応の義務化が発表されました。社内の影響範囲を調べたところ、既にSalesforceを利用していた営業部門のほか、勤怠管理の領域でも利用予定であることが分かり、都合、全社員のMFA対応が必須になることが判明したのです」とウエディングパークの西 朗氏は振り返る。
それまで同社は、業務で使うアプリケーションに対し、インターナショナルシステムリサーチの「CloudGate UNO」でID・パスワードベースのシングルサインオン(SSO)を実現していた。MFA対応のためにSalesforceだけをこの仕組みから切り出すことは、ユーザーの利便性の観点から極力避けたい。
そこで選択したのが、利用中の全アプリケーションのSSO方式を「パスキー認証」に切り替える方法である。パスキー認証とは、パスワードの代わりに生体情報やPINを用いるパスワードレスのMFAの仕組みのこと。「CloudGate UNOが対応可能だったこと、およびSalesforceもMFAの要件として認めていたことから、この方法がベストだと考えました」と西氏は言う。
移行を成功させるため、準備は綿密に行った。まず検討段階では、社内のPCがどの程度FIDO2※に対応できるかを確認。認証器は外付けの指紋認証器を考えていたが、営業メンバーは出張が多く、紛失や破損の恐れがある。そこでWindows機はノートPC内蔵カメラを利用したWindows Helloによる認証、MacはTouchIDによる認証、社用スマホは生体認証用スマホアプリのPocket CloudGateを利用することにした。「結果的に外付けカメラの購入、ノートPCの入れ替えを削減でき、コスト最適化を図ることができました」と西氏は話す。
※ FIDO Allianceが定めるパスワードレス認証の標準技術仕様