Rubrik Japan株式会社
執行役員
セールスエンジニアリング本部
本部長
中井 大士氏
最近では、日本においてもAI活用に向けた取り組みが急速に進んでいる。しかし、新しい技術であるだけにリスクもある。
「特に重要なポイントが、AIに欠かせないデータのレジリエンスをいかに担保するかという点です。AIの回答に機密性の高い情報が含まれていたりすると、意図せぬ情報漏洩を引き起こす恐れがあるからです。こうしたことが起きないよう、データリスクを監視する必要があります。また、サイバー攻撃は年々悪質化・巧妙化しているため、きちんとデータを保護・復旧できる仕組みも必要です。つまり、AI活用においては、『データセキュリティー』と『サイバーリカバリー』の2点にフォーカスした対策を実施することが重要になります」とRubrik Japanの中井 大士氏は指摘する。
このような対策を行っていなかったことで、ビジネスに深刻な打撃を受けた企業も多い。「例えばある企業では、ランサムウエア被害からの復旧に約3カ月もの期間を要しました。その理由は、肝心のバックアップデータが使えなくなってしまったからです。本番データが攻撃された際にバックアップデータも一緒に暗号化されてしまったため、この企業では結局システムを新たに作り直さなくてはなりませんでした」と中井氏は明かす。
また、別の企業の被害事例では、バックアップデータが確保できていたにも関わらず、復旧に約1.2カ月を要したという。
「バックアップデータがあるのなら、そこからリストアすれば済みそうに思われます。しかし、ここでの問題は、『どのシステム/データが被害に遭ったのか』『どの時点のバックアップデータを使えば安全にリストアできるのか』といったことが、すぐには分からないという点です。万一、ランサムウエアが存在するバックアップデータをリストアしてしまったら再感染してしまいます。どのバックアップデータが大丈夫なのか、状況を詳しく調査しなくてはならなかったため、これだけの時間がかかってしまったのです」と中井氏は続ける。
最初の事例が示すように、そもそもバックアップデータが守れていないのでは話にならない。しかし、たとえバックアップデータがあったとしても、それだけでは迅速な復旧は行えない。
「システム復旧を行う際には、しばしば『RTO(目標復旧時間)』という考え方が用いられます。復旧の原因が障害や災害である場合は、直近のデータをリストアすればよいため、システム復旧の作業時間がそのままRTOになります。しかし『サイバーRTO』はそうはいきません。被害の影響範囲や感染タイミング、機密データへの影響などを把握し、マルウエアの検出・隔離を行った上でないと、リストア作業に取りかかれないからです。このためサイバーRTOは、通常のRTOの100倍も時間がかかる可能性があります」と中井氏は警鐘を鳴らす。