イーセットジャパン株式会社
シニアマーケティングマネージャー
セキュリティエバンジェリスト
曽根 禎行氏
2025年8月、これまでにない新種のランサムウエアがESETにより発見された。AI駆動型ランサムウエア「PromptLock(プロンプトロック)」だ。従来のランサムウエアとは異なり、LLM(大規模言語モデル)を活用して攻撃コードを自動生成する。
コードが毎回異なるため、同じ攻撃でもコードのパターンが再利用されず、従来のセキュリティー対策では検知が難しい。コードを自動生成するため、高度な技術力がなくても攻撃に手を染められる。「攻撃者の裾野が今まで以上に広がり、脅威の数と質が急速に増加する可能性があるのです」とイーセットジャパンの曽根 禎行氏は訴える。
しかも実行環境をAIが分析し、暗号化・情報窃取・破壊など最も効果的な攻撃手法を選択して実行する。「従来の静的なマルウエアとは異なり、状況に応じて効果的な攻撃を行う“動的な脅威”です。将来的には強化学習を通じて自己進化するマルウエアへと発展する懸念もあります」と曽根氏は続ける。AI時代を迎え、サイバー攻撃は新たなフェーズに突入したといえるだろう。
サイバー攻撃を速やかに検知・遮断するための有効なツールが「EDR(Endpoint Detection and Response)」及び「XDR(Extended Detection and Response)」である。
侵入を防止する機能としてはアンチウイルス機能を含むエンドポイントプロテクション(以下、EPP)が広く使われるが、なかにはEPPの検知機能をすり抜けてしまう脅威もある。それを補完するのがEDR/XDRだ。侵入後のできるだけ早い段階で脅威を検知・遮断し、侵入による被害を最小限にする役割を担う。
侵入後の一連のプロセスが記録されるため、ステークホルダーへの説明責任を果たす上でも役立つ。サイバー攻撃は侵害が進むにつれて対応の難易度やコストが増大する。「精度の高いEPPで極限まで脅威をブロックし、EDR/XDRですり抜けた脅威を対策する。多段の防御が最も効果的です」と曽根氏は語る。