ここからは、その具体的な内容について見ていきたい。まず、1つ目の「脅威の検知」においては、バックアップを取得するタイミングでAI/機械学習によるスキャンとファイルシステム分析を実施。これによりマルウエアを早期に検出すると同時に、感染が疑われるデータをマークすることで安全なバックアップデータを把握する。「他社セキュリティーツールのインシデントレポートも利用できるので、攻撃の初期段階で感染に備えたアクションを取れるようになります」と安田氏は話す。
また、クラウド型ITマネジメントサービスである「ServiceNow」とのインシデント連携機能も提供。同社の監視・レポートサーバー「Veeam ONE」のアラームから自動的にインシデントを作成できるだけでなく、ServiceNow上で直接インシデントの更新や解決を行うことも可能だ。
2つ目の「データの復旧」では、最初に取得したバックアップデータに対するマルウエア検出スキャンを行う。ここではウイルス対策ソフトのほか、マルウエアの検出・識別・分類に用いられるパターンファイル「YARAルール」による検出が可能。さらに、マルウエア攻撃以前に取得されたクリーンなバックアップデータの中から一番日付の新しいものを見つけることで、感染してしまったデータがリストアされることを防ぐ。
「当社のソリューションには『Virtual Lab』と呼ばれる仮想検証環境が用意されていますので、安全に仮想マシンの復元性をテストできます。また、リストアプロセスの最中に、マルウエア検出スキャンを行うことも可能です。問題がなければ所定の場所にリストアされますが、もし途中でマルウエアが検出された場合はリストアプロセスを中止し、感染した仮想マシンが本番環境内に配置されることを防ぎます」と安田氏は話す。
最後に3つ目の「コンプライアンスの保護」については、強化Linuxリポジトリによる改ざん・削除防止を実施。同社製品の管理コンソールから書き換え禁止期間を設定することで、バックアップデータがランサムウエアによって暗号化/削除されないようにする(図1)。
これと同様に、オブジェクトストレージにバックアップデータを保存している場合も、オブジェクトロック機能と連携することでデータの改変を防止。書き換え禁止期間の有効期限が来るまでは、暗号化や削除が行えないようにすることができる。
「もう1つ有効なのが、セキュリティーのベストプラクティスを確認する機能です。ここではバックアップサーバーの構成をチェックして、OSや各種のコンポーネントがベストプラクティスを満たしているか確認できます。満たしていない項目については×マークが表示されますので、構成変更を行った際のリスクなどを素早く洗い出せます」と安田氏は話す。
これに加えて、セキュリティー/コンプライアンスの状況を可視化するためのダッシュボードも用意。マルウエアの検出状況やRPOの異常、日々のSLAの成功率など、データ保護に必要な情報を一目で確認できる。
「このように当社では、脅威の検知、データの復旧、コンプライアンスの保護の3点に対し網羅的な対策を提供しています。さらにそのほかにも、バックアップサーバーにログインする際の多要素認証やランサムウエア検出レポートの作成機能、マルウエア検出を含めたリカバリの自動化機能など、様々な対策機能をご用意しています」と安田氏は強調する。
なお、同社が提供するソリューション「Veeam Data Platform」にはFoundation/Advanced/Premiumの3つのエディションがあるが、マルウエア検出機能を利用するには、Advanced/Premiumを選ぶ必要があるという。