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みらい翻訳

実は危険な無償のAI自動翻訳サービス
リスクを低減し、生産性向上につなぐ方法は

グローバルに事業展開する製造業をはじめ、多くの企業で日常的に使われているAI自動翻訳。今後も利用拡大が予想されるが、実は問題もはらんでいる。それが、無償ツールの利用に起因するセキュリティーリスクである。企業・組織が適切なAI自動翻訳環境を整備しないことは、情報漏洩のリスクを高めるほか、ユーザーの生産性低下の要因にもなる。これらの課題を解決する、ビジネス向けAI自動翻訳サービスの効果を紹介する。

定期的に外国語を扱う人の
82%がAI自動翻訳を利用

株式会社みらい翻訳 CRO 兼 翻訳DXチーフエバンジェリスト 瀬川 憲一氏
株式会社みらい翻訳
CRO 兼 翻訳DXチーフエバンジェリスト
瀬川 憲一
 今の世の中でAIの話題は事欠かない。日本企業で深刻化している人材不足の問題を解決する上で、AIを活用することはもはや不可避といえるだろう。

 ChatGPTなどの汎用的に活用できる生成AIもさることながら、より大きな生産性向上効果をもたらすものとして期待されているのが領域特化型のAIだ。特に言語の翻訳の世界で、AIは大きな力を発揮する。現在のAI自動翻訳の性能について、みらい翻訳の瀬川 憲一氏は次のように話す。

 「AI自動翻訳による生産性向上効果は、人との比較で表すと分かりやすいでしょう。例えばTOEIC750点レベルの人が日英翻訳を行う際のスピードは毎分15単語程度、英文を読んで理解するスピードは毎分100単語程度といわれています。一方、AI自動翻訳が1000単語の翻訳に要する時間はわずか5秒程度。翻訳精度も高いです」

 このスケーラビリティーやコスト効率の高さはまさに圧倒的といえる。翻訳結果に関する責任はユーザーである人間が持つ必要があるが、外国語を取り扱う業務プロセスにAI自動翻訳を適用すれば、大きな生産性向上が図れる。活用も浸透しており、同社の調査では、業務で定期的に外国語を扱うビジネスパーソンの82%がAI自動翻訳を利用していることが分かったという。

無償ツールでは、
投入した文章が学習されるリスクがある

 しかし、この状況はある問題をはらんでいる。それが、無償ツールの利用に起因するセキュリティーリスクである。

 「当社が調べたところ、現在の企業・組織で使われているAI自動翻訳の9割が無償サービスでした。また、現場の方が許可を得ず使っているシャドーITの状態も多く見られます」と瀬川氏は言う(図1)。  無償のAI自動翻訳は、サービスの提供と引き換えに情報を取得する。ユーザーが投入した文章を機械学習などに利用することは、利用規約でも明示されているという。入力した文章がそのまま流出するリスクは低いにせよ、他者の翻訳結果を詳細化するための素材として使われるケースがある。つまり無償サービスを利用することは、ユーザーが所属する企業・組織の守秘義務規定に違反する可能性があるのだ。

 また、先に紹介した通り、多くの人がAI自動翻訳を使っている現状を踏まえると、そこにはITリテラシーが高くない人も含まれると考えるのが自然だ。それらのユーザーは、メールやチャットで受け取った外国語の文書をそのままコピー&ペーストでAI自動翻訳サービスに投入するといった行動を取りがち。万一、機密情報が漏洩すれば、企業経営も大きなダメージを受けることになる。

 「もっとも、日常的に翻訳業務を行っている人は、語学力と共に比較的高いITリテラシーをお持ちのことが多いです。そのため、無償ツールのセキュリティーリスクをある程度理解していますが、そのことが生産性低下の要因になっています」と瀬川氏は続ける。

 リスクを承知しているがゆえに、投入前に文章内の機密情報をダミー文字に置き換えたり削除したりしている。あるいは、高度に機密性の高い文章は投入しないという判断を下している。これらのことが、作業の時間や手間の発生、人手による翻訳との併用によるコスト増といった状況を生んでいるという。これでは、せっかくのAI自動翻訳の効果もフルに生かしているとはいえないだろう。

 「このような状態を放置しておいてよいのでしょうか。情報漏洩のリスクがなく、誰もが簡単に使えて精度も高いAI自動翻訳サービスを、組織主導で選定・導入して従業員に提供することが不可欠です」と瀬川氏は強調する。

翻訳後のデータは
自動削除 AIの学習にも用いない

 みらい翻訳は2014年設立、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、パナソニック、人手翻訳の大手である翻訳センターを出資元とするジョイントベンチャーである。NICT(情報通信研究機構)やNTTから技術支援を得て、高精度な機械翻訳アプリケーションの開発に努めている。

 同社が主に日本企業向けに提供しているのが、高精度AI翻訳プラットフォーム「FLaT」だ。翻訳量・ID数無制限のAI自動翻訳サービスと、アセスメントや活用促進支援サービスを併せて提供する。

 「ビジネスがグローバルに広がる時代、言語の翻訳は、ビジネスパーソンの生産性を大きく左右する業務の1つになっています。当社は、このFLaTを『ワンストップDXソリューション』と位置付け、お客様の課題解決を支援するものとしてご提供しています」と瀬川氏は述べる。

 同社のAI自動翻訳サービスはサンゲツ、パナソニック、デンソー、三菱商事、キトーなど大小1000以上の企業・組織、計80万人以上のユーザーに利用されている。なぜこれほど多くの企業に選ばれているのか。ITリテラシーを問わないUI/UXや、高い翻訳精度など、ポイントは多々あるが、中でも注目すべきはやはりセキュリティーだろう。

 「国際規格であるISO27001/ISO27017認証を取得しており、その内容に準拠してお客様の秘密を保持します。投入されたデータは翻訳終了後に自動で削除しており、AIの学習に使うこともありません。すべての翻訳処理を日本国内のクラウド環境に限定し、クラウド上のデータ暗号化を含めた運用も自社の管理下で行っています」と瀬川氏は説明する(図2)。  具体的なプランとしては、年間12万円で12万ワードまでの翻訳を行える「スターター従量プラン」、8万円(10ID)/月から利用できる「翻訳量無制限プラン」、前述したFlaTを25万/月から利用できる「翻訳量・ID数 無制限プラン」を用意しているという。

 ともすれば、単なる付帯作業と捉えられがちな翻訳業務。しかし、この業務にメスを入れることで、企業・組織のDXを大きく加速させられる可能性がある。確かに、無償で使える翻訳サービスは魅力的だが、それは果たして、大きなビジネスリスクと引き換えにしてよいものだろうか。企業・組織は今一度その点を考え、AI自動翻訳の利用実態に即したサービス活用戦略を検討するべきだ。

 みらい翻訳の提案は、AI自動翻訳サービスをはじめ、これからの時代のデジタルサービス利用の在り方に重要な示唆を与えてくれるものといえるだろう。
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