Datadog Japan合同会社
セールスエンジニア
ブライアント オウ氏
2024年6月に発覚したPHPの脆弱性CVE-2024-4577は、世界中の企業に大きな被害をもたらした。PHP CGIを使用するWindowsサーバー上で任意のコードを遠隔から実行すれば、サーバーの乗っ取りやデータ漏えい、サービス停止を引き起こすことが可能になる。
このようなリスクが次々登場する中、セキュリティーインシデントの対応に費やされるコストは上昇の一途をたどっている。特に情報漏えい事故対策の平均コストは、1件あたり数億円規模になるともいわれるほどだ。
「ただ見方を変えれば、アプリケーションのセキュリティーを向上し、リスクを軽減できれば、コストの大幅な削減につながるということです」とDatadog Japanのブライアント オウ氏は語る。
もっとも、これはそう簡単なことではない。同社によれば、セキュアなアプリケーション開発には多くの課題があるという。
「リリース後の不具合修正」はその1つだ。アプリケーションはコード開発、テストを経てリリースされるが、この段階で脆弱性や問題が発見された場合、大きな手戻りが発生することになる。「早い段階で脆弱性を見つけられなければ、その分修正コストが増加してしまいます」とオウ氏は言う。
また「OSSライブラリで必要になる定期的なアップデート」も難しい問題だ。アプリケーション開発には大量のOSSライブラリが利用されているが、そのコードベースの多くに、高度またはクリティカルな脆弱性が含まれているといわれる。そのため、OSSライブラリは常に最新の状態に保つことが不可欠で、そこに多くの工数が必要になる。
「複数のコーディング手法の存在」も悩ましい。同じ挙動をさせるためのコードでも、書き方は複数存在し、それぞれ攻撃を受けるリスクが異なるのだ。とはいえ、アプリケーション開発の現場で、すべてのコードに対して脆弱性のない書き方を徹底することは現実的ではない。どう対処するかが難しい問題になっている。